障害者・女性・性的マイノリティ・外国にルーツを持つ人々等、多様な背景や特性を持つ人々の包摂(ダイバーシティ・インクルージョン)の必要性が社会的な関心事となっている。一方で、現実に目を向ければ、多様性の包摂は道半ばであるばかりでなく、ヘイトやバックラッシュ等、差異や多様性をめぐる分断や格差が先鋭化する状況すら顕在化している。こうした「理念」と「現実」とのギャップを的確に分析し、それを架橋するための方略を探究する知性が、多様性を包摂する社会に生きる私たちには求められている。本授業では、マジョリティ中心に形成された環境・制度・規範等がマイノリティを周縁化するメカニズムに着目しつつ、様々な専門性を有する教員の講義を通じて、多様性が活きる社会を実現するための視点や実践的知見を提供する。