学部前期課程
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最終更新日:2024年10月18日

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映画論
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この授業では、日本映画1945年以後の映画史を語りながら、映画分析の基礎を学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
50692
CAS-GC1A35L1
映画論
CAPEL Mathieu
A1 A2
水曜5限
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51536
CAS-GC1A35L1
映画論
CAPEL Mathieu
A1 A2
水曜5限
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適応行動論
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人間とは何か。根源的な問いに対して我々はどのように探求するべきだろうか。教養学部はこの大問題に対して多様な方法論で究明するための研究者が結集した学際部局であるが、本講義では生物進化、とりわけ霊長類進化の視点でこの問題に迫る。今確認できる全ての生物は、同じ時間を経過して現在の種の形で生物進化を果たしている。生物種としての「ヒト」は、その進化の連続性の中で成立しており、身体や脳の設計、我々が営む社会構造に至るまで、ヒト固有と思われる生命現象も、全て生物進化の上で成立したと考えて良い。化石の痕跡に残らない行動や心といった現象も、生物進化の痕跡といえるだろう。こうした生物進化の視点で、心や行動の進化適応性を考慮し、それを理解する学問は、人間行動進化学、また,心理を理解する学問は進化心理学と呼ばれ、最先端の学際的教養分野である。 本講義では進化論が近現代の人間観・世界観に与えた影響を概観した後、進化生物学の基本的な概念を学習する。加えて、講師の専門である霊長類進化に関わる最新の知見を解説しながら、霊長類の生物特徴とヒトの固有性について理解し、人類の進化史を学ぶ。。これらの内容を踏まえた上で、身体や脳の設計とその進化を考慮して、そこから生じる行動と心について、ヒトとヒト以外の動物との共通性や相違点などの様々な例を挙げて、その進化について学習する。扱う主題としては、ヒトの言語や文化、社会の進化や養育行動などを想定している(講義の進捗や時折挿入する雑談などによって話題を多岐にわたって展開する)。「人間とは何か」という大きな問題に対し、従来の人文科学や社会科学にはなかった新しい文理融合的アプローチによって迫りたい。 本授業の履修にあたって進化学の知識は前提としない。必要な概念についてはその都度解説する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30224
CAS-GC1D34L1
適応行動論
香田 啓貴
S1 S2
月曜4限
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現代社会論
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◯本講義の目的 現代社会とはいかなる社会か。その秩序はいかに可能になり、また変更されようとしているのか。 この根本的な問い、様々な解が存在し得る問いに自分なりに一定の答えを与え、これから社会に大きな変化が訪れた時にもそれを解釈するための「自分の中の軸」をつくることが本講義の目的です。 (1)現代社会を俯瞰的に把握するために、社会を構成する諸領域のおさえるべき事実を理解する(2)その過程で一定量の情報を短期間で自らの知識とする経験を反復する(3)諸領域を越境しながら思考することで現代社会に共通する課題とそうではない課題とを峻別する、という3点を繰り返す中で、受講生各々が独自の視座を得ることを目指します。その際には、常にメディアにある情報を横目にいれながら社会と個人の関係とを意識します。 現代社会とは何か。その根本に何があり、どんな特異性が存在するのか。その全体を見渡すことはますます難しくなっています。 個人それぞれが自らの見える世界の内部に閉じこもり、またそれを加速するよう社会構造・情報技術等も高度化している。「それならそれで良い」と意識的に選択しているならまだ良いが、おそらくそうではない。多くの人は情報過多の渦の中に巻き込まれるに身を任せ、無意識のうちに狭い世界に引きこもりつつ、可処分時間を「自分ではない何か」に奪われ、休み無く走らせられ続ける感覚に疲弊している。 未来への答えなき不安と期待値の低さ、現在の幸福と最小化・最適化された不満。その中であえて立ち止まり、自分と社会の足元・現在地を確認しなおすことに、いま大学で学ぶことの意義の一端はあるでしょう。 受講にあたって、文理、所属・専攻、関心、進路の希望等々は問いません。 