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最終更新日:2024年4月22日

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社会のための技術

人は誰しも社会生活の中で倫理観を自然に身に付けていく。ただ複雑な現代社会では,人はそのような普遍倫理以外に,専門職業に固有の専門職倫理も身に付けることが求められる。弁護士や医師の専門職倫理はよく知られたものだが,技術者にもやはり技術者固有の倫理(技術者倫理)が必要である。本講義ではその技術者倫理について学ぶ。 高い倫理観を有する技術者でも,追い込まれた状況では過ちを犯してしまうことがある。それを防止するには,時間に余裕があるときに具体的事例についてどう対処したらよいか,考える訓練をしておくことである。技術者倫理について考える方法論に関する講義の後,自習およびグループ討論により事例研究し、技術者倫理・技術倫理に関する考え方を身に付けることを目的とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
FEN-SI3w52L1
FEN-SI3w52L1
社会のための技術
増田 昌敬
S1 S2
S1: 月曜2限、S2: 月曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
工学部
授業計画
本年度はオンライン授業とするので,グループ討論は行わない。7回の全体講義の後で,JST(科学技術振興機構)のe-learning教材を用いて各自で技術倫理・技術者倫理に関する事例を学び,そのレポートを提出する。 講義では,教科書として「杉本泰治・高城重厚著(2016): 大学講義 技術者の倫理入門(第5版),丸善出版」を使用するので,各自,Amazonや生協などで購入すること。 I. ガイダンス II. 全体講義 1.エンジニアリングと学生に求められる能力 2.技術者倫理とは(1)   倫理とは何か?,倫理と法,技術者と倫理,倫理規定   研究者の倫理,東京大学の科学研究における行動規範 3.技術者倫理とは(2)   組織のなかの個人の役割:チャレンジャー号事故の例,経営者と技術者の判断区分,集団思考の危険性   組織上の人間関係:個人と法人,公衆,警鐘ならし,利益相反 4.技術者倫理とは(3)   倫理実行の手法:技術者倫理学習(事例研究)の方法,事実の分析,倫理問題の分類(線引き問題,利益相反問題),解決手段の創出   技術者のアイデンティティ:科学技術とは何か?,技術者と公衆の関係,科学技術のガバナンス   技術者の資格:専門職(professional)と有能性(competency),倫理規範とコンプライアンス,企業の社会的責任(CSR),米国のPE(プロフェショナル・エンジニア)制度,日本の技術士制度とJABEE 5.PL法(製造物責任法)   事故責任の法の仕組み,法的責任とモラル責任(カネミ油症事件の例)   コンプライアンスと規制行政 6.事例で学ぶ技術者倫理   環境と技術者-開発と保護との共存-,環境・資源と世代間倫理   安全安心社会のための技術倫理-科学技術と倫理,技術倫理と技術者倫理の違い   技術者の説明責任   科学技術のリスクと安全・安心,リスクコミュニケーション III. 技術者倫理・技術倫理演習   JST(科学技術振興機構)のe-learning教材を用いた技術倫理・技術者倫理に関する事例学習
授業の方法
開講日:4月5日(月) 今年度はオンライン授業で行います。 初回の講義(4/5)のときに,講義HPの使い方や講義資料のダウンロード法などを説明します。
成績評価方法
成績は,以下の合計点で評価する。(オンライン授業なので,目安と考えてください) ● 授業の平常点:50点(講義7回分)   各講義での平常点は,出席と各講義で課す課題の点数で評価 ● 技術倫理演習点:50点   演習のレポートで評価 評価の目安 優:上位3~4割,良:65点以上で優でない者,可:50点以上~65点未満,不可:50点未満 ※ 指定されたレポートを全て提出していないと単位は与えられないので,注意すること!
履修上の注意
実践力をつける
実務経験と授業科目の関連性
指導教員の増田は,大学修士課程を修了後に民間企業(石油開発会社)での4年間の実務経験を有しており,その経験を活かして技術倫理と技術者倫理の重要性を講義する。