学部前期課程
HOME 学部前期課程 全学体験ゼミナール (伊豆に学ぶ_熱帯植物編1 カカオノキの下で東大生がチョコレートを作る意味を考えてみよう)
過去(2021年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月1日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

全学体験ゼミナール (伊豆に学ぶ_熱帯植物編1 カカオノキの下で東大生がチョコレートを作る意味を考えてみよう)

伊豆に学ぶ_熱帯植物編1 カカオノキの下で東大生がチョコレートを作る意味を考えてみよう 【注意】オンライン受講はできません ※伊豆の樹研究所を訪ねて、竹炭を焼いたり、キャッサバを掘り出したり、カカオの収穫を行うなどするもので、同時中継では十分に理解を深めるに至らないと考えられる。そのため「授業の性質上、同時中継は難しい」と判断します。 新型コロナの状況次第では中止する可能性があります。また、成績締め切りに間に合わない可能性があるため、2年生の場合はこのゼミの単位がなくても進学に差し支えない方のみお引き受けしたいと考えています。
 見え易い目標(表向きの目標?)として、カカオノキの下でチョコレートを作ります。おいしかったというだけでは大学生のゼミにはなりません。これに合意いただけることが、まず最低限必要です。チョコ作りだけではなく竹炭焼きにも挑戦してみます。自分で焼いた竹炭をを燃料として調理に用います。それらのアクティビティの中に、少し見えにくい目標(真の学び)がいくつゼミ中に潜んでいるものと思って本ゼミに臨んでいただきたい。意識を高めてゼミに臨めば、それだけ収穫も大きくなるはずです。

近年、日本では「線状降水帯」による甚大なる気象害が毎年のように発生するなど、「異常」なほどの気象害が常態化しています。しかし、これは地球規模で洪水と渇水が頻発していることの一面を捉えているに過ぎません。気候変動への取り組みやレジリエントな社会づくりの重要性が言われますが、日本社会は十分な取り組みができているでしょうか。
日本の国土は7割近くが森林に覆われています。7割の面積におよぶ森林をどの様に管理するべきか、考えてみたことはありますか? 
山林のことは林業関係者に任せておけば良いですか?他の人は無関心でよいのでしょうか?
そして、日本において、その肝心の林業はちゃんと回っているのでしょうか。
 現在、カカオの主要産地はガーナやコートジボワールですが、カカオ生産のために熱帯雨林が減少しているといった話をご存じでしょうか。私たちがチョコレートを食べることと、世界的な気象変動がつながっている可能性があります。このゼミでは、普段意識することが難しいことを、意識してみます。
意識すると、視野が広がり、思考が深まることを体験することになりましょう。
それこそが、伊豆に学ぶゼミが提供しようとしている「学び」に他なりません。
その他にも、学生同士が刺激しあうことの、重要性・素晴らしさにも気づいていただけましたら、たいへんうれしいところです。このゼミは、単に体験を提供するではなく、体験を通して、学びの本質を追求していく、そのようなゼミになるはずです。どうぞお楽しみに。

【注目ポイント】
本体験ゼミは、人の営みと自然との関係について、体験を通して学びます。農学部が主宰するゼミですが、農学部以外の学部に進学する学生にも(にこそ)知ってもらいたい農学分野のことを話題にあげます。理系的な知識の有無を前提としないので、文系学生にとっても意義深いゼミになるはずです。理系文系を問わず、日本の山林をどうするべきかに興味を持ってもらいたい、そして日本社会の行く末を考えるきっかけとしていただきたい。
大学で学び始める学生に受講いただくことを強く意識している講義です。(2年生でも間に合いますが、)1年時の受講をお奨めします。

※コロナ禍のなかった世界では、本ゼミは東大生を伊豆にお連れして、楽しい体験の中に大切な学びがあることを見出してもらっておりました。皆がそれぞれの価値観・意見を持ち寄りつつ、しっかりと取り組めば深遠な学びに到達することができた幸せな時代だったのかも知れません。

コロナ渦中にあって、本ゼミは従前のスタイルから一歩踏み出そうとしています。2021年度Aセメスタも宿泊を伴う講義を実施できません。
そこで、「伊豆に学ぶ_熱帯植物編」では4泊5日の本ゼミのエッセンスを抽出して2回の伊豆日帰りゼミと1回の東京ゼミに再構成してお届けすることにしました。日帰りですので、限られた時間しかありませんが、その時間を贅沢に使います。(伊豆の滞在時間を稼ぐために、東京駅始発の新幹線こだま号をご利用ください。)


