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最終更新日:2026年10月16日
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全学自由研究ゼミナール (「ダイバーシティ/Diversity & Inclusion」再考)
「ダイバーシティ/Diversity & Inclusion」再考
【授業の概要】
近年、経済や政治や文化といったさまざまな領域で「ダイバーシティ/Diversity & Inclusion/Diversity, Equity & Inclusion」が関心を集めている。日本では2010年代以降、「ダイバーシティ」言説の広がりとともにそれを推進する取り組みが注目を集め、企業では女性や性的マイノリティをはじめとするマイノリティの「活用」が「ダイバーシティ・マネジメント」や「D&I」「DEI」というスローガンのもとで進められている。行政や自治体でも、いわゆる「同性パートナーシップ条例」の制定や、防災・減災活動におけるマイノリティ視点の導入といった施策が「ダイバーシティ」言説によって正当化されている。東京大学も2022年に「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を公開し 、2023年4月には教養学部にD&I関連授業とセーファースペース(KOSS)を提供する「Diversity & Inclusion部門」を設置した。
「ダイバーシティ」の取り組みは、国連が推進してきたSDGsや、近年のフェミニズムや性的マイノリティ運動、障害者運動、反レイシズム運動といったマイノリティの社会運動に対する関心の高まりとも親和性が高いように見える。しかし、そもそも「多様性を包摂すること(Diversity & Inclusion)」は、国家や組織に対していかなる変化をもたらすプロジェクトなのだろうか。
もとより「包摂」と「排除」は表裏一体で、メンバーシップの境界設定をめぐる政治である以上、包摂されるメンバーシップには臨界点がある。とするならば、どのような政治力学によって特定のメンバーが歓迎すべき人として包摂され、あるいは歓迎されないヒトとして排除されるのか。およそあらゆる組織にはさまざまなマイノリティが「すでにいる/た」はずだが、かれらは「包摂」されていなかったのだろうか。とするならば、どのような意味においてそういえるのか。D&Iのプロジェクトは、このような困難や難題といかに向き合ってきたのだろうか。
【目標】
この授業では「ダイバーシティ/D&I/DEI」言説をラディカルに考える/考え直すことを目標とする。そのために、そもそも「差別」とはいかなる現象なのか、どのように解消することができるのか/できないのかを、多様なマイノリティの歴史的・理論的実践から検討する。そのうえで、近年の「ダイバーシティ」をめぐる言説を批判的に読み解き、社会正義を実現するアプローチとしてのダイバーシティを模索する。
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