音楽を真剣に扱うことを教授する。東京藝術大学は音楽学部1学年250名のうち卒業直後に音楽で職がある者は片手に満たない。毎年の様に教養学部関係から「このコマは芸術家を育てるのではなく」といった社会の実勢とかけ離れた注記がやってくるが、高校まで関連の基礎のない駒場生全般を対象に、そんなことが出来るわけがない。では「カラオケ発散の楽しみ方」をなぞらせればよいか?といえば、そういうことは一切ない。駒場以降、諸君は何等かの専門で社会に出、一定の責任をもって人生航路を進まれるだろう。そういう折、多様な局面で役に立つことを期待する、プロフェッショナルとしての音楽の向き合い方を実技を含めて教授する。前学期でいえば小中高校生時代からアンサンブルしている芸大院生たちがゲストで参加、フォーレの弦楽四重奏曲を東大生4人、専門人4人 8人のマスターコースでレッスンしたりもした。