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最終更新日:2024年10月18日
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全学自由研究ゼミナール (AI時代の親密性——非人間と愛の未来)
AI時代の親密性——非人間と愛の未来
高度なデジタル技術の浸透を背景とする現代社会に特有の親密な関係性のあり方に対し、近年多くの論者が懸念を示している。とくにメディア論やカルチュラルスタディーズ、および広く社会学、社会理論の領域に渡って、デジタル技術を媒介した社会関係の希薄化・資本化を危惧する声が広まっている。ところが、人工知能を活用する技術の導入やデジタル技術のフラットフォームそのものの急激な変化が決定的な影響因子になっていることから、技術論と親密性論が固有の複雑系を形成し、問題の所在を明確化することがきわめて難しくなっている。そこでこの全学自由研究ゼミナールでは、高度なデジタル技術の発展、およびその親密性の領域への浸透に対する漠然とした不安の所在に多角的にアプローチする。とくに、デジタル化する時代への診断に終わることなく、自己と他者をめぐる思想史上の古典的な議論が提起してきた親密性に関する論点を交差させ、今、われわれ自らの手で、どのような親密性を描いていくかについての実践的な議論へ開く。
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全学自由研究ゼミナール (AI時代の親密性——非人間と愛の未来)
久野 愛
A1
A2
木曜5限
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
授業全体の流れとしては、まず、自己アイデンティティと他者性についての様々な理論的視座についての導入講義を行い、基礎的な知識を習得する機会とする。そののちに、第2回から第7回までは、回ごとに、提示されたキーワードについて異なる立場に立つ2名の論者をとりあげ、その立場の異同を検討し、両者の比較を通して各自の立場を形成する。第8回はデジタル化する親密性を批判的社会理論の立場から論じるAnthony Elliott氏の講演会への参加を通してデジタル化する社会と親密性のあいだをつなげる理論の最先端に触れる。第9回から第12回までは、グループに分かれ、デジタル技術社会における親密性のあり方を象徴する事例を自由にとりあげ、授業で親しんだ様々な思想史上の考え方と受講者の考え方に即して分析した結果を発表する。グループプレゼンテーションを通じて、古典とリアルタイムで進行中の社会現象を横断でき、今日的な情景を普遍的な考察に結びつけられる視点を形成することを目指す。
第1回 イントロダクション(オンライン)
第2回 自己アイデンティティと他者性についての導入講義(講義)
第3回 他人と他者・すれ違いと出会い ブーバーとバウマン
第4回 欲求と欲望・依存と愛 ラカンとレヴィナス
第5回 有限と無限・存在と非存在 プラトンとアリストテレス
第6回 人間と機械・精神と物質 ラトゥールとハラウェイ
第7回 ハイパーリアリティとリアリティ・資本と愛 ボードリヤールとイルーズ
第8回 Anthony Elliott教授講演会(対面参加または録画視聴、英語)
第9~10回 グループプレゼンテーションの準備
第11~12回 グループプレゼンテーション
第13回 ゲストスピーカーによる講義
講義、グループディスカッション、グループプレゼンテーションを組み合わせて進めます。参加希望人数によって進行方法を変更する可能性があります。
議論への参加度(30%)+プレゼンテーション(70%)
授業での使用言語は日本語です。第8回においてのみ、英語で行われる講演会への対面参加または録画視聴が求められます。講演会後は、日本語でコメントシートを作成して頂く予定です。
毎回の授業後、15分ほどでできる振り返り課題を出題し、授業日当日の23:59までにITC-LMS上で提出することを求めます。