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最終更新日:2025年4月21日

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日本語方言の音声

日本語諸方言のアクセント体系のしくみと成り立ち
日本語諸方言のアクセント体系の調査方法と分析方法を習得する。特にアクセントの通時変化を明らかにするための方法論に焦点が置かれる。
日本語諸方言のアクセント体系は非常に多様であり、多様性に富むアクセント体系のしくみと成り立ちは、多くの研究者の関心を惹くテーマであった。そのため日本語方言アクセント研究は豊富な文献を持ち、広く受け入れられた理論的枠組み・道具立ても存在する。しかしながら、過去10年間の間に、特に琉球列島の諸言語/方言を対象とした方言アクセント研究が急速に進み、これまで提案されてきた方法では、十分にとらえられない現象があることが明らかになっている。多様性に富む方言アクセント体系のしくみ(共時論)と成り立ち(通時論)に関する通説は見直しを迫られている。本授業では、基本的な方法を身に着けたうえで、最新の研究成果を反映させた新しい方法を習得する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21180112
GHS-GC6A01L1
日本語方言の音声
五十嵐 陽介
S1 S2
月曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
1:イントロダクション:日本語諸方言のアクセント体系の多様性 2:アクセント型の同定1:アクセント型、アクセント核、対立、条件異音、相補分布 3:アクセント型の同定2:中和、交替、 4:アクセント体系の記述1:TBU、音節、モーラ、アクセント型が実現する領域、助詞のアクセント 5:アクセント体系の記述2:音響音声学的分析、基本周波数 6:アクセント体系の類型1:多型アクセント体系、n+1型体系、2(n+1)体系、N型アクセント体系、二型アクセント体系、三型アクセント体系 7:アクセント体系の類型2:琉球諸語/方言におけるアクセント体系の多様性 8:アクセント体系の類型3:南琉球語/方言のアクセント体系 9:アクセントの比較言語学的研究1:比較言語学、音対応、合流、分裂 10:アクセントの比較言語学的研究2:アクセント類、類別語彙 11:アクセントの比較言語学的研究3:琉球方言と本土方言との対応 12:アクセントの比較言語学的研究3:変化の共有、並行変化、方言の分岐、系統樹 13:まとめ
授業の方法
講義とともに、練習問題を用いた演習を行う。分析対象となるデータの配布については授業中に指示する。
成績評価方法
演習課題40%、期末試験60%
教科書
特に指定しない。適宜プリントと音声データを配布する。配布方法は授業中に指示する。
参考書
松森晶子・新田哲夫・木部暢子・中井幸比古(2012)『日本語アクセント入門』三省堂
履修上の注意
予備知識は特に必要としないが、音声学の教科書を一通り読んでおくことが望ましい。
その他
日本語諸方言は消滅の危機に瀕している。伝統方言のアクセント体系を調査し記述する機会を得ることができるのは受講生の世代が最後かもしれない。一人でも多く、この分野の研究に参加してほしいと思う。