本講義では、報道等でもしばしば目にする雇用・労働をめぐる身近な事象(例えば、終身雇用、採用内定・内々定、セクハラ・パワハラ、ワーク・ライフ・バランス、テレワーク、時間外労働、過労死・過労自殺、男女差別、非正規雇用、同一労働同一賃金、副業・兼業、解雇の金銭解決、企業別組合など)が日本の雇用システムの中でどのように位置づけられ、そして法的にどのような問題として把握されるのかの検討を通じて、労働法の体系的理解へと誘う。また、雇用システムが大きく変化し、「働き方改革」が進行している現在、日本社会の中で労働法が果たすべき役割についても、諸外国との比較を交えて考察する。