こころの問題は近年注目されており、うつ、発達障害、認知症といった精神医学的な視点から、いじめ、虐待などの社会問題まで、幅広くとりあげられるようになった。同時に、遺伝子改変や神経細胞刺激による神経活動や行動の変化、MRIや脳波を用いた脳構造・機能の検討、大規模調査や診療報酬明細書を用いた多変量統計モデリングなど、各分野でこころの問題の解明に向けて研究が進んでいる。こころの総合人間科学概論が、オムニバス形式のこころの科学に関わる最先端の研究を学習するのに対して、特論ではより臨床精神医学に即した研究や実践を学習する。
特に実践面では、公認心理師カリキュラムに対応し、
① 精神疾患総論(代表的な精神疾患についての成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援を含む。)
② 向精神薬をはじめとする薬剤による心身の変化
③ 医療機関との連携
の内容を学習する。
本講義は高度教養特殊講義であるが、昨年度とほぼ同程度の内容であるため、これまで履修した学生は単位を認めない。公認心理師カリキュラムへの対応に必要な場合は、個別に相談すること。