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最終更新日:2024年10月1日

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科学技術社会論

科学技術社会論入門
【授業の目標】
 科学技術社会論(Science, Technology, & Society)の学術的な基礎や事例に触れ、科学技術と社会の間で生じる諸課題について、自身で考えてみる。
【授業の概要】
 現代社会には科学技術を抜きには考えられない課題群がある一方で、科学や技術の知だけでも解決できない社会の諸側面の課題が多くある。そうした課題は、環境問題、医療、災害、人工知能関連技術の発展、新型コロナウィルスの流行、格差や差別、デュアルユースなど、さまざまな場面で立ち現れる。
科学技術社会論は、科学や技術と社会との界面において生じる事象や問題を、社会学、文化人類学、歴史学、哲学、政治学、経済学および科学計量学、科学技術政策論などのアプローチを用いて探求する分野である。科学技術社会論の扱う課題群には、必ずしも答えがないけれども現実的に対処しなければならないものが多くある。なかには、時間やコストの制約によって課題解決や意思決定のために適切な専門知を得ることが難しい場合や、専門知が存在しても社会的判断に論争がある場合もある。議論や対話を続けること自体に意義があるもの、さらには問いの枠組みや前提自体を問う必要のあるものもある。また、近年では、ソーシャルメディアの普及のように過去にはなかった要素も出現している。
 本科目では、科学技術社会論におけるさまざまな事例を通して、科学的合理性と社会的合理性、「固い」科学観や作動中の科学、科学者の社会的責任、科学的助言、科学と社会、信頼、科学コミュニケーション、法と科学、事前警戒原則などのテーマを扱う。授業の中で、科学技術社会論のものの見方に触れ、物事を所与のものとせずに健全な懐疑や多角的視点をもって自身で考えてみることが期待される。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
50297
CAS-GC1D71L1
科学技術社会論
福本 江利子
A1 A2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
基本的に下記のテーマに沿って授業を実施します。 進度その他の状況に応じて多少変更する場合もあります。 初回の授業は10/8(火)にZoomで実施 UTOL(UTokyo LMS)にURL掲載予定 1.ガイダンス 科学技術社会論とは? 2.新型コロナウィルス 3.水俣病、イタイイタイ病 4.薬害エイズ 5.カンブリアの羊 6.BSE 7.原子力、福島第一原発事故 8.科学技術とジェンダー 9.情報と社会、AIと社会 10.科学についてのコミュニケーションと市民参加 11.授業で扱った概念や理論のまとめ(作動中の科学、科学的合理性と社会的合理性など) 12.科学における「役に立たない研究」と「眠れる美女」を考える 13.未来を形づくる:ELSIとRRI 【教科書・参考書】 教科書は指定しません。主に下記の参考書や論文、新聞記事の中から読書案内を順次指示します。無料のオンラインアクセスがあるものをできる限り優先します。(詳しくは、第1回のガイダンス) ・塚原東吾ほか編著(2022)『よくわかる現代科学技術史・STS』ミネルヴァ書房 ・藤垣裕子責任編集(2020)『科学技術社会論の挑戦1 科学技術社会論とは何か』『科学技術社会論の挑戦2 科学技術と社会―具体的課題群』『科学技術社会論の挑戦3 「つなぐ」「こえる」「動く」の方法論』東京大学出版会 ・藤垣裕子(2018)『科学者の社会的責任』岩波書店 ・藤垣裕子編著(2005)『科学技術社会論の技法』東京大学出版会 ・藤垣裕子(2003)『専門知と公共性 科学技術社会論の構築へ向けて』東京大学出版会
授業の方法
・第1回は、Zoomでのオンライン講義です。UTOL(UTokyo LMS)にURL掲載予定 ・各自が選んだ特定の事象や問題について科学技術社会論の見方を参照しつつ考察し、最終課題レポートとして提出してもらいます。 ・各回の講義時間は90分程度にとどめ、各回の授業後に短い質問やコメントを提出してもらうことで出席を確認する予定です。
成績評価方法
レポート70%、平常点30%
履修上の注意
本授業では、科学技術社会論のさまざまな事例を概観し、ものの見方を考えます。科学技術と社会との関係を扱う授業として、いわゆる理系と文系、そして将来の専門やキャリアの選択にかかわらず、さまざまな方の履修を歓迎します。