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最終更新日:2024年10月18日

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民事法の基層と現代的課題

民事法の基層と現代的課題
 民法、商法、民事訴訟法を中心とする私法分野を「政策論」として分析するための考え方・実際の分析方法を身に着けることを本授業の目標とする。
 私法領域は非常に広く、民法だけで法学部の授業単位数で16単位、商法は12単位、民事訴訟法は倒産法も含めれば12単位もあり、さらに関連する法分野として消費者法等も含めればその範囲は膨大となるため、コンテンツを網羅的に扱うことはしない。
 本授業では、近時の私法分野の法改正を対象に、改正目的と実際の改正内容に照らして、その目的を達成しているのか、それを実証的に分析するにはどのようなデータを集めればよいのか、検討を行う。
 この授業は政策分析のための「準備」に当たる部分を担当するのであって、実際にデータを集めて実証分析をするわけではないので受講の差異には留意してほしい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
5111010
GPP-MP5L10L1
民事法の基層と現代的課題
得津 晶
S1 S2
水曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
公共政策学教育部
授業計画
第1回:公共政策大学院で私法を学ぶ意味(参考書欄に掲げた拙稿のダイジェスト) 第2回:2019年民法(所有者不明土地)改正 第3回:2017年民法改正(いわゆる債権法改正)1―消滅時効 第4回:2017年民法改正(いわゆる債権法改正)2―定型約款 第5回:2017年民法改正(いわゆる債権法改正)3―債務不履行法 第6回:2014年会社法改正1―監査等委員会設置会社 第7回:2014年会社法改正2―多重代表訴訟制度 第8回:2019年会社法改正1―社外取締役の設置強制 第9回:2019年会社法改正2―株主提案権の制限 第10回:2019年会社法改正3―取締役の報酬 第11回:2018年民法(相続法)改正―生存配偶者の保護(配偶者居住権) 第12回:2019年民法(特別養子制度)改正 第13回:2022年民事訴訟法改正(民事訴訟手続のIT化)
授業の方法
 初回にガイダンスとして拙稿を基に、なぜ法学部の偉そうにしている、いや、大事とされている民法その他の民事法科目が「政策分析」になじみにくいのか、それでも政策分析をするにはどのようにすればよいのかのレクチャーを行う。  その後は個別の法改正を扱う。まず、予習課題としてなるべくわかりやすい改正資料を用いて改正法の内容を理解してもらう。そのうえで、授業の前半で、法改正の内容(改正前の法状況と改正後の法状況)および法改正の目的を講師が再度紹介する。そして、授業の後半では、このような改正の目的が適切なものか、そして(あるべき)改正の目的に照らして実際になされた法改正が適切だったといえるか、法改正による実際の影響はどのようなデータを集めれば測定できるかについてディスカッションを行う。  なお、公共政策大学院の初年度科目であることを考え、学生間のネットワーキングのために授業内でグループディスカッションも毎回行うことを考えているので、受講生には積極的にコミュニケーションをとる覚悟で参加していただきたい。
成績評価方法
・レポート:80%   (受講生が25名を超えたらレポートではなく筆記試験に変更とする場合がある) ・ディスカッション:20%
教科書
指定しない 毎回、取扱い個別の法改正の内容を理解するのに適した文献を指定する予定である。受講生はその文献を読んできてもらう。
参考書
適宜読むべき資料は授業で指示する。 ・得津晶「カオナシの民法学:公共政策大学院で『民法』を学ぶ意義」東北ローレビュー7号138-188頁(https://cir.nii.ac.jp/*****) その他法改正に関する資料として(決して購入する必要はない) ・筒井健夫=村松秀樹『一問一答 民法(債権関係)改正』(商事法務・2018) ・堂薗幹一郎=野口宣大編著『一問一答 新しい相続法〔第2版〕――平成30年民法等(相続法)改正、遺言書保管法の解説』(商事法務・2020) ・山口敦士=倉重龍輔編著『一問一答 令和元年民法等改正――特別養子制度の見直し』(商事法務・2020) ・村松秀樹=大谷太編著『Q&A令和3年改正民法・改正不登法・相続土地国庫帰属法』 (きんざい・2022) ・相澤哲『一問一答 新・会社法』(商事法務・2009) ・坂本三郎編著『一問一答 平成26年改正会社法〔第2版〕』(商事法務・2015) ・竹林俊憲編著『一問一答 令和元年改正会社法』(商事法務・2020) ・松井信憲=大野晃宏編著『一問一答 平成30年商法改正』(商事法務・2018)
履修上の注意
グループディスカッションがあるため、積極的に意見を交換する態度を用意してきてほしい。