大学院
HOME 大学院 医療イノベーション政策
過去(2019年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月22日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

医療イノベーション政策

一国の医療の水準、そしてその結果としての健康の水準は、医療に対する支出の全体の水準と個別の価格設定、提供される医療の安全・安心や一定の質を確保するための国家の関与、医療事故に対する責任の構造、効率的で公平な国民のアクセスを提供するための人的・物的インフラの整備のルールなどに対して、医師、患者、病院、保険者、薬局、製薬企業、医療機器メーカーなど様々な主体が反応していく行動の総体として決定される。そして、これらの主体の行動や制度の有効性は、少子高齢化の進展、グローバリゼーションの展開、経済成長の動向、医療技術の進歩などにより変化している。

 本講義は、医療水準やその結果としての国民の健康の水準を決定する様々な制度について、当事者間の合意と市場の働きに委ねるのではなく国家の関与が必要とされる理由にさかのぼって考え理解するとともに、特に近年、医療・健康政策と経済成長のための政策の両面から注目されている「医療イノベーション」に視点を当ててこれらの諸制度の評価を行う。

医療をめぐる近年の急速な技術進歩やグローバル化の進展を理解するとともに、基礎的科学から患者への提供にいたるヘルスケア産業のイノベーションの過程を取り上げ、国際的な比較を交えて、日本のイノベーション環境の評価を行う。また、「医療イノベーション」を経済成長のための政策としてみる場合の留意点について理解する。それらに合わせて、先端医療技術の活用におけるリスクや不確実性、個人情報保護、倫理上の課題も取り扱う。具体的な事例としては、医薬品・再生医療・医療機器に関する研究開発や承認プロセス等を扱う予定である。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
5123272
GPP-MP6E20L1
医療イノベーション政策
大西 昭郎
A1 A2
火曜2限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
公共政策学教育部
授業計画
(講義内容は予定であり、変更の可能性がある) 担当(敬称略) ①9月24日 イントロ:医療イノベーションの多様性    林 ②10月1日 主要な制度の概観:制度紹介とトレードオフ  林 ③10月8日 新技術の実用化の課題(再生医療の事例から) 昌子 ④10月15日 技術革新と規制制度            大西 ⑤10月29日 健康増進のための行動科学の知見の利用   岸本 ⑥11月5日 医療財政・薬価制度            薬学部 小野先生 ⑦11月12日 臨床研究の動向とその課題         千村 ⑧11月19日 医療改革の国際比較            松山 ⑨11月26日 医療技術評価:費用対効果とイノベーション 鎌江 ⑩12月3日 医療と先端技術(遺伝子検査技術等)    佐藤 ⑪12月10日 超高齢化社会への対応           江崎 ⑫12月17日 医療政策をめぐる日本の政治過程     鈴木 ⑬1月7日 総括
授業の方法
講義方式(適宜外部からのゲストスピーカーを招く予定である)
成績評価方法
・レポート提出(途中でレポートのテーマを決めて、講師陣と議論する回を設ける) ・授業への参加状況(毎回、簡単なコメントを求める用紙を配布し、授業終了後に提出を求め出席票に代える)
教科書
特になし
参考書
必要に応じ授業において指示
履修上の注意
健康や医療に係る製品や技術、医療機関や施設の成り立ちや、関連する諸制度について初歩的な知識があることが望ましい。