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最終更新日:2025年4月21日

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現代法過程論

現代法過程論
法の定立によって法が自動的に実現されるものではない.法システムの強制の通りに法が実現されるわけでもない.法は社会構成員間の相互作用のひとつのパラメータとして作用するに過ぎない.この社会的相互作用のプロセスを経由することを通じて,同じ内容の法も社会の多様性にしたがってさまざまな社会状態を帰結する.法の解釈適用も法実務も,このような法の社会過程(法過程)を通じてその社会的意味を付与されるものでしかない.したがって,現代社会における法過程への洞察なくして法を論じることはできない.法過程への洞察は,社会科学的手法によってのみ得ることができる. 
本講義は,法の解釈適用,法実践,法と社会の相互作用に対して,学際的手法を用いてアプローチするものである.学際的手法として本講義で重視するものは,「法と経済学」,ゲイムの理論,進化論,認知科学,社会心理学,および,経験科学的社会学の手法である.法と経済学の手法を重視するのは,その政策科学としての色彩が,法の解釈適用という政策的価値判断の色彩の強い社会行為に対して従来の法解釈学とは異なる新たな光を当てるものだからである.進化論とゲイムの理論を重視するのは,それが社会構成員間の相互行為の構造とダイナミクスを明らかにするものだからである.経験科学的社会学の手法を重視するのは,法律学の多くの争点が社会の現実に対して開かれた問題であり,社会的事実の間主観的理解なしには意味のある解決を探求できない性質のものだからである.社会心理学を重視するのは法規整の対象たる人間の本質に科学的に肉薄するものだからである.
社会科学の諸手法は,公共政策大学院の学生にとっては比較的慣れ親しんだ手法と言えるものであろうが,差し当たりは,社会科学の発想方法まで遡って説明して行く.その上で,統計学,法と経済学,社会心理学,ゲイムの理論,進化論などの初歩を説明して行く.
本講義では,法をめぐる現代的で具体的な諸問題を主要な対象とし,上記社会科学の諸手法を学際的に用いてアプローチする.具体的には,司法制度,裁判手続,所有権法,契約法,不法行為,および刑事法における具体的諸問題を対象として議論する.
なお,本講義は公共政策大学院の司法過程論と合併で行う.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-300-10
GLP-LP6217L1
現代法過程論
太田 勝造
A1 A2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
前半は,法と経済学,ゲーム論,社会心理学,社会調査法,確率・統計分析,など社会科学の基礎を法の文脈で解説し,後半は民事法を中心として各法分野における社会科学的手法による研究の例を解説する.
授業の方法
パワーポイントによるプレゼンテイションで講義をする.
成績評価方法
筆記試験を行う。 平常点を考慮しない レポートを課さない
教科書
担当教員のホームページ(http://www.sota.j.u-tokyo.ac.jp/)で配布する.
参考書
追って指示する.
履修上の注意
ホームページからPDFによる参考文献やプレゼンテイション資料をダウンロードして読んでおくこと.
その他
毎年開講