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最終更新日:2026年10月16日

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公共哲学と法

権利の公共哲学
 法哲学は、法に適った状態とは何か、その状態に向けて法制度は何をなしうるかを探究する。法哲学が現在精力的に探究する諸問題のうち、この授業では、「現代権利論」を扱う。具体的には、「人はいかなる道徳的権利を持つか」、そして「権利侵害に直面したとき、それを守るためにいかなる抵抗が正当化されるか」という問いを検討する。

 この問いを検討するために、Christopher Heath Wellmanの最新著作 Rights and Resistance (OUP, 2025)を主テクストとする。著者は、現代米国の法哲学・政治哲学を牽引する研究者であり、刑罰の権利喪失説(刑罰が正当化されるのは、犯罪によって犯罪者が権利を喪失するからである)や、国家の移民制限論(結社の自由によって国家は移民を排除する権利を持つ)でよく知られている。本書は、正当防衛はなぜ許されるのか、国家が権利を侵害しようとするとき暴力による抵抗は許されるか、国家は移民を排除する権利を持つか、人はいかなる根拠で土地を占有する権利を持つか、土地を追われた人は帰還する権利を持つか、受刑者を軍事利用することは許されるか、といった具体的な問い・ケースを扱うことで、一貫した権利論を提示しようとしている。

 本書を素材とした講読と議論を通じて、人はいかなる権利を持つのか(権利の内容)、権利が衝突するときにいかなる調整を行うべきか(権利の衝突)といった問いについて、一貫した指針を構築していくことが(法哲学)、この授業の目的である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
5121050
GPP-MP6L20L1
公共哲学と法
瀧川 裕英
A1 A2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
公共政策学教育部
授業計画
第1回 序論:現代権利論の課題 Wellman 2025のIntroductrionに即して、現代権利論の課題について概観する。 第2回 抵抗する権利 抵抗権の諸課題を検討する。Wellman 2025の第1章を扱う。 第3回 正当防衛論 他者から攻撃されたときにいつ退却しなければならないか、いつ留まってよいかを検討する。Wellman 2025の第2章を扱う。 第4回 権利侵害に抵抗する権利 全体の利益に反してでも権利を守るべきか否かを検討する。Wellman 2025の第3章を扱う。 第5回 排除する権利 国家の排除する権利を検討する。Wellman 2025の第4章を扱う。 第6回 受刑者の権利 受刑者を戦争に動員することの是非を検討する。Wellman 2025の第5章を扱う。 第7回 占有する権利と帰還する権利 土地を専有する権利と帰還する権利を検討する。Wellman 2025の第6章を扱う。 第8回 政治的正統性と領有権 国家が自国領域に対して持つ権利を検討する。Wellman 2025の第7章を扱う。 第9回 正義と正統性の間 国家は正義に適っていないとしても正統性を持つという主張を検討する。Wellman 2025の第8章を扱う。 第10回 分離独立 先住民族の分離独立する権利を検討する。Wellman 2025の第9章を扱う。 第11回 革命の権利 国民には革命を起こす権利があるか、外国政府はそれを支援してよいかを検討する。Wellman 2025の第10 章を扱う。 第12回 権利と抵抗(1) 以上の検討を通じて浮かび上がってくる現代権利論の課題を、国家の内部からの抵抗を中心に検討する。 第13回 権利と抵抗(2) 以上の検討を通じて浮かび上がってくる現代権利論の課題を、国家の外部からの抵抗を中心に検討する。 第12回~第13回については、参加者の関心に即して適宜変更することがありうる。
授業の方法
担当者には、報告の8日前にレジュメを作成して配布してもらう。 他の参加者は、事前にテクストとレジュメに⽬を通しておく。 授業当日は、テクストの内容を確認した後、全員参加の議論を行う。
成績評価方法
筆記試験を行わない 平常点を考慮する レポートを課す 成績をA+・A・B・C+・C-・Fで評価する (レポート50%、平常点50%)
履修上の注意
英文テクストを利用するので、一定の英語読解能力が必要になる。