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最終更新日:2023年10月20日
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学術フロンティア講義 (異物?)
異物?
生体には異物に対して激しく反応し、これを排除する働きがある。Covid-19に罹患したひとは誰でもこのことを体感しただろうし、そうでなくても身近にそうした実例を目の当たりにした人は多いに違いない。またウィルスの蔓延を前にして、小はマスクを着用し、大は国境を閉ざすといった仕方で、そうした異物の侵入を防ぐ行動が広く推奨され、そして受け入れられてきた。感染学的な場面に限って言うなら、そうした行動の実効性を否定することは難しいだろう。ただ問題は、われわれが数年にわたって刷り込まれてきたこの文字通り身体的なロジックを、われわれが異なった場面に無自覚に拡大適用し、あるいはわれわれ自身のひそかな傾向を肯う口実として使ってはいないかという点にある。自明に思われる生体と異物の関係にも、背後には自己と非自己を区別するための複雑な仕組みが存在する。ましてやこれを社会集団という水準で考えるとすれば、そこではむしろ異物が結果として析出されるような、同質性の形成こそがむしろ問題になる。異物であるような何かがあるというよりむしろ、異物を同定し、さらには作り出すカニズムがあるのだ。そのため近代化といった大きな変化のなかでは、何が異物であるかが必ずしも自明ではなくなるということが起きる。加えて言えば、異物は必ずしも否定的であるばかりではない。とりわけ文化的な事象においては、異物が文化を停滞から引き出しその変容へと向かわせる、肯定的・積極的な役割を担うこともある。本講義ではこうした「異物」の様々な側面に、文理双方の教員が自らの専門分野から照明をあてることで、各々がそれらを手掛かりに、この概念について自身の見方を培うことを目指す。
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10月04日 新蔵礼子(定量生命科学研究所・教授)
10月11日 宮崎徹(一般社団法人AIM医学研究所・所長)
10月18日 岡田泰平(大学院総合文化研究科・准教授)
10月25日 安藤礼二(多摩美術大学・教授)
11月01日 高谷幸(大学院人文社会系研究科・准教授)
11月08日 映画『異物-完全版-』上映
11月15日 宇賀那健一(映画監督 株式会社Vandalism代表取締役)
11月29日 井芹真紀子(教養学部附属教養教育高度化機構・特任助教)
12月06日 酒井康行(大学院工学系研究科・教授)
12月13日 山次康幸(大学院農学生命科学研究科・教授)
12月20日 楡井誠(大学院経済学研究科・教授)
12月27日 村上克尚(大学院総合文化研究科・准教授)
01月10日 中野公彦(生産技術研究所・教授)
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