【2013年度本登録実績:文一3名、文二3名、文三3名、理一4名、理二2名の計15名】 ◯本講義の進め方 上記の目的に向け、本講義では中央省庁が刊行する白書を課題文献として、受講生にはその読解を前提に文書を作成し、議論する、という作業をしてもらいます。その際、常に白書の内容に関連するメディア上の情報を踏まえながらのアウトプットを積み重ねます。 具体的には、課題文献を読んで各自のリアクションペーパーを作成した上でグループディスカッションをする「GD回」、全体討議をしレポートを作成する「全体討議回」を講義時間の中で交互に設定し進めます。前後半、それぞれの終わりに研究ノートを作成する「まとめ回」もあります。 リアクションペーパーとレポートでは、メディア上に存在するニュース等関連情報を参照し、白書に示された現状や指針と、メディア上の情報との双方を批判的にとらえるようにしてください。 【昨年度は「文部科学白書」「食料・農業・農村白書」「エネルギー白書」「外交青書」「防衛白書」を読みました】 上記の「本講義の目的」を達成するためには、歴史的アプローチ(ex.過去の動向を大局的に捉え典型的な構造やパターンを抽出して考える)、理論的アプローチ(ex.個別事例を普遍的に説明できる概念や規則・式を参照したり記述したりしながら考える)、フィールドワークや定量データ分析など分析的アプローチ(ex.現場に生きる人の口述内容や意識調査、統計データに現れる見えていなかった現実を元に考える)といった方法がありえます。 本講義は、その前段階で必要な事実を知る機会となります。難しいと思うかもしれませんが、もし可能であれば、各受講者が自分の知っている範囲で、自由にそれらの方法を組み合わせながら議論やレポートの作成をすることを歓迎します。他の講義・ゼミや課外活動で学んだ知識をアウトプットし血肉化する機会としても利用して頂ければと思います。 学部1・2年生であれば、高校までの教科教育で学んだ内容や探究学習等で得た知識をもとに思考せざる得ない部分も大きいでしょうし、大学に来たからには、その枠を超えた思考を展開したいという関心を様々に持っている場合も少なくはないでしょう。それが将来の職業選択やキャリア形成の選択肢を増やすと予感している人もいるでしょう。例えば「SDGsについてより深く考えたい」「国際政治の勉強をして世界平和に貢献したい」「いずれ地方で暮らし少子高齢化やコミュニティ崩壊の問題に取り組みたい」「遠からず来る大規模複合災害に向けていまからできる防災や復興のあり方を構想したい」等々。 それらの関心の上により深く思考するためには、歴史的・理論的・分析的アプローチなどの方法論的な「タテ糸」と、細分化され続ける個別領域・事例についての幅広く・精緻に構造化された理解によって撚られた「ヨコ糸」とで織られた一枚の布を可能な限り幅広く・分厚く自分の中に用意し携えておくことが必要です。 その布は、難所を進む際には雨風から身を守り、立ち止まる際には落ち着いて休むための敷き布となり、旅の中で得た持ちきれないほどの宝物を遠方まで運ぶための包み布としても活きるでしょう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30361
CAS-GC1C21L1
現代社会論
開沼 博
S1 S2
火曜2限
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社会環境論
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本講義では,自然環境と人間社会の関わりに着目し,災害に対する脆弱性,被災,支援,復興,教訓伝承と次なる災害への備えなど,一連の災害過程にみられる諸問題を,教員の専門である地理学的な視点を中心に多面的・多角的に理解していくための見方・考え方を習得することを目標とする.東日本大震災をはじめとする国内外の災害を取り上げる.授業内容のより詳しい説明は初回授業時に行う.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30364
CAS-GC1D14L1
社会環境論
小田 隆史
S1 S2
火曜2限
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社会行動論
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 本授業は主に専門領域で言えば、心理学、なかでも社会心理学領域の講義を柱とし、家族心理学を補う。社会心理学は人間関係、集団関係の心理学領域であり、三面記事的な「社会」とは異なる。人間についても、自然法則、経済法則などといった他の分野と同様、あるいは独自の形で法則性が見られ、心理学とは人間を科学的に研究・解析してその法則性を樹立する学問分野である。イメージとしては行動科学、人間科学、認知科学といった用語の方が適合するかもしれない。一方、常に社会との関係性をも意識し、広く人文科学と社会科学をつなげる領域総合的な観点を有することも社会心理学の利点と魅力である。社会心理学分野は多岐にわたり、個人の行動分野から対人行動、自己、対人相互作用、集団過程、集合現象、家族関係など広く、経済学や政治学とも密接な関係をもつ隣接分野である。