以下は、従前の伊豆ゼミのシラバスです。ゼミの世界観は従前の通りにしたい思いがあるので、雰囲気をお伝えするためにもあえてそのまま残しておきます。

「伊豆に学ぶ」シリーズは、人と自然のつながりや、人と人のつながり、そして現代社会において見えにくい「プロセス」が見えてくる仕掛けであることを基本としている。そのコンセプトは熱帯編でも同じである。チョコレートやプリンが大好きという人は少なくないであろう。それらの原料が、カカオやバニラという植物由来であることを知っている人も少なくなかろう。しかし、それらがどういう植物なのか、実物を見たり触ったりしたことがある人はいるだろうか。実際にカカオを焙煎して、細かく挽いてカカオバターと混ぜて練ったことがある人はいるだろうか。その製造の過程で、きめ細かい温度制御が求められることを知っている人は果たしているだろうか。このゼミ中に完成させるカカオを出発材料とする手作りチョコレート(ビーントゥーバー)は、それはそれは価値あるものであることは間違いない。是非、店で売っている普通に手に入るチョコレートと食べ比べていただきたい。その体験こそが、このゼミでしかお伝えできない事だと言っても過言ではない。手作りした甲斐あって美味しいのか?をここで言及することは無意味だ。それを伊豆に来て実際に確認して欲しい。

