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最終更新日:2024年4月22日

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東洋思想史

宋代学術思想の諸相
中国学術思想の大きな流れを学ぶことにより、近代に至るまで日本を含む東アジア全体に多様な影響力を及ぼしていた中国文化の特質が理解できるようになるのが目標である。
 しかし、講義時間の制約もあり中国思想の全体を詳細に論ずることは不可能なので、中国思想史の概略を把握した後、特に宋代士大夫の学術思想の在り方の理解を深める。というのも、宋代学術・文化は中国のみならず朝鮮半島や日本、東南アジアに於いて各文化に受容され、その一部となって現代まで生きていると言えるからである。
 宋代はその後の思想界に多大な影響を与えることになった程朱学(二程子・朱熹の学問)が起こり、漢・唐の訓詁学から新儒学への画期をなす時代と考えられる。そして、南宋・朱熹の学術が後に「朱子学」に再構成され、近代に至るまで中国のみならず朝鮮王朝や江戸期の日本に少なからぬ役割を果たしてきた(従ってそれ以降は前近代的なものとして批判された)ことはよく知られている。しかし、宋代の学術は程朱学の系統だけでなく、それに属さない士大夫達も独自の思索を試み、豊かな成果を残していることは、あまり問題とされない。
 そこで、本講義では、宋代知識人の学的基礎を解明する試みの一つとして、儒教経典の学問「経学」や士大夫に好まれた道家思想(及び道教)のテクスト等がどのように読まれていたのかについて理解すべく、具体的な資料を読解する作業も行い、受講者が宋代学術の諸相に関して深く考察する機会とする。また、学術思想を中心とするが、より広範な文化―芸術や飲食―と士大夫との関係についても情報を提供し、幅広く古典中国文化の理解を深める。
 加えて、資料読解のための工具書に関する知識を得、漢文資料読解の復習ができるようにする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
50271
CAS-GC1A51L1
東洋思想史
田中 正樹
A1 A2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
1.中国思想とは何か。 2.中国思想史概略 3.宋代士大夫とその学術(1):経学―『易経』を例に 4.宋代士大夫とその学術(2):注疏学―『易』注について 5.宋代士大夫とその学術(3):程頤・朱熹の『易』注 6.宋代士大夫とその学術(4):『易注』の多様性 7.宋代士大夫の文化と生活(1):芸術 8.宋代士大夫の文化と生活(2):茶 9.宋代士大夫とその学術(5):士大夫と『老子』注 10. 宋代士大夫とその学術(6):『老子注』の多様性 11. 宋代士大夫とその学術(7):朱熹と『論語』 12. 宋代士大夫とその学術(8):『論語』解釈の多様性 13. まとめ
授業の方法
講義(原資料を読解しながら授業を行うので、事前に「漢文」資料を読んでおくことが望ましい。)
成績評価方法
出席とレポート
履修上の注意
 高等学校の世界史程度の知識でよいので、中国史の流れを一度復習しておくと理解しやすい。また、必要があれば『中国思想史』、『儒教史』等の参考書を手元においておくと理解が深まる。