この授業では、北アフリカ・マグリブ地域(今日のアルジェリア、チュニジア、モロッコに当たる地域)の歴史と文化に対する理解を深めるため、日本語または英語で読んだり、視聴したりできる教材(翻訳や創作物も含む)を用い、その内容を議論する。教材の理解に必要な歴史的背景や分析方法についての知識を補うため、教材と一緒に短めの学術論文も読んでいく。現代日本とは異なる価値観や歴史的・文化的文脈の中で書かれた旅行記、外交文書、地図などの史料(ただし言語上の制約のため、この授業では翻訳を多く用いる)を読みこなしたり、歴史に題材をとった創作作品を批評することを通じて、北アフリカの歴史と文化を知り、北アフリカにまつわる様々な言説やイメージを参加者が自分なりに解釈できるようになることを目指す。
参加者には、毎回事前配布する課題テキスト(基本的には英語または日本語の教材1~2点と、学術論文1本のセット)を必ず事前に読むことが課される。授業日にはまず、講師による講義で背景知識を学んだうえで、講義終了後に行うディスカッションに積極的に参加することが期待される。ディスカッションをスムーズに進めるうえでの手がかりにするため、いくつかの設問に対して授業で学んだ内容を答えたり、自分の意見を述べたりする形式のリアクションペーパーを講義終了後の授業中に記入・提出してもらう。リアクションペーパーの設問は、課題テキストとともに事前配布するので、授業前に分かるところは記入をはじめてもらってよい。
マグリブ地域やイスラーム文化、植民地史に関心がある参加者を歓迎する。中東・北アフリカ史、アラビア語およびフランス語の基礎的な知識があることが望ましいが、いずれも必須条件とはしない。