本ゼミは農学生命科学研究科附属演習林の樹芸研究所で展開される。樹芸研究所と聞いて「樹芸」ってなんだ??と思うだろうか。「樹芸」とは樹に親しみ、樹を暮らしに役立て、樹を育むことを包含する言葉と私たちは定義している。樹芸研究所が開講する一連の体験ゼミは「人の暮らしと生態系の関わり」を基調に、「樹芸」体験を盛り込んで、学ぶということの原点を見直すことに重きを置いている。「伊豆に学ぶ―熱帯植物編―」は森林・樹木の物質生産機能に重点を置いた体験ゼミで、熱帯植物を使う樹芸体験を用意している。チョコレートやプリンやバニラアイスなど、私たちの日常生活において在り来たりになっているモノたちに焦点を当て、日頃の生活において見ようともしない・気付こうともしない、見えにくい「プロセス」を探る旅に出よう。熱帯まで足を運んでもできないことを、東大生はなんと伊豆で体験デキルのだ。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
51333
CAS-TC1300Z1
全学体験ゼミナール (伊豆に学ぶ_熱帯植物編1 カカオノキの下で東大生がチョコレートを作る意味を考えてみよう)
鴨田 重裕
A1 A2
集中
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
【注意】この講義は対面形式で実施します。オンライン受講はできません。 1. 開講期間 南伊豆町にて:2021年12/18(土)12/28(火) 弥生キャンパスにて:2021年12/25(土) 2. 集合場所・時間 12/18,28 東京駅始発の新幹線こだま号に乗車 熱海駅にてJR伊東線に乗り換え 伊東駅にて伊豆急行線に乗り換え 伊豆急下田駅8:51着後、出口改札前に集合 12/25 弥生キャンパス 農正門9時 3.解散場所・時間     伊豆急下田駅・ 19:57発の電車に乗車できるように送る 4.参加費用   飲食費:1500円(伊豆の2回分)   交通費(東京-伊豆急下田):片道分    新幹線こだま号自由席利用で5720円 5. 日程 1日目(伊豆) 9:00に伊豆急下田駅出口改札を出たところに集合 下田駅からは用意したバスに乗車して樹芸研究所青野作業所に向かい、さっそく竹炭焼きを行う。 窯の温度が所定の温度に達するまで、ひたすら薪をくべ風を送る作業に当たる。 窯の温度が落ち着いてきたら、お弁当を食べながら窯を見守ろう。 窯が所定の温度に達するまで、もう一息。 その後、加納温室に向かい、いよいよカカオノキと対面である。 カカオを収穫して二つの作業に参加してもらいます。 一つは、発酵の仕込み。もう一つは、繁殖(種まき)だ。 3日目(東京) 発酵の様子見をした竹を使って和凧を作ろう。 凧作りを終えたところで、自主研修を行います。 自主研修ではゼミのアクティビティを振り返り、各人の気づきを確認した後に、それぞれの気づきを共有します。 4日目(伊豆) 9:00に伊豆急下田駅出口改札を出たところに集合。 下田駅からは用意したバスに乗車して樹芸研究所青野作業所に向かい、さっそく窯出し作業を行う。自分で焼いた炭を取り出したら、出来栄えの良い炭をお土産にしよう。(炭は一生置いても腐りません。)炭同士をぶつけ合えば、甲高い金属音が響くことでしょう。出来立ての炭を持って、加納へ移動。 次はいよいよカカオノキの下でチョコレート作りだ。 温泉の湯煎でテンパリングを行うのは、樹芸研ならではのやり方だ。 チョコレートを型に流し込んだら、次のアクティビティ、イノシシBBQ。 南伊豆町ではイノシシは、畑や庭先を荒らして多くの町民の生活を脅かす存在なのだ。その問題の原因獣イノシシをBBQで食べてみよう。 食後は、美しい弓ヶ浜で自作した和凧をあげる。 6.事後講義   農学部キャンパスにてゼミを振り返る事後講義を行う。体験ゼミの一部分であるので必ず出席してください。詳細は後日連絡します。 7.説明会(ガイダンス)は初回講義を兼ねるのでいずれかに出席すること。  10月8日6限 〇〇〇教室  10月11日6限 〇〇〇教室  ※オンラインで行う予定です 8. 受講人数:上限を12名程度とする。 9.開講場所:樹芸研究所・弥生キャンパス 10. ミッションについて 「伊豆に学ぶ」シリーズでは、ゼミを受講する目的・目標をしっかりと持つことを大切に考えています。ミッションを課して、本ゼミの方向性を明らかにするとともに、あなたの受講する準備を進めたいと考えています。このミッションに取り組む機会に、一度立ち止まってゆっくりと考えていただきたいと思います。 ミッション 将来あなたが活躍しようという分野が、第一次産業や環境問題と直接関係がなくても、否応なく一人一人が、気候変動や持続可能な社会やリジリエントな社会を意識せざるを得ないのが現代という時代のサガといえます。そんな現代において、あなたは東京大学で何を学び、どう社会に役立とうと考えますか。そのことを踏まえて、本ゼミを志望する理由をお書きください。「どう社会に役立つ」かについて具体を書きにくい場合は、今の日本には何がたりないだろうか、将来日本という国はどうあるべきだろう、どの様な社会が望ましいと思うかといったことを書き、その中で自分の活躍の場を探してみてください。どうしても持続可能なリジリエントな社会とご自身の活躍像とを結び付けて文章化できない場合は、加えて持続可能なリジリエントな社会を目指すことについてあなたのお考えを書いてください。 このミッションに理系的なキーワードや説明のあるなしは問いません。このゼミ参加に必要なものは第一次産業や森林・生態系等への興味・関心であって、それらに関する理解度を求めているものではありません。 字数は1,000字を目安とします。ご自身の言葉で、考える契機となった具体の出来事・体験などを交えて伝えてください。拝読するのを楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。 11.申込み方法 参加希望者は履修登録とは別に申し込みが必要。 樹芸研究所HP(http://www.uf.a.u-tokyo.ac.jp/*****)から伊豆ゼミ・ふらのゼミ申込書式(エクセルファイル)をダウンロードし、必要事項を入力し下記e-mailアドレス宛にお申し込みください。なお、エクセルシートは見かけより大きいので縦横にスクロールして黄色い欄を全て記入してください。重複履修を希望する場合、その旨を明記して同時に申し込むことができます。 メールの件名を「2021伊豆ゼミ熱帯植物編」としてください。 ・ミッションはメール本文に書くか、ワードファイルかテキストファイルを添付してください。 ・必要事項を全て入力した申込書式のファイルも添付してください。 ・メール本文に氏名とふりがなを書いてください。例:鴨田重裕(かもだしげひろ) 竹林管理編ゼミの申し込み締切は10/16の23時、受講の可否は10/25の15時までに連絡する。 可否連絡期日を過ぎて連絡ない場合や、不明なことあれば、下記までお問い合わせください。 e-mailアドレス:izu.seminar@gmail.com (@は全角になっているのでコピペの際は半角に) 樹芸研究所TEL:*****
授業の方法
「伊豆に学ぶ」シリーズでは、環境の問題、景観の問題、獣害の問題など身近な森林が抱える様々な問題を意識化するため に、演習林内外を問わず、現地に足を運び、伊豆半島に特徴的な事象観察を行いながら、伊豆半島の自然に触れ親しむ。講義だけにせず、実体験を交えて学生に 自分の五感で体験学習させる。 夏ゼミは冬ぜみよりも「つながり」を感じやすい構成になっている。冬ゼミが炭を扱うのに対して、夏ゼミでは薪というエネルギーに着目する。実際に石窯料理に薪を活用してみよう。 講義に先立って、本ゼミは受講前にミッションを提出もらうことにしている。大学において何を学びどう社会に役立とうと考えているのか。学ぶ目的や、その先の目標を立ててゼミに臨むことで、講義の効果を高める狙いがある。また、講義の後にはアフターサービスが充実している。そちらとリンクさせてもらえばなお効果的である。ミッションにはゼミにどのように意欲的に取り組むつもりなのかも書いていただくとよい。
成績評価方法
講義の受講態度により合否を判定する。 無断欠席は不合格とする。
履修上の注意
※新型コロナの状況次第では中止する可能性があります。また、成績締め切りに間に合わない可能性があるため、2年生の場合はこのゼミの単位がなくても進学に差し支えない方のみお引き受けしたいと考えています。 本ゼミはオンライン受講ができません。 対面授業(実習)に参加可能な学生のみに履修を制限します。 ただし、不特定多数が参加する可能性があるガイダンスに限りオンラインで実施します。ご注意ください。 履修登録の他に所定の申し込みが必要です。申込方は「授業計画」欄に記載してあるので、それに従ってください。