本講義の講義時間は105分(13:00開始、14:45終了)です。
・研究倫理
講義日程:4/8, 4/15
担当者:猿渡・川嶋
・中枢神経系概論
講義日程:4/22
担当者:上田(木下)
・組織透明化概論
講義日程:5/13, 5/20
担当者:長尾
・ヒト睡眠学概論
講義日程:5/27, 6/1, 6/10
担当者:岸
・生命現象の力学系モデル概論
講義日程:6/17, 6/24, 7/1, 7/8
担当者:大出
・睡眠覚醒の数理モデル
講義日程:7/15
担当者:木下
[中枢神経系概論](上田)
授業・学習の目標:脳科学・神経科学の研究を行うために必要な基本的な神経科学の知識を学ぶことを目的とする。さらに、記憶・学習の基盤とされるシナプス可塑性の捉え方や睡眠・覚醒リズムに関する最新の研究成果を紹介し、中枢機能に関する知見と理解を深める。
キーワード:脳科学・神経・記憶・情報伝達・活動電位・ホジキンハクスレー
授業内容の要約:
1. 中枢神経の基礎
2.睡眠・覚醒リズム研究の現在
[生命現象の力学系モデル概論](大出)
授業・学習の目標:
生物のある側面を、時間とともに状態変化する系として捉えるとき、力学系による生命現象の記述が可能となる。いわゆる生物らしい振る舞いは、しばしば非線形力学系によって表現される。力学系モデルは、時系列変化の特性を定量的に表現・予測する強力な手段となる。一方で、モデルの構成要素(状態変数)やパラメータの選び方や解釈は、研究者に委ねられ、ここに生命現象のモデル化の要点がある。例えば、dx/dt=axとして表現される単純な力学系モデルであっても、xを細胞数と思うのか、特定のタンパク質分子の発現量と思うのか、では生命現象のモデルとしては全く異なるものになり、その解釈も異なる。
本講義では、力学系モデルの表現しうる振る舞いを、生命現象の理解に最低限必要な範囲で概観する。ここでは、力学系の振る舞いの定性的な理解を促進するために、微分方程式の解を求めずに系の振る舞いを解析する手法を用いる。次に、得られた結果が意味することを生物学的な視点で解釈することを通して、生命現象の理解に力学系モデルがどのように寄与しうるかを議論する。
キーワード:力学系 常微分方程式 双安定性 ヒステリシス 局所安定性解析 安定周期解 リミットサイクル
授業内容の要約:
1. 力学系モデルの基本的振る舞い
2. 力学系モデルの生物学的解釈
3. 具体的事例1:細胞周期
4. 具体的事例2:概日時計
5. 具体的事例3:神経発火
[ヒト睡眠学概論](岸)
授業・学習の目標:ヒトを対象とした睡眠・生物時計に関する研究を行うために必要な基本的な神経科学・生理学の知識を学ぶことを目的とする。特に、ヒト睡眠科学の基礎、ウェアラブルデバイスを用いたヒト睡眠研究、脳刺激技術を活用したブレインテック、睡眠健診の社会実装を目指したエビデンス構築等を中心として、睡眠や生物時計に関する重要な基礎的知見と最新の研究成果・展開を紹介し、睡眠・生体リズム現象に関する理解を深め、知識の幅を拡張する。
キーワード:睡眠科学 時間生物学 ウェアラブル デジタルヘルス リアルワールドデータ 睡眠健診
授業内容の要約:
1.生物時計・リズム研究の基礎
2.ヒトを対象とした睡眠研究の基礎
[組織透明化概論](長尾)
生命の活動を包括的に知るためには、脳や各臓器の機能形態を2次元のみならず、3次元的に理解する必要がある。近年では組織透明化イメージング技術を用いた、各臓器の全細胞を網羅的に解析する研究が行われている。本講義では、動物組織における組織透明化の基礎から応用、また時計リズムへの最新研究までを紹介する。
キーワード
組織透明化、脳、時計リズム、神経活動、イメージング
授業内容の要約:
1.組織透明化の基礎と近年の研究
2.組織透明化研究の発展:動物のサーカディアンリズム、マウス脳のサーカディアンリズムの研究
[睡眠覚醒サイクルの数理モデル] (木下)
授業学習の目標:
ヒトを含む哺乳類では、睡眠と覚醒の現れ方が種によって大きく異なる。たとえば、夜にまとまって眠る動物もいれば、短い睡眠を何度も繰り返す動物もいる。この違いには、体内時計(概日リズム)や、起きている時間に応じて高まる眠気(睡眠恒常性)など、複数の仕組みが関わっている。
本講義では、哺乳類にみられる睡眠パターンの多様性を整理し、代表的な two-process modelや神経集団の発火活動に基づいた数理モデルを取り上げ、睡眠覚醒サイクルをどのように数理的に表現できるのかを学ぶ。
キーワード:睡眠覚醒サイクル 数理モデル 神経発火
授業内容の要約:
1.哺乳類の睡眠覚醒サイクルの多様性
2.睡眠覚醒サイクルの数理モデル (two-process model)
3.神経集団の発火パターンに基づいた睡眠覚醒サイクルの数理モデル