大学院
HOME 大学院 科学技術政策研究:政治学系(テクノロジーアセスメント)
学内で開催されるオンライン授業の情報漏えい防止のため,2021年9月17日以降は授業カタログの更新を見合わせています

科学技術政策研究:政治学系(テクノロジーアセスメント)

事例研究(テクノロジーアセスメント)/ Case Study (Technology Assessment)
科学技術は科学的知識に関する不確実性と技術の利用形態に関する不確実性という二重の不確実性をもつ。そして、科学技術の研究開発や利用活動には多様なアクターが関わり、そこには様々な利害が生じ、複雑なリスクトレードオフ構造が形成される。科学技術の社会導入は多様な社会的含意をもつ。社会経済活動がより重層的に繋がり相互依存性を高めている社会にあって、科学技術の研究開発・利用を巡る公共政策は極めて重要である。研究開発・利用を推し進める政策立案者や意思決定者は上述した科学技術の本質を踏まえたとき、如何なることに留意し社会的判断をなすべきだろうか。
本講義では、先端科学技術に関する意思決定支援アプローチである「テクノロジーアセスメント(Technology Assessment: TA)」の考え方・手法・制度を学習し、具体的な科学技術を取り上げ実践的にTA試みることを通して、上述のような問いについて考えていく。これまで受講生が取り上げてきた技術は、大規模洋上風力発電やジオエンジニアリングやスマートグリッドなどの環境・エネルギー分野、M2Mや仮想現実・拡張現実などの情報通信技術分野、角膜再生やBMIなどの健康・医療技術、宇宙デブリ除去技術、宇宙新輸送システム、自動運転技術、赤外線暗視カメラ、ウェアラブルIoT、医療分野へのAI導入、自動翻訳、ブロックチェーン技術、ゲノム編集技術、培養肉、ドローン、ブレイン・マシーン・インターフェース(BMI)等がある。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
5171111
GPP-DP6P90S1
科学技術政策研究:政治学系(テクノロジーアセスメント)
谷口 武俊
S1 S2
火曜3限、火曜4限
マイリストに追加
マイリストから削除
教室
講義使用言語
日本語
単位
4
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
公共政策学教育部
授業計画
講義では、まず、先端科学技術に関する意思決定支援アプローチである「テクノロジーアセスメント(Technology Assessment: TA)*」の考え方・手法・制度について、欧米の政府機関の事例や国内におけるプロジェクトの事例を通して学習する。今年度のTAで取り上げる技術については、現段階では、エネルギー・環境分野、医療分野、バイオテクノロジーの分野から技術を選定することを検討している。その後、対象とする先端科学技術の利用目的や研究開発の現状・見通し等について、学内教員あるいは外部研究機関の協力を得て専門家から講義を頂く予定である。なお、履修生はTAグループワークに先立ち、全員により先端科学技術が導入されることが予想される将来の社会像についてミニ・シナリオプラニングにより複数描く演習も行う。そのうえで、履修生はグループに分かれ、将来の社会に対象とした科学技術が導入された場合の社会的影響や社会的含意を多面的に考察し、TAを試行的に実践する。TAの結果は特定の意思決定者(クライアント)を想定し、報告書として取りまとめるとともに発表を行う。なお、優れたTA報告書は、ポリシーリサーチペーパーとして公共政策大学院のホームページに掲載し社会に発信する。 *) TAとは、従来の研究開発・イノベーションシステムや法制度に準拠することが困難な先進技術に対し、その技術発展の早い段階で将来の様々な社会的影響を予期し、社会的対応案を提示することで、技術や社会の在り方についての問題提起や意思決定を支援する制度や活動を指す。 具体的な内容とスケジュールは以下を予定している(変更の可能性あり)。 #1:講義の狙いと背景、TAの概念と歴史、欧米のTA事例、事例研究の進め方、ゲスト講師によるRRIとTAに関する講義 #2:将来の社会像を描く(グループワーク、シナリオ発表のミニ演習) #3:TAの対象となる技術についての専門家による話題提供・講演 #4:国内外のTA報告書事例に関するグループワークの発表 #5:TAの対象技術の決定、グループ編成、グループワーク(アジェンダ設定等) #6-7:グループワーク(技術レビュー、ヒアリング等) #8:進捗報告と質疑・意見交換 #10-12:グループワーク(TA報告書のストーリーライン、最終報告の準備等)、場合によって#11に進捗報告と質疑・意見交換を行う可能性あり #13:各グループからTA最終報告と総評 TA報告書提出期限は8月上旬を予定(変更の可能性あり)。
授業の方法
担当教員による講義と議論、学内教員等の技術専門家からの講義とともに、政府行政機関・企業・研究所・NGOなど様々な関係者へのインタビュー等を行うことを通してTA報告書を作成する。最終回に、成果発表会を行う。 なお、グループワークでは理工学系と人文社会科学系を同数程度にして行うことにしたいと考えている。
成績評価方法
授業参加状況および中間報告、成果発表、TA報告書(最も重視する)による。
教科書
なし
参考書
城山英明編『科学技術ガバナンス』東信堂、2007年 谷口武俊『リスク意思決定論』大阪大学出版会、2008年 小林傳司『誰が科学技術について考えるのか-コンセンサス会議という実験』名古屋大学出版会、2004年。 Grunwald, A. (2018). Technology Assessment in Practice and Theory. Routledge.
履修上の注意
過去に事例研究(テクノロジーアセスメント)を履修した学生は、この科目の履修はできない。
その他
本講義は、工学系研究科(科学技術社会特論2)との合併授業である。 STIG(科学技術イノベーション政策の科学教育プログラム)の基礎科目(b):エビデンス構築手法論の対象科目である。https://stig.pp.u-tokyo.ac.jp/*****