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最終更新日:2024年3月15日

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事例研究(国際経済ルールの形成と利用)

国際経済ルールの形成と利用ー政府は国際ルールを如何に形成し利用するか。
本授業は、政府がその政策目標を実現するために国際公共政策形成に如何に関わるか、とりわけ、国際ルール・取組に如何に関わり、具体的には、ルール形成や遵守確保に如何に関わるかを研究することを狙いとする。経済・社会のグローバル化・世界的統合が進み、通商・投資協定、環境条約、BEPSなどの協力・ハーモニゼーションの枠組、国際規格その他の国際ルールが、国内法・政策の形成に大きく影響する今日、かかる国際ルール・取組に受動的に対応するのでなく、国際公共政策の構想を立て、積極的に国際ルール形成のイニシアティブを執り、使いこなす重要性が、政府、法律事務所、企業等において認識されてきている。さらに、近年は逆の方向(Brexit・保護主義等)の動きもあり、ルール形成の在り方は一層複雑化している。しかし、必要な専門能力・経験を備えた人材は不足している。この現状に鑑み、国際経済ルールを如何に策定し利用するか、そのために必要な能力・知見は何か等について、政府等の最前線でルールの立案・交渉・実施にあたっている実務家の経験と知見を学び、実務につなげる。経済活動に対する国際ルールの規律の現状とその底流となる政策論の方向性、国際ルールの形成と実施のための手続の実際、かかる手続における政府、企業、NGO等のステークホルダーの関与等について、個別の事例の検討を通じて考察を深め、さらに今日的な課題にいかに取り組むかについて実践的な議論を行い、実務において直面する問題に対する解決能力を高めることをねらいとする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
5140415
GPP-MP6E40S1
事例研究(国際経済ルールの形成と利用)
米谷 三以
A1 A2
金曜6限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
公共政策学教育部
授業計画
税、環境・安全規制、国際規格等分野別の事例研究、具体的には、➀関連するルールの解説、②交渉・実施の具体例の紹介、③参加者の発表と討論を行う。続いて、多数の国際ルール・レジームにまたがった戦略の構築を可能にする、多数のレジーム等を統合する視点について講義・質疑を行う。以上の本授業での知見を踏まえて国際経済ルールの形成・活用の方策を多角的に議論する。最後に、国際機関の現職等との意見交換の機会を設ける。どの分野を取り上げるかは毎年異なるが、昨年度は、質高インフラ投資ルール、サステイナブルファイナンス、スマートシティを巡るルール形成、サーキュラーエコノミー、経済安全保障問題と成長戦略、持続可能な発展と農業、FTAにおけるプライベートスタンダード等を取り上げた。今年度取り上げるトピックについては、夏ごろに確定する予定。
授業の方法
担当教員が行う講義・解説、実務家(政府職員及び国際機関職員)を招いての個別事例に関するヒアリングと個別事例に関する参加者の発表と討論を組み合わせて行う。
成績評価方法
筆記試験は行わない。平常点を考慮し、グループ発表においてレポート提出を課す。より具体的には個別事例に関して割り当てられた報告の評価、授業での質疑・討論への参加、出席点に加え、「国際経済ルールの形成・活用の方策」について取りまとめるレポートへの評価を総合して評価する。成績評価は、A+・A・B・C+・C-・Fで評価する。 就職活動などやむを得ない事情で授業を欠席する時は、必ず事前に担当教員にメールでその旨伝えること。その場合は出席点を減点しない。
教科書
中川淳司・米谷三以編著『国際経済ルールの戦略的利用を学ぶ』(文眞堂)(2022年)
参考書
松下満雄・米谷三以『国際経済法』東京大学出版会、2015年 中川淳司『経済規制の国際的調和』有斐閣、2008年 C.Devereaux et.al., Case Studies in US Trade Negotiation, Vol.1: Making the Rules, Peterson Institute for International Economics, 2006
履修上の注意
第1回の出席者が2名以上にならなかった場合は不開講とする場合があるので、履修希望者は第1回から出席されたい。なお、講師の都合で正規の授業日・時間に開講せず、補講期間に開講する場合がある。その場合は事前に告知する。
その他
関連科目として、春学期に開講が計画されている事例研究「企業の技術戦略と国際公共政策」がある。本科目が政府内実務家に対するヒアリングを中心とするのに対して、「企業と国際公共政策」は企業内実務家に対するヒアリングを中心として、企業が国際ルールの形成に如何に関わり、如何に利用しているか、いわゆる政府渉外活動を中心に学ぶ。なお前者については、理系学生が履修できるようにするほか、ヒアリングのうち数回をオープン参加可能とする予定である。