本講義では、構造物の変形のふるまいとその立体形状との関係を理解することを目的とする。
1. 身の回りの人工物や自然物におけるコンプライアントメカニズムの観察と再現を行い、変形のふるまいが立体形状によってどのように引き起こされているかを幾何学的にモデル化し、再現可能とする。
2. 分析した動的な物理現象が、諸科学分野でスケールを横断して現れること、また工学応用されている事例について学び、建築やプロダクトのスケールにおいていかなる応用が可能かを検討し、プロジェクトを提案する。
3. デザインプロポーザルの実現に向けてエスキースを進める。スケッチおよび紙工作による手作業の作業により、デザインの妥当性を検討し、アイディアを実現可能な形にまとめていく。コンピュータ上での物理モデリングと、設計物の物理実装(ファブリケーション)を並行し繰り返す。
4. 制作物が設計通りの挙動をしているかを実験を通して検証し、デザイン・物理モデル・工法の修正を行うことで設計・製作を進める。
5. 制作物について発表し、講評を行う。
第一週 観察
- 身の回りの人工物と自然物におけるコンプライアントメカニズムの観察
- 再現実験による構造物の変形のふるまいとその立体形状との関係の理解
- 各グループ発表
第二週 ブレインストーミング
- 関連する諸科学分野、スケールを横断した応用
- プロダクト・建築へのアプリケーション提案
第三週 エスキース
- スケッチ、紙工作によるデザイン検討
- 手作業でのモデル制作を通してアイディアを収斂させる
第四週 シミュレーション・モデリング
- Kangaroo (Rhino + Grasshopper)などを用いて対象物と現象を物理モデリングする。
第五週 ファブリケーション
- カッティングマシン等も用いながら、モデルを物理的に実現する。
第六週
- 制作物が設計通りの挙動をしているかを検証し、デザイン修正を行う
第七週
- 講評