本講義は全体に目配りしながら、「対人関係並びに集団における人の意識及び行動についての心の過程」、「人の態度及び行動」、「家族、集団及び文化が個人に及ぼす影響」など、「公認心理師」の社会・集団・家族の選択科目分野が学べるような講義になっている。  人間関係は誰もが一生経験し、どのような職業についても無関係であることはなく、しかしながら単なる「人間関係のノウハウ」のような通俗本に取り上げられているものとは異なる。その知見は、実験や調査などの実証研究を土台とし、定義された専門用語によってはじめて正確に描写、記述することができるきわめて専門的な知識である。その専門的知識は深めるほどに個人の独創的・創造的な応用によってより深く、鋭く日常と接続し、本人の技量にしたがって一生役立てていける知識基盤となる。そして重要なのはそれは自分ためだけではなく、他者のためにもなり、またそれは結局ひいては自分のためであることを利他行動の授業回において明確に示すであろう。また心理学は一般に方法の学問と言われるように、その内容だけでなく、研究方法、知の獲得の仕方に特徴と味わいがあり、物の見方の学習こそが一生用いていくことができる最も応用可能な点である。  心理学は題材として人間を俎上に載せ、またその人間のひとりは他でもない自分自身であるだろうが、だからと言ってそれは学ばずして十分理解できるものでもなく、そのパースペクティブを獲得することがなければ一生気づかずに過ごしてしまう貴重な知見を豊富に含んでいる。とりわけ進化的なパースペクティブや体内物質、遺伝についての知見は、自分自身で気づくには圧倒的に不可能的なアイデアであったり、鋭く実証的な科学的知見であったりする。そもそも統計解析を重視する心理学にあって、人と環境の交互作用は知見の中心であるが、人は直観的に「交互作用効果」が理解できるように頭脳がしつらえられていない。これはきわめて現代的な進展であり、そうした学問の進展は生涯学び続けなければ、どんどん古びてしまうものである。  世間で心理学や人間について誤った言説が溢れているのは人が容易に新たな知見を学習しないからであると言っていい。受講者は一生にわたってこれらの知識を現代人として更新していってほしい。そういう意味で本講義の目標はよりよい現代人になることであり、基本的な人間の性質というものへの感受性を高め、その捉え方についてより科学的なスタンスを自分自身に確立させることを目標とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30669
CAS-GC1D35L1
社会行動論
北村 英哉
S1 S2
水曜2限
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社会正義論
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 「かくも深く募ってやまない痛みを、あたかも単なる政治的問題のひとつであるかのように、二者間の「紛争」などと、そして双方が「競合する」と称される物語を抱えているなどとよくも言えたものだ。ジェノサイドは物語なのか? 自由を追い求めることは紛争なのか?」これはパレスチナ系アメリカ人の著述家、ラムズィ・バールードが今年5月、76 回目のナクバ記念日にX にツイートした言葉です。反語疑問の形で、「パレスチナ問題」の今日的かつ歴史的な本質を端的に言い表しています。  昨年10月7日以来、ガザをめぐる「情報」は日本でも種々のメディアで溢れています(とはいえ、それらは、ジェノサイドにほかならないその事態の規模や重大さに見合った質でもなければ量でもありません)。とりわけ主流メディアにおいては、それらの情報は問題の根源を問うことなく、一過性のニュースとして消費されて終わるという形で、ナクバ以来続くパレスチナの民族浄化を維持する「文化的暴力」として機能しています。  さらに自由や人権や民主主義を掲げる米欧諸国においては、昨年10月以来、否定しようのないジェノサイドと化した歴史的な民族浄化に見舞われるパレスチナ人に連帯し、イスラエル国家やそのナショナル・イデオロギーであるシオニズムを批判する者たちが「反ユダヤ主義」のレッテルを貼って非難し弾圧されるという事態となっています。  パレスチナにおいて、そしてパレスチナをめぐって行使される歴史的かつ今日的な直接的暴力と構造的暴力、そして文化的暴力に抗う一歩として、パレスチナについて、また、パレスチナをめぐって、パレスチナ人やパレスチナ人以外の者が綴ったさまざまなナラティヴ――現代の古典となったものから、「今」書かれる同時代のものまで――を読むことを通して、パレスチナ問題の本質、根源と、パレスチナをめぐる問題の諸相を理解します(機会があれば、「読む」だけでなく、「観る」「聴く」も適宜、実践したいと思います)。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
51323
CAS-GC1A39L1
社会正義論
岡 真理
A1 A2
木曜2限
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演劇論
