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最終更新日:2024年10月18日

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経営管理論

(目標) 営利・非営利の両組織に通用する経営管理の方法論について学ぶ。
(概要) 経営管理の方法論(管理会計論)は、計数的管理実践方法の技術学(故・津曲直躬東大教授)として主に企業で発展してきたが、その考え方は営利組織のみならず、行政組織等の非営利組織にも通用する。本講義においては、この管理会計論を体系的に学ぶことにより、その基礎的な知識を取得するとともに、隣接分野である経営戦略論や生産管理論、財務管理論等の入門的な知識も含め、経営管理についての全体的かつ総合的な理解を得ることをめざす。
 受講生にとっては、コンサルティング業(管理会計論は一般にマッキンゼーによる1924年の出版からとされるが、同氏は1926年に「マッキンゼー」社の前身を設立しており、両者のつながりは深い)、金融業(自社/自グループの経営管理のみならず、融資先企業の経営指導に必須。中小企業を含めれば大きな市場)、サービス業/製造業(自社/自グループの経営管理に必須)、公共部門(行政組織やNPO等、更には教育・病院等の組織運営に必須。行財政改革とも関連。最近では地方創生等にも活用)等における将来の活躍につなげることができる。
 本講義はコンサルティング会社「ガバメイツ」(敬称略。以下同じ)のご協力を得てCapstone演習として実施する(但し1年次の受講も可)。そこでは、「コンサルティング会社にコンサルティングを行う」をコンセプトに、同社の胸をお借りしグループワークにより学生から提言してもらう。これは、現に動いている「ガバメイツ」の基本的な構図をケースとして扱うことで、臨場感を持ちつつ方法論への理解をより深めることができるからである。
 なお、本講義は管理会計論の考え方をテーマとするものであり、簿記等の会計知識は一切必要としない(最小限の知識は適宜補足する)。また、内容が共通することから、2022/2023年度「公共管理論Ⅱ」及び2022年度「Introduction to Management Accounting in Japan」との重複履修は不可とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
5130017
GPP-MP6Z30L1
経営管理論
大西 淳也
A1 A2
水曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
公共政策学教育部
授業計画
以下を目安とするが、多少の変更はありうる。なお、隣接分野については管理会計論を立体的に理解するための入門的知識の紹介にとどめる。 第1回)イントロダクション(経営管理論の基礎、隣接分野とのかかわり、会計の基礎、財務会計と管理会計、企業の管理会計と行政の管理会計、公会計入門) 第2回)「ガバメイツ」からの説明 第3回)管理会計の歴史 第4回)企業の統合報告等の動き、行政改革の歴史(PPBS、NPM、NPG、EBPMなど) 第5回)小テスト❶、収益管理の手法①(経営戦略論入門、中期計画、利益計画、予算管理など) 第6回)収益管理の手法②(責任会計、方針管理、目標管理、ロジック・モデル、戦略マップ、KPIなど) 第7回)小テスト❷、費用管理の手法①(生産管理論(生産マネジメント)入門、標準化、プロセス分析、標準原価計算、全社的品質管理(TQC)など) 第8回)費用管理の手法②(原価企画、トヨタ生産方式、リーンマネジメント、活動基準原価計算(ABC)/活動基準管理(ABM)など) 第9回)費用管理の手法③(事務量マネジメント、BPR、DX/RPA、施設マネジメントなど) 第10回)小テスト❸、総合的な管理手法①(バランスト・スコアカード(BSC)、ミニプロフィットセンター(MPC:京セラ・アメーバ経営等)など) 第11回)総合的な管理手法②(プロジェクト等の経済性計算、財務管理論(コーポレートファイナンス)入門、制約条件の理論(TOC)、費用便益(B/C)分析など) 第12回)小テスト❹、レポート及び発表資料提出、特定事例についてケースとして検討 第13回)各グループからの発表・質疑、「ガバメイツ」からの講評
授業の方法
・授業での対話を重視したいので、In-Personとする。 ・教科書のポイントを基本に、適宜論点を補足しつつ、知識取得のための講義を行う。なお、知識の体系的取得は、学生自身による今後の応用を容易にすると考えている。
成績評価方法
・配点は小テスト45点(第1回10点、第2回10点、第3回15点、第4回10点)、レポート内容及びプレゼンテーション25点、平常点30点。 ・平常点は発言状況、出席状況等で判断する。なお、発言状況は発言内容の明瞭性・簡潔性・適宜性で判断する。 ・レポート(A4で10枚以内)、発表資料(PPT)、発表及び質疑応答については、各自の貢献度を勘案しつつ評価を行う。
教科書
・拙編著『行政管理会計の基礎と実践』同文舘出版2020。(必読) ・櫻井通晴・伊藤和憲編著『ケース管理会計』中央経済社2017。(企業の管理会計をきちんと勉強したい場合は必読)
参考書
・櫻井通晴『管理会計(第七版)』同文舘出版2019。(何でも書いてある定番の基本書。「飾ってよし、文鎮によし、枕によし」) ・必要に応じ授業で紹介するが、主だった拙稿については関連HP「行政管理会計の研究」( https://junyaohnishi.com/***** )においてリンクを貼っているので、適宜参照のこと。 ・経営戦略論)沼上『経営戦略の思考法』日経新聞出版局。 ・生産管理論)藤本『生産マネジメント入門Ⅰ』日経新聞出版局。 ・財務管理論)森『図解 コーポレートファイナンス』創成社、石野『道具としてのファイナンス』日本実業出版社、朝岡他『ゼミナール コーポレートファイナンス』日経新聞出版局。
履修上の注意
・教科書の該当箇所を予めきちんと読み込んだ上で授業に臨むこと。ただし、社会人経験のない学生には若干イメージがわきにくい可能性があるので、その場合には予習でざっと眺め、復習でしっかりと読み込むこと。 ・管理会計論は工学的発想を多用しており、また、分野的にも教育や医療、地方創生等への展開が期待されている等の理由から、政治学・法学系、経済政策系の公共政策大学院生のみならず、他分野の大学院生の履修を歓迎する。 ・企業勤務であれ、公務員であれ、集中力を維持しつつヒトの話を聞き、ポイントを押さえたメモを作ることは仕事の基本。従って、授業でもその基本動作の繰り返しを求める。 ・積極的に脱線するので、よく聞き、授業を膨らませるような適宜の反応をすること。 ・授業後少し残るようにするので、質問等があればその際に何なりと申し出ること。 ・自らの失敗談は積極的に伝授するので、決してまねをしないこと。