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最終更新日:2024年3月15日

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全学自由研究ゼミナール (ジャン=ジャック・ルソー『社会契約論』を読む)

ジャン=ジャック・ルソー『社会契約論』を読む
民主政治(デモクラシー)とは何か。どこに強みがあり、どこに弱みがあるのか。この問題を考える際に、ルソーの『社会契約論』は第一級のテキストである。ルソーは、日本を含む多くの先進国が採用するリベラル・デモクラシーの擁護者かというと、必ずしもそうではない。イギリス流の代表制民主政治を批判し、市民が直接参加して法律を作ることを求めたからである。他の面においても、彼の政治思想はユニークである。自分の意見を一人一人が表明することが大事だとして、仲間を募ったり、集団を作ることに疑問を抱いた。国家は徹底的に人工的なもので、自らの意志でそこに参加すべきだと考えたが、できあがった国家は内外に対し、強力な権限をもつ(主権を行使する)ものとなった。多数決は万能ではない、というのも彼の有名な主張である。このように多様な側面をもつだけに、魅了されたり反発したり考え込んだりするための古典ではないだろうか。本演習では、一冊まるごと丁寧に読み通すことで、参加者各々が、民主政治に対する理解を深め、あわせて、古典的作品を読みこなすヒントのようなものを提供できればと考えている。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
51340
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (ジャン=ジャック・ルソー『社会契約論』を読む)
川出 良枝
A1 A2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
初回は参加者の自己紹介と演習のやり方を示します。また、参加者全員にテクストの担当箇所をわりふります。 2回目からは、以下の授業の方法にのっとってテクストを読み進めます。 最終回は、全員が簡単にテクストの中で、とりわけ印象に残った部分は何かについて、自由なコメントを交換する場とする予定です。 ルソーの邦訳は複数ありますが、同じものを使う必要があるので、白水社Uブックスの作田啓一訳(川出が解説を書いています)を使用します。こちらを授業開始までに入手しておいてください。
授業の方法
上に挙げた文献を、毎回、(参加希望者の人数によりますが)原則として2名が一組になり、一定のセクションについて概要をまとめたレジュメを用意し、あわせて数点の論点を提起することにより、参加者との間で議論を行います。レジュメの担当者には、(1)原典を正確に理解する、(2)固有名詞、制度、事件など、テクストを読む上で必要不可欠な歴史的背景を調査する、(3)テクストの読解を通して得た論点や疑問点を参加者にわかりやすく提示する、の3点の課題が課されます。参加者全員は、毎回、以上の3点を念頭に置きつつ必ずテクストを読み、積極的に議論に参加してください。
成績評価方法
演習への出席状況にもとづいて評価します。やむを得ない事情はもちろん考慮しますが、基本的には毎回出席することを想定しています。参加人数にもよりますが、最低1回は報告し、また、毎回の議論に積極的に参加することが重要です。
履修上の注意
初回の授業までに指定したテクスト(ルソー『社会契約論』(白水社Uブックス))を入手しておいてください。光文社古典新訳文庫の中山元訳も読みやすい訳なので余裕がある方はこちらも参考にしてください。ただし、全員が同じテクストを用いる必要があるので、白水社のものに統一します。 やむを得ず欠席することは当然あり得ると思います。その場合は必ず教員に事前に連絡してください。