「家族」は、私たちにとって身近で普遍的な存在のように思われやすいが、実は時代や社会のあり方によって大きく変わる。近年では少子化や未婚化など、家族に関する状況の変化が注目を集めているが、その背景にはグローバル化に伴う戦後日本の社会構造の変容が大きく関わっている。
さらに近年の家族社会学では、「家族の多様化」が重要なトピックとなっており、国内外でその現状を捉えるための理論研究が活性化している。またフェミニズムやクィア理論など他分野の知見の導入も進んでおり、現代の家族社会学研究はこうした動向を知ることなしに理解することは難しい。
受講生は講義を通じて、近現代日本の家族の変遷、また家族社会学の理論の概要を学び、現代の家族の諸問題について、歴史的背景と理論的枠組みを踏まえた考察ができるようになる。