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ローレンス・オリヴィエ、メル・ギブソン、ケネス・ブラナーらの映画『ハムレット』を比較して、ハムレット表象の問題を視野に入れつつ、『ハムレット』という作品の核心に迫る。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
50012
CAS-GC1A37L1
演劇論
河合 祥一郎
A1 A2
金曜2限
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51528
CAS-GC1A37L1
演劇論
河合 祥一郎
A1 A2
金曜2限
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平和構築論
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ASEAN域内で、インドネシアは2億6000万人の人口を抱え、資源大国である。インドネシアの国内の治安維持において、分離運動、共産党、テロ活動の抑止は大きな比重が置かれていた。本授業では分離運動のひとつである東ティモールをとりあげて、受講者に論文を分担報告してもらい、東ティモールにおける平和構築活動について理解を深めてもらう。そのうえで、東ティモール国家警察に市民警察について第三国研修をした、インドネシア国家警察のことをとりあげる。日本警察はインドネシア国家警察改革の「お手伝い」を20年以上にわたって実施してきた。国軍から「独立」したインドネシア国家警察がどのように変化したのか/変化しなかったのかを、長期にわたって現地に赴いた専門家やプログラムマネージャー、さらにはインドネシア国家警察関係者の話を聞いてみる。クリスマス前には期末レポートの中間報告も行ってもらう。最後に和解の試みについて講話を聞く。講師の手配状況によっては、歴史認識を含む日本の事例をとりあげるかもしれない。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
51099
CAS-GC1B14L1
平和構築論
谷垣 真理子
A1 A2
金曜5限
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音楽論
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日本の近代の異文化摂取と自文化意識形成プロセスの中で、日本の音楽文化も再構築された。その中で一般人によって斉唱される歌は重要な役割を果たした。明治初期から讃美歌等の宗教歌謡、国歌・校歌のような儀式歌、教育科目としての「唱歌」などが導入され、明治中期以後の戦争に伴って軍歌が全国の男子に流行し、また同時代から日本人の作曲による教育歌が公立学校の検定(後に国定)教材となる。明治後期から大正にかけて民間の(楽譜付き)歌集の出版文化も盛んになり、さらに大正から昭和初期にかけていわゆる「童謡運動」や「民謡運動」によって歌謡文化が多様化し、主に芸術性を目指す分野も、新しいメディアを通して商業的ポピュラー文化へと発展する分野も現れる。 このような文化背景を論じた上に、この授業では旧制高等学校(男子校)の生徒によって作詞・作曲された第一高等学校の「寮歌」を中心に扱いたい。第一高等学校以外にも寮歌があるのに何故この授業で第一高等学校に限定するのかといえば、第一高等学校は東大の教養学部の一つの前身であり、現在まで第一高等学校の寮歌を歌い続けているOBが駒場キャンパスに集まることもあり、駒場の学生には身近いものだという単純な理由もある。ただし日本の近代の寮歌の中では、作品の数から見ても、旧制高等学校同士の影響関係から見ても、また一般社会における受容から見ても、第一高等学校が圧倒的に中心であったということもいえる。 第一高等学校の寮歌の発生は自治寮の成立(明治23年)と全寮制の導入(明治34年)にあり、その最盛期は一校が駒場に移ってきた昭和十年代まで続く。ただし戦後の学校廃止(昭和24年)までの四年間、そしてその伝統を受け新制東京大学の駒場寮においても、新たに作られた寮歌がある。 明治37年以来第一高等学校の寮歌は、年々に曲数が増えていく「寮歌集」にまとめられた。生徒の世代交代とともに主に口から口へ伝承された曲は不変なものではなかった。新しく作詞・作曲された曲の音楽様式が変化するのみならず、既存の曲の歌い方も大いに変わり、それが部分的に寮歌集の楽譜にも反映された。従って年代ごとの寮歌集を比較すれば、そこから時代と共に変化する一高生活の雰囲気も、日本近代の音楽文化の発展も読み取れる。 広義の「寮歌」の中でも、さまざまな種類を区別することができる。その中で「狭義の寮歌」と言われるのは、明治23年の自治寮の発足を記念する「紀念祭」に発表された「寮歌」と、同じく紀念祭に寄贈された、卒業生による「寄贈歌」である。 大正8年以後寮歌の募集方法と寮歌集の編纂が大きく変わったので、まずは大正7年までできたものを大正7年の寮歌集を基準に見ると以下のような種類がある。 (1)『全寮々歌』1曲(明治34年、多くの儀式に使われてきた歌。