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最終更新日:2025年4月21日
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全学体験ゼミナール (伊豆に学ぶ_熱帯植物編1 カカオノキの下で東大生がチョコレートを作る意味を考えてみよう)
伊豆に学ぶ_熱帯植物編1 カカオノキの下で東大生がチョコレートを作る意味を考えてみよう
【注意】オンライン受講はできません
※伊豆の樹研究所を訪ねて、竹炭を焼いたり、キャッサバを掘り出したり、カカオの収穫を行うなどするもので、同時中継では十分に理解を深めるに至らないと考えられる。そのため「授業の性質上、同時中継は難しい」と判断します。
新型コロナの状況次第では中止する可能性があります。また、成績締め切りに間に合わない可能性があるため、2年生の場合はこのゼミの単位がなくても進学に差し支えない方のみお引き受けしたいと考えています。
見え易い目標(表向きの目標?)として、カカオノキの下でチョコレートを作ります。おいしかったというだけでは大学生のゼミにはなりません。これに合意いただけることが、まず最低限必要です。チョコ作りだけではなく竹炭焼きにも挑戦してみます。自分で焼いた竹炭をを燃料として調理に用います。それらのアクティビティの中に、少し見えにくい目標(真の学び)がいくつゼミ中に潜んでいるものと思って本ゼミに臨んでいただきたい。意識を高めてゼミに臨めば、それだけ収穫も大きくなるはずです。
近年、日本では「線状降水帯」による甚大なる気象害が毎年のように発生するなど、「異常」なほどの気象害が常態化しています。しかし、これは地球規模で洪水と渇水が頻発していることの一面を捉えているに過ぎません。気候変動への取り組みやレジリエントな社会づくりの重要性が言われますが、日本社会は十分な取り組みができているでしょうか。
日本の国土は7割近くが森林に覆われています。7割の面積におよぶ森林をどの様に管理するべきか、考えてみたことはありますか?
山林のことは林業関係者に任せておけば良いですか?他の人は無関心でよいのでしょうか?
そして、日本において、その肝心の林業はちゃんと回っているのでしょうか。
現在、カカオの主要産地はガーナやコートジボワールですが、カカオ生産のために熱帯雨林が減少しているといった話をご存じでしょうか。私たちがチョコレートを食べることと、世界的な気象変動がつながっている可能性があります。このゼミでは、普段意識することが難しいことを、意識してみます。
意識すると、視野が広がり、思考が深まることを体験することになりましょう。
それこそが、伊豆に学ぶゼミが提供しようとしている「学び」に他なりません。
その他にも、学生同士が刺激しあうことの、重要性・素晴らしさにも気づいていただけましたら、たいへんうれしいところです。このゼミは、単に体験を提供するではなく、体験を通して、学びの本質を追求していく、そのようなゼミになるはずです。どうぞお楽しみに。
【注目ポイント】
本体験ゼミは、人の営みと自然との関係について、体験を通して学びます。農学部が主宰するゼミですが、農学部以外の学部に進学する学生にも(にこそ)知ってもらいたい農学分野のことを話題にあげます。理系的な知識の有無を前提としないので、文系学生にとっても意義深いゼミになるはずです。理系文系を問わず、日本の山林をどうするべきかに興味を持ってもらいたい、そして日本社会の行く末を考えるきっかけとしていただきたい。
大学で学び始める学生に受講いただくことを強く意識している講義です。(2年生でも間に合いますが、)1年時の受講をお奨めします。
※コロナ禍のなかった世界では、本ゼミは東大生を伊豆にお連れして、楽しい体験の中に大切な学びがあることを見出してもらっておりました。皆がそれぞれの価値観・意見を持ち寄りつつ、しっかりと取り組めば深遠な学びに到達することができた幸せな時代だったのかも知れません。
コロナ渦中にあって、本ゼミは従前のスタイルから一歩踏み出そうとしています。2021年度Aセメスタも宿泊を伴う講義を実施できません。
そこで、「伊豆に学ぶ_熱帯植物編」では4泊5日の本ゼミのエッセンスを抽出して2回の伊豆日帰りゼミと1回の東京ゼミに再構成してお届けすることにしました。日帰りですので、限られた時間しかありませんが、その時間を贅沢に使います。(伊豆の滞在時間を稼ぐために、東京駅始発の新幹線こだま号をご利用ください。)
以下は、従前の伊豆ゼミのシラバスです。ゼミの世界観は従前の通りにしたい思いがあるので、雰囲気をお伝えするためにもあえてそのまま残しておきます。
「伊豆に学ぶ」シリーズは、人と自然のつながりや、人と人のつながり、そして現代社会において見えにくい「プロセス」が見えてくる仕掛けであることを基本としている。そのコンセプトは熱帯編でも同じである。チョコレートやプリンが大好きという人は少なくないであろう。それらの原料が、カカオやバニラという植物由来であることを知っている人も少なくなかろう。しかし、それらがどういう植物なのか、実物を見たり触ったりしたことがある人はいるだろうか。実際にカカオを焙煎して、細かく挽いてカカオバターと混ぜて練ったことがある人はいるだろうか。その製造の過程で、きめ細かい温度制御が求められることを知っている人は果たしているだろうか。このゼミ中に完成させるカカオを出発材料とする手作りチョコレート(ビーントゥーバー)は、それはそれは価値あるものであることは間違いない。是非、店で売っている普通に手に入るチョコレートと食べ比べていただきたい。その体験こそが、このゼミでしかお伝えできない事だと言っても過言ではない。手作りした甲斐あって美味しいのか?をここで言及することは無意味だ。それを伊豆に来て実際に確認して欲しい。
本ゼミは農学生命科学研究科附属演習林の樹芸研究所で展開される。樹芸研究所と聞いて「樹芸」ってなんだ??と思うだろうか。「樹芸」とは樹に親しみ、樹を暮らしに役立て、樹を育むことを包含する言葉と私たちは定義している。樹芸研究所が開講する一連の体験ゼミは「人の暮らしと生態系の関わり」を基調に、「樹芸」体験を盛り込んで、学ぶということの原点を見直すことに重きを置いている。「伊豆に学ぶ―熱帯植物編―」は森林・樹木の物質生産機能に重点を置いた体験ゼミで、熱帯植物を使う樹芸体験を用意している。チョコレートやプリンやバニラアイスなど、私たちの日常生活において在り来たりになっているモノたちに焦点を当て、日頃の生活において見ようともしない・気付こうともしない、見えにくい「プロセス」を探る旅に出よう。熱帯まで足を運んでもできないことを、東大生はなんと伊豆で体験デキルのだ。
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