まず演習①および②では、発注者(教員)が要求する性能を満足するよう、コンクリートの材料選択、配合設計を行い、発注者に対して独自の技術提案を行いながら、コンクリート供試体の作製を実施工として経験する。ここでは、要求性能を満足することが担保されれば、どのような材料・配合・養生を組み合わせても良いという、性能照査型設計体系に基づき技術的検討を実施する。随意契約による建設工事となる演習①②では、社内で実施した技術的検討内容を発注者に対して論理的に説明し、十分に納得させることが必要である。技術的プレゼン能力が問われる場面と言える。さらに材料単価や管 理費などを注意深く積算した正確な見積もりの作成を行うと共に、あらかじめ発注者により決められた予定価格(非公表)以下に抑える戦略ならびに交渉術が求められる。なお利益を最大化するという経営上の目標を達成するためには、コストと性能の両方を考えることも重要である。ただしコスト削減と性能向上は、時にトレードオフの関係となることもあるため注意が必要である。例えばコスト削減を至上命題にしたために、あるいは施工不良が生じてしまったがために、発注者の性能を満足しないことが施工中あるいは竣工検査によって明らかになった場合には、 所定のペナルティが課せられ、会社経営に大きな影響を及ぼすことになる。
演習③では 、 全国各地で展開される仮想の建設工事プロジェクトを、一般競争入札および総合評価方式による様々なシステムにより応札・受注する。各会社は、工事の難易度、地域といった工事情報、また自らの会社の技術力などを勘案して、入札参加の可否および入札額を決定する。競合他社の動向や戦略を考えながら、全国 60 か所の建設プロジェクトの受注を争い、自社の利益を最大化することを目指す。演習①②の随意契約と合わせて、一般競争入札、総合評価方式といった様々な入札システムの違いや、各々の長所短所を理解すると共に、与えられたルールの下でのプレイヤーの行動原理を学習することを狙いとしている。