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最終更新日:2026年10月16日

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自然科学ゼミナール(医学)

標的α線治療から考える放射線と社会の新しい関係
 本ゼミナールでは、近年大きな注目を集めている「標的α線治療(Targeted Alpha Therapy: TAT)」を題材として、放射線科学と社会との新しい関係について考察する。2016年のアクチニウム-225を用いた臨床成果を契機に、放射性医薬品開発は世界的に急速な発展を遂げている。本ゼミでは、標的α線治療を支える放射線物理学、放射性同位体製造、抗体・ペプチドによる送達技術、DNA損傷応答、腫瘍免疫学などの基礎を学ぶとともに、放射性医薬品の社会実装、医療アクセス、科学技術受容、環境安全、地域産業との連携といった社会的課題についても議論する。また、老化細胞除去や生活習慣病研究など、がん以外への応用可能性や、放射線を利用した生命科学研究ツールとしての展望にも触れる。論文読解や討論、学生発表を通じて、科学・医療・社会を横断的に考察する力を養う。
 従って、本ゼミでは、単なる先端医療の紹介ではなく、
①放射線科学の社会的位置づけ
②医療技術の社会実装
③地域産業との接続
④倫理・受容・未来像
まで含めた初年次教育カリキュラムとする。
 そして、本ゼミを通じて、受講者は以下の項目を達成することを目標とする。
①標的α線治療の原理と放射線の基礎特性を説明できる。
②放射性医薬品開発に必要な生命科学・核医学・創薬科学の基礎知識を理解する。
③科学論文や臨床研究を批判的に読み解く力を身につける。
④放射線科学と社会との関係について、自らの視点で議論できる。
⑤医療技術の社会実装に伴う倫理的・社会的課題を考察できる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
51439
CAS-IC2380S1
自然科学ゼミナール(医学)
和田 洋一郎
A1 A2
木曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
 本ゼミナールでは、標的α線治療(Targeted Alpha Therapy: TAT)を題材として、放射線科学と社会との新しい関係について考察する。まず、がん治療の歴史的変遷と標的α線治療の登場を概観した上で、アスタチン-211を用いた胃がん治療開発など、放射性医薬品研究の最前線を学ぶ。続いて、α線・β線・γ線の物理学的特性や、アスタチン-211・アクチニウム-225の製造原理を理解し、抗体・ペプチドを用いた腫瘍標的化技術と放射性同位元素との接続について議論する。また、前臨床研究、臨床試験、承認制度など医薬品の社会実装プロセスを扱うとともに、国際的な開発競争、医療アクセス、倫理、環境安全、科学技術受容など放射性医薬品を巡る社会的課題についても考察する。さらに、DNA二本鎖切断と修復等のα線が細胞に与える影響、細胞死・抗腫瘍免疫・生体応答等の放射線と免疫の関係、放射線による特異的細胞除去手法等、放射線の生命科学研究への応用にも触れ、最終回では学生発表と総括討論を行う。 第1回ガイダンス:がん治療の歴史と標的α線治療の登場 オンライン/オンデマンド 第2回放射性医薬品の最前線①:アスタチン-211をつかった胃がん治療の開発 第3回放射線の基礎①:アスタチン-211・アクチニウム-225と放射性同位体製造 第4回放射性医薬品の最前線②:多様な放射性同位元素の利用 第5回放射線の基礎②:α線・β線・γ線の物理学 第6回疾患を狙う技術①:抗体・ペプチド・送達系 第7回放射性医薬品の概論:放射薬学から福島復興における社会実装へ 第8回疾患を狙う技術②:送達系と放射性同位元素の接続 第9回社会実装プロセス①:橋渡し研究-研究室から病室への道程 第10回放射性医薬品を巡る社会動向①:国際的な医薬品開発の現状 第11回社会実装プロセス②:二重規制への対応とバリューチェーンの構築 第12回放射性医薬品を巡る社会動向②:震災復興から創造復興へ ― 東京大学と広野町が描くα線医療社会実装の未来 第13回学生発表・総括討論
授業の方法
ゼミ形式で実施する。教員による講義に加え、論文精読、グループ討論、学生発表を行う。必要に応じて最新論文や報道記事、政策資料等も扱い、科学技術と社会の接点について多角的に議論する。
成績評価方法
それぞれの講義のうち幾つかを選択した上でレポート提出を求め、最終回に予定している測定演習の成績と総合して理解度を判定、評価する。
履修上の注意
特段の準備、予備知識を要しない。
その他
N/A