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最終更新日:2026年10月16日
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学術フロンティア講義 (思い乱れるリベラルアーツ:「触れる」)
思い乱れるリベラルアーツ:「触れる」
本講義は、文系・理系あわせて13名の教員によるオムニバス形式で行われます。年度ごとに一つのテーマを設定し、それぞれの専門領域から多角的にアプローチします。
この講義では、以下の点を重視しています。
① 学生が多様な視点や考え方に触れ、物事を多角的に捉える力を身につけること
② 出講教員が研究を進めるうえでの問いの立て方や思考のプロセスを提示し、それを通じて履修者自身の問題意識や知的な姿勢を育むこと
今年度は、この講義を「思い乱れるリベラルアーツ」と名づけました。12の分野が同じテーマに触れるとき、立てられる問いも、前提も、答えの形もそれぞれに異なります。半期を終えたときに残るのは、整理された一つの結論ではなく、「そういう見方もありうるのか」という戸惑いかもしれません。しかし、思いが乱れること――手持ちの枠組みでは受けとめきれない何かに触れてしまうこと――こそが、専門を越えて考えはじめる出発点だと私たちは考えています。
■テーマ:触れる
■講義趣旨
私たちは、ものに触れ、他者に触れ、さまざまな環境と接触しながら生きています。触れることは、世界を知るための最も基本的な経験の一つです。同時に、何かに触れるとき、私たち自身もまた触れ返されています。「触れる」とは、一方向の働きかけではなく、自分と外部との境界が揺れ動く出来事だといえるでしょう。
しかし、「触れる」ことは、いつも同じ意味をもつわけではありません。ある接触は安心や親密さ、ケアを生み、別の接触は不快感や侵入、支配、暴力として経験されます。触れることが許される場面もあれば、禁じられる場面もあります。誰が、誰に、何に、どのような条件で触れてよいのか。その境界は、身体の感覚だけでなく、社会的な規範、文化、歴史、権力、技術によって形づくられています。
本講義では、「触れる」ことを皮膚に生じる触覚に限定せず、人と人、人と物質、身体と空間、人間と技術、現在と過去、自己と他者のあいだに生じる多様な接触の出来事として捉えます。そしてそのうえで、自然科学、工学、人文社会科学、芸術など、多様な分野から提示される知見や問いを手がかりに、そのさまざまな側面をまず考察します。一つの定義や結論を求めるのではなく、分野によって異なる問いの立て方を学び、同じ接触が別の角度からどのように見えるのかを考えます。
さらに本講義では、学生自身が身の回りの触覚を「集める・記録する・再現する」ワークショップに一回を充てます。このワークショップでは、言葉、図、音、映像、素材などを用いて触覚を捉え、別の場所や身体に伝わる形へと翻訳した成果を授業内で発表し、講評を受けます。この一連の試みを通して、触覚は保存できるのか、他者と共有できるのか、別の媒体へ翻訳できるのかを考えます。
「触れること」と「触れられること」から、自分と世界との関係を捉え直すこと、そしてそれぞれの学生が、自分にとっての「触れる」ことを発見し、そこから新たな問いを立ち上げること。それが本講義の狙いとします。
【分担教員一覧】(2026/10/1更新)
10月2日 ガイダンス
10月9日 広瀬浩二郎/国立民族学博物館
「触角」がひらくユニバーサル・ミュージアム──「誰一人取り残させない社会」の実現に向けて
10月16日 稲見昌彦/先端科学技術研究センター
触れる身体、触れ返す機械──身体情報学から見た人と機械の境界
10月30日 遠藤利彦/教育学研究科
心がふれあうということ──アタッチメントが拓く生涯発達
11月6日 篠田裕之/新領域創成科学研究科
もし触覚を自由に再現できたら
11月13日 豊田正嗣/埼玉大学理工学研究科
植物が「触れられた」ことを感じる仕組み
11月27日 松井裕美/総合文化研究科
掌の美術論──芸術作品の触知(不)可能性について
12月4日 熊田陽子/国際ファッション専門職大学 国際ファッション学部
なぜ、そう感じる?──セックスワークにおいて身体が触れる時
12月11日 青山英正/総合文化研究科
恋する身体の皮膚感覚──「触れる」を言葉にする
12月18日 松田雄二/工学系研究科
(調整中)
12月25日 髙島晶彦/史料編纂所
史料に「触れる」ことと守ること──史料の保存修復技術
1月8日 ワークショップ講評
1月22日 保立道久/東京大学名誉教授
(調整中)
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学術フロンティア講義 (思い乱れるリベラルアーツ:「触れる」)
原 和之
A1
A2
金曜2限
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
出席状況や毎回の講義内容に対するコメントの提出などの平常点、ワークショップ回における課題の提出と発表・講評への参加、および期末の小論文を総合的に評価して成績を決定する。ただし、期末の小論文を締切までに提出することは、単位取得のための必須条件である。
その他の評価基準については、ガイダンス時に説明する。
文理を問わず、受講可能。詳細は第1回授業日に説明する。
講義内容、その他の詳細はウェブサイトを参照すること。
(講義内容は下記のURLに8月末までに掲載する予定)
http://www.lap.c.u-tokyo.ac.jp/*****