産業技術の拡大・進展による人間の根本的な改造と、辛うじて、しかしなお粘り強く現存する(はずの)農民的文明の対置を核としながら(もちろん、迫り来る——というより、すでにほぼ始まってしまっている——大規模戦争という同時代的な文脈がその背景としてある)、主題はもとより文体・構成の面でも多面的というほかないジャン・ジオノの詩的エッセイ、『空の重さ(Le Poids du ciel)』(1938)をフランス語で購読する。全体が長大ということもあり、とくに第三部「個人の美」に注目するが、当然ながら、先行する二部、また関連する諸著作を視野に収めながら読み進める。