学部後期課程
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最終更新日:2022年10月20日

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機械材料学

 機械要素あるいは機械システムを設計するためには、機械材料の特性を、様々な角度から理解した上で、役立てねばならない。
 本講義では、機械材料の力学特性、機能特性とその制御方法ならびに発現機構を学ぶ。ついで、機械材料の基礎特性を原子・分子・電子や平衡状態の観点から学ぶ。さらに、環境負荷低減、バイオマテリアルの観点から、機械材料に求められる機能、および具体例を学ぶ。/Mechanical properties of materials must be considered to design the machine system, and the materials should be selected for the machine components from various viewpoints. This lecture aims at providing information and knowledge of mechanical and functional properties of materials and control of the properties. Next, the basics of materials are provided from the viewpoints of the atom, molecule, electron, and equilibrium of phases. Finally, requirements for engineering materials and its concrete examples are given in terms of reducing environmental loads and biomaterials.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
FEN-MX3b15L1
FEN-MX3b15L1
機械材料学
柳本 潤
A1 A2
木曜2限
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教室
工学部旧2号館 工233号講義室
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学部
授業計画
1.機械工学のための材料学 (1) 序論 材料の変形・強度と破壊 機械の構造と材料のなす役割 機械材料の選定とAshby Chart (2) 材料特性の評価法と構造材料の特徴 引張試験  縦弾性率(ヤング率Young’s modulus),降伏点と降伏応力・0.2%耐力,引張強さ,伸びと絞り じん性とその評価試験法  じん性,シャルピー試験,破壊の様式,破壊じん性と応力拡大係数 疲労試験 疲労試験と疲労破壊、疲労限界,疲労によるき裂の進展 硬さ試験 クリープとクリープ試験 構造とするための接合性 (3) 構造材料のミクロ構造とその制御 ミクロ構造と機械的特性との関係 比強度と比剛性 強度と延性 強度~延性のバランスと4つの強化機構 Hall-Petchの関係と機械的特性の内部構造(結晶粒径)依存性(つまり微細化強化) 低温ぜい性 (4) 構造材料の熱処理概論 熱的活性化 拡散 粒界移動と原子空孔・転位の消失と焼きなまし 拡散を利用した熱処理の例~浸炭 固溶と析出(強化機構の箇所で既出) 鉄鋼材料の焼入れ (5) 社会で利用されている機械材料・構造材料 鉄鋼材料と共析鋼 ステンレス鋼と耐熱鋼、鋳鉄  ステンレス鋼,耐熱鋼,インバー合金,鋳鉄 非鉄金属材料の種類と特徴  アルミ合金,アルマイト処理,チタン合金 (6) 複合材料 複合材料とは CFRP(炭素繊維強化複合材料) CFRPの内部構造と応力ひずみ関係 繊維強化複合材料の強化機構  長繊維強化複合材料の場合,短繊維強化複合材料の場合 (7)電磁鋼板 2.材料の基礎 (1)材料の結晶構造・欠陥: 材料の特徴の起源は結晶性にある。これらの基礎である結晶格子の種類、ミラー指数、欠陥について学習する。 (2)材料の機械的性質:機械部材として材料を用いる場合、材料の耐えうる強度の範囲内の応力になるように部材を設計する必要があり、材料を所望の形に加工する場合には、材料の変形に要する以上の力を加えなければならない。材料に力が加わったときに、どのような変形と破壊を生じるかについて学ぶ。 (3)材料強化のメカニズム 拡散:高温での材料の変形や熱処理において、拡散による物質移動は重要な役割を果たす。これらに関する基礎的な事項を学習する。 平衡状態図:金属材料は純金属として使用することは少なく、一般的に2元素以上からなる合金で使われるため、その組成に対応して材料の組織がどのように変わるのかを知る必要がある。そこで、合金の組成と温度の関係を示す平衡状態図の読み方および利用の仕方について学習する。 相変態と熱処理:材料の機械的性質は、その組織に依存するため、温度による材料の組織制御を行うことは材料の加工において重要である。そこで、材料の相変態と熱処理について学習し、さらに熱処理における回復、再結晶、時効などについて概説する。 材料の複合化:複合材料は、通常の機械材料ではもち得ない特性を人為的に作り出した新しい材料である。現在、実用材料として広く応用されるようになった複合材料について学習する。 (4)鉄鋼材料:金属のなかで最も広く利用されている鉄鋼材料の種類と特性について概説する。 (5)非鉄金属材料:非鉄金属材料は鉄鋼以外のすべての金属材料の総称である。代表的な非鉄金属であるアルミニウム、銅、マグネシウム、チタン、ニッケルなどの特性や応用について学習する。 (6)表面処理: 機械特性・耐薬品性・熱特性・電気特性・装飾性・生体適合性など材料表面の性質を高めるために行われる機械工作法の一種である表面処理について概説する。   (7)材料の腐食: 電位pH線図を基にした腐食機構,不動態膜,局部腐食,異種金属間腐食,生体内腐食について,ステンレス系,コバルトクロム合金,チタン合金を中心に概説する. (8)材料の疲労:腐食疲労とフレッティング疲労,疲労亀裂発生・伝播,ストライエーションについて概説する.また,形状記憶,超弾性についても,その医用応用も含め概説する. (9)高分子材料: 高分子材料の合成手法を概説しながら,高分子材料の結晶構造,加工手法,力学的性質との関連を解説する.医療応用に必須の滅菌操作によるこれらの構造・力学的性質に及ぼす作用についても学習する. (10)セラミックス: セラミックスの基礎,機能,焼結法について,アルミナ,ジルコニア,ハイドロキシアパタイを例に解説し,破壊靭性を中心とした機械的性質について概説する. 3.生体材料への応用 (1)生体用金属材料として,ステンレス鋼,コバルトクロム合金,チタン合金,形状記憶合金等について解説し,それらの生体用金属について,歯科用クラウン・インレー,ブリッジ,人工関節用金属,ボーンプレート,脳動脈瘤クリップ,冠状動脈用ステント等への応用について解説する. (2)生体適合性ポリマーとして,高分子量ポリエチレン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリメチルメタクリレート,スチレンーメタクリル酸共重合体,ナイロン6,6,ポリエチレンテレフタレート,ポリウレタン,ポリエチレングリコール,多相系ポリマー他について概説する.それらの生体適合性ポリマーについて,人工臓器,医療支援機器,DDS材料等への応用について概説する. (3)バイオセラミックスとして,アルミナ多結晶,アルミナ単結晶,ジルコニア,カーボン,ハイドロキシアパタイト等について解説し,それらのバイオセラミックスについて,人工歯根,人工関節,人工靱帯,人工心臓弁,骨置換用多孔質材料等への応用について解説する.
成績評価方法
試験と出席により評価する
教科書
参考書
JSMEテキストシリーズ 機械材料学
履修上の注意
基礎を固める(分野別基礎)
その他
事前履修:材料力学第一,材料力学第二