島崎赤太朗作曲) (2)全寮々歌以前にできている寮歌17曲(明治23年の「寄宿寮歌」から始まり、歌詞の一部しか伝わらない、あるいは楽譜が残っていないものが多く、現在に歌い継がれていないものがほとんど。原則的に歌詞のみが一校生に作詞され、当時流行していた軍歌の旋律が使われた。) (3)『全寮々歌』以後、大正7年まで、元来「東寮々歌」、「中寮々歌」などと題されて、それぞれの寮で毎年の「紀念祭」に発表された歌104曲(寮生による作詞、その多くは在学生による作曲) (4)明治35年以来、大正7年まで、一校出身でそれぞれの大学に在学している大学生によって、紀念祭のために作られた「寄贈歌」50曲 (5)明治35年以来、大正7年まで、一高の音楽隊や楽友会によって作られた「紀念祭歌」、または多くな記念会で特別に募集された「〇〇年祭歌」6曲 (6)大正7年まで『寮歌集』の付録に編入されたクラブの部歌・凱歌7曲 (7)その他大正7年まで『寮歌集』に必要だと思われ、付録に編入された歌6曲 つまり大正7年まで合計191曲である。 大正8年以後は特定の寮による寮歌の作成が廃止され、毎年2〜3曲新しい寮歌が委員会によって選定された。同時にそれまで毎年行われた大学生による寄贈も不定期的になった。毎年の寮歌集の編纂は昭和18年までしか確認できないが、終戦前に寮歌集に新たに加わった寮歌は (8)「第〇〇回紀念祭寮歌」として収録された寮生による歌70曲 (9)各大学による寄贈歌46曲 (10)その他の寄贈歌2曲 (11)「〇〇年祭歌」1曲 (12)紀念祭以外の機会に作られた紀念歌等4曲 (13)新たに付録に加わったクラブの部歌・応援歌・凱歌等14曲 (14)その他大正8年から終戦まで『寮歌集』に必要だと思われ、付録に編入された歌14曲 合計151曲である。 その他に戦後歌詞のみで出版されたものや、一高の廃止後一校同窓会(平成24年活動終結)によって編纂された『寮歌集』(最後のものは平成16年発行)に載っているのは (15)第60回紀念祭(1949年)までに作られた「第〇〇回紀念祭寮歌」12曲 (16)大学による寄贈歌4曲 (17)その他の寄贈歌1曲 合計17曲である。 同窓会の活動で一高の廃止以後作られた歌も上記の寮歌集に数曲載っているが、それを除けば一高の寮歌集の最終的な曲数は359である。 このように種類も多くあるが、寮歌は(稀な例外を除けば)単旋律無伴奏の歌で、斉唱は特定の演奏様式に従う。詳細については授業で説明するが、その演奏様式に伴って特定の韻律形式と変拍子もある。またそれが明治から昭和まで時代と共に徐々に変わっていく。この授業は「音楽論」なのでそれを音楽を中心に、楽譜と録音を分析しながら、あるいは授業での実習を伴って体で体験しながら主に音楽構造の側面から観察したいが、音楽様式に先んじて作詞様式が成立する場合もあるので、日本語の韻律論も多少触れる必要があるだろう。 こんにちの一般の東大生が耳にする一校寮歌は「嗚呼玉杯」ぐらいかもしれない。それは明治35年作詞作曲の寮歌で、その時代の典型的な事例として、歌詞は七五調で、メロディは四分の四拍子で、元来ニ長調だったにもかかわらずあとで変化して今日ハ短調になっている。 それに対して昭和時代の寮歌には五七調で三拍子または複合拍子のものが多い。なぜ七五調の歌が四拍子または二拍子なのか、五七調の歌は三拍子または変拍子なのか、この問題を解き明かすのは日本近代のリズムを理解するのに一つの鍵となると思う。 この講義は音楽の実技の授業ではないが、できるかぎり実際に歌う体験も含めたいと思っている。したがって授業時間を少しでも増やし、105分の授業として実施する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
50202
CAS-GC1A36L1
音楽論
Hermann Gottschewski
A1 A2
月曜5限
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社会環境論
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地域的不均等発展という言葉があるように,経済成長は必ずしも全国一様の発展をもたらすわけではなく,成長地域と成長から取り残される地域を生みだすことになります。このような中で,中央政府は”均衡ある国土の発展”といった観点から,経済成長から取り残された地域の開発を推進し,後進地域自身も格差を埋めようと様々な開発事業を行ってきました。しかし,こうした政策・取り組みは意図するような成果をあげることができたのでしょうか。また,経済面以外の部分を含め,地域にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。本講義では「虫の目」の視点から,個別地域の動態を丁寧に跡づけていくことによって,これらの点について考えていきたいと思います。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
50208
CAS-GC1D14L1
社会環境論
梶田 真
A1 A2
月曜5限
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