学部前期課程
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最終更新日:2024年4月22日

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倫理Ⅱ

死をめぐる生命倫理
 本シラバスを入力している2021年7月31日現在、日本は新型コロナウイルス感染症の猛威の渦中にある。既に1年半に及び行方も不明なコロナ禍にあって、最も軽視されているのは人々の「死」であるように思われる。日本でも既に1万5千人以上の者が死亡しており、そこには1万5千以上の悲しみがあるにもかかわらずである。しかし、顧みれば、こうした死の軽視は今に始まったことではなく、脳死や安楽死・尊厳死の推進政策の延長線上での事態ではあるまいか。
 そこで本講義では、現況の基点をなす脳死と安楽死・尊厳死の問題を主題として、死について倫理的かつ多角的に考える。そして講義の終盤では、レベルを一段上げて、M.フーコーやG.アガンベンが論じた「生権力」と「死権力」の問題を扱い、さらに「人間の尊厳」について考察する。
 脳死と安楽死・尊厳死はもとより、死そのものに関して、自分の倫理的思考を錬磨することを目指す。そして、それを通じて、そもそも「倫理」とは何かを省みることを大目標とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
50126
CAS-FC1722L1
倫理Ⅱ
小松 美彦
A1 A