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最終更新日:2024年10月18日

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全学自由研究ゼミナール (グローバル化時代における法学の協働)

グローバル化時代における法学の協働
【授業の目標】
国際公法と国際私法を専門とする担当教員二人とともに、両分野に関わる最新の研究論文を精読し、そこで扱う各テーマについて議論することで、グローバル化時代における法学の協働の在り方について理解を深めることを目標とする。

【授業の概要】
 グローバル化を通じた社会の複雑深化に対応すべく、法学を含めた社会科学の各分野は今日一層専門分化の途を進み、それぞれの領域において知識の体系を洗練し続けている。他方、現実の社会現象や社会問題はそうした知識の体系のうちの1つに収まるかたちで生じるとは限らず、複数の専門分野にまたがって生じることは珍しいことではない。「学際的」な研究の重要性が今日広く説かれるのはそうした背景からであり、法学においても複数の専門分野が連携する研究が試みられるようになっている。そうした研究は、複数の専門分野の中間領域に属する問題に対する具体的な解決策や新たな視点を見出そうとするものであると同時に、既存の専門分野の知識の体系を時に揺るがす挑戦的な試みであることもある。
 本ゼミナールを担当する2名の教員は、それぞれ国際公法と国際私法という、隣接する2つの学問領域を専門としつつ、両者の境界領域に属する実践的・理論的な問題にも関心を持ち、共同で研究を進めている法学研究者である。国際公法と国際私法は、長らく別個独立の法学分野として認識され、各々の領域で知識の体系が構築されてきた。しかし近年、両分野の境界領域にて生じる法現象に対応すべく学際的な研究が試みられるばかりか、学問領域としての国際公法と国際私法の相対化を説く向きもある。本ゼミナールでは、国際公法と国際私法の関係(の再構築)という法学の最先端の議論にやや背伸びをしながら触れつつ、グローバル化時代における法学の協働の在り方を考えてみることとしたい。扱う文献はいずれも英語で書かれた論文や書籍であり、まとまった分量の英語文献を講読したいという学生も歓迎する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
51412
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (グローバル化時代における法学の協働)
加藤 紫帆
A1 A2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
51514
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (グローバル化時代における法学の協働)
加藤 紫帆
A1 A2
火曜2限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回 ガイダンス 第2回~第13回 文献講読 以下の文献を記載の順序で扱う予定であるが、受講者総数や英文読解力を踏まえて順序を変更し、また内容を差し替える可能性もある。扱う文献については、教員の方で用意し配布する予定。 ・総論 - Alex Mills, “Connecting Public and Private International Law”, Véronica Ruiz Abou-Nigm, Kasey McCall-Smith and Duncan French (eds.), Linkages and Boundaries in Private and Public International Law (Hart Publishing, 2018), pp. 13-31. ・歴史 - Alex Mills, “The Private History of International Law”, International and Comparative Law Quarterly, vol. 55, no. 1 (2006), pp. 1-50. ・具体例①対外投資保護 - Sharon E Foster, “International Investment Arbitration and the Arduous Route to Transparency”, Véronica Ruiz Abou-Nigm, Kasey McCall-Smith and Duncan French (eds.), Linkages and Boundaries in Private and Public International Law (2018), pp. 199-216. - Maria Blanca Noodt Taquela and Maria Daza-Clark, “The Role of Global Values in the Evaluation of Public Policy in International Investment and Commercial Arbitration”, Véronica Ruiz Abou-Nigm, Kasey McCall-Smith and Duncan French (eds.), Linkages and Boundaries in Private and Public International Law (2018), pp. 121-144. ・具体例②国際取引 - Burcu Yüksel Ripley and Ülkü Halatçı Ulusoy, “COVID-19 Related Export Bans and Restrictions Under WTO Law and the Determination of Their Legal Effects on International Sale of Goods Contracts Between Parties Located in WTO Member States: Interplay Between Public and Private International Law”, P. Sooksripaisarnkit and D. Prasad (eds.), Blurry Boundaries of Public and Private International Law (2022), pp. 157-177. - Peter Mazzacano, “Public International Law Versus Private International Law: Competing or Complementary Intersectionality in the CISG?”, P. Sooksripaisarnkit and D. Prasad (eds.), Blurry Boundaries of Public and Private International Law (2022), pp. 179-196. ・具体例③文化財保護 - Lars van Vliet and Jeroen van der Weide, “The Crimean Treasures”, IPRax, 2024/2 (2024), pp. 113-125. ・具体例④主権免除  - Nerina Boschiero, “Jurisdictional Immunities of the State and Exequatur of Foreign Judgments: A Private International Law Evaluation of the Recent ICJ Judgment in Germany v. Italy”, N. Boschiero et al. (eds.), International Courts and the Development of International Law: Essays in Honour of Tullio Treves (Asser Press, 2013), pp. 781-824. ・具体例⑤家族 - Tine Van Hof, “Children’s Rights Law and Private International Law in Family Matters: What Do Referencing Patterns Reveal About Their Relationship?”, P. Sooksripaisarnkit and D. Prasad (eds.), Blurry Boundaries of Public and Private International Law (2022), pp. 239-257. ・総括 - Jean d’Aspremont and Francesco Giglio, “Windows in International Law”, Véronica Ruiz Abou-Nigm, Kasey McCall-Smith and Duncan French (eds.), Linkages and Boundaries in Private and Public International Law (2018), pp. 33-52.
授業の方法
演習・ディスカッション
成績評価方法
出席
履修上の注意
英語で書かれた文献を扱うため、一定の英語読解力が必要となる。 予習としてまとまった量の英語文献を各自精読してくることが求められる。