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最終更新日:2025年4月21日
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財政と金融の法
財政と金融の法
本講義では、現代の財政が直面する諸課題を、法学の観点から検討します。その際、財政と金融(さらには貨幣)の密接な関係に特に注意が払われます。財政と金融の強い結びつきは古くから認識され、例えば「財政」に対応する西欧語(public finance, finances publiques, Finanzen)にその痕跡をみることができますが、現代の管理通貨制とグローバル経済の下で、両者の関係はさらに複雑な様相を示しています。例えば、金融危機やパンデミックへの対応として、中央銀行が大規模な金融緩和政策を継続し、巨額の国債を保有するに至った状況をわれわれはどう理解すべきでしょうか。あるいは「通貨発行権を有する主権国家は、自らそれを望まない限り自国通貨建ての国債の債務不履行に陥ることはない」という言明は、資本移動がグローバル化したといわれる時代において、何を意味するのでしょうか。こうした財政と金融の複合的な問題については、マクロ経済学・ファイナンス理論・政治学・社会学など様々な学問分野からの考察が試みられていますが、国家と経済社会の基本構造に関わる問題である以上、法学もその一翼を担う必要があります。本講義は、そのような新たな課題に取り組む財政法学の現時点での到達点と課題をわかりやすく示し、受講者が現代財政の諸課題を法学的観点からも論じられる能力を獲得できることを目的とします。
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