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最終更新日:2024年4月22日

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化学反応論I

化学反応速度論とは、化学反応の速度を取り扱う物理化学の一分野である。化学反応速度論の目的は、化学反応の速度を解析し、その速度が反応の種類や条件(温度や圧力などの変数)によって異なるのはなぜか、を理解することにある。それらを理解することにより、制御可能な条件を適切に選択することにより、目的生成物の生成速度や収率を最大にすることができる。また、化学反応速度の解析により、反応機構も理解することができる。
 本講義では、まず基礎として化学反応の速度をどのように測定・解析・解釈するかを示すことによって、化学反応速度論の基礎を学ぶ。反応をモニターするための様々な実験的測定方法や化学反応の熱力学を理解する。次に、反応速度が、速度式という微分方程式で表されること、および、速度式、速度定数、反応次数の定義と測定原理を理解する。反応速度の温度依存性(アレニウス式)も理解する。
 基礎をしっかりと理解した後に、素反応、複合反応について解説する。多くの化学反応が様々な素反応からなる複合反応であることを説明する。並列反応、逐次反応などについて、反応機構に基づいて速度式の導出を行う。反応の律速過程という概念や反応中間体に関する定常状態近似についても理解する。同位体効果や同位体を使った反応機構の解析方法についても具体例を挙げて詳しく解説する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
FEN-CH3320L1
FEN-CH3320L1
化学反応論I
山口 和也
S1 S2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学部
授業計画
本講義は、以下の項目について解説していく。 <1 化学反応速度論の基礎> 1.1 化学反応速度論とは 1.2 化学反応速度の実験的な測定法 1.3 反応系の熱力学 1.3.1 反応速度の定義 1.3.2 反応の駆動力 1.4 速度式・速度定数・反応次数 1.5 積分型速度式 1.5.1 0次反応 1.5.2 1次反応 1.5.3 2次反応 1.5.4 半減期 1.6 速度式の実験的な求め方 1.6.1 分離法 1.6.2 初速度法 1.6.3 グッゲンハイム法 1.7 可逆反応 1.7.1 平衡に近い反応 1.7.2 緩和法 1.8 反応速度の温度依存性(アレニウス式) <2 素反応の理解と複合反応> 2.1 素反応 2.2 並列(平行)反応 2.3 逐次反応 2.4 定常状態近似と律速過程 2.5 前駆平衡のある反応 2.6 複雑な反応 2.6.1 ラジカル連鎖反応 2.6.2 均一系触媒反応 2.6.3 酵素反応 2.7 複合反応の温度依存性 2.8 速度論支配と平衡論支配 <3 同位体を用いた反応機構の解析> 3.1 速度論的同位体効果とは 3.2 調和振動子の固有エネルギー 3.3 同位体標識反応 3.4 1次速度論的同位体効果 3.5 2次速度論的同位体効果 3.6 同位体トレーサー法
授業の方法
(1) 講義資料は,ITC-LMSよりダウンロードできます。特定の教科書は使いません。講義資料は自分の学修のためだけに活用してください。 (2) 簡単な演習問題を毎回行いますので,関数電卓を必ず用意しておいてください。 (3) 質問やコメント等は,「*****」までお願いします。
成績評価方法
期末テスト1回 + レポート課題(レポート課題のウエイトは10%程度)による総合評価。出席は取りません。
教科書
ITC-LMSに講義資料をアップロードするので、各自ダウンロードして使用してください。
履修上の注意
基礎を固める(分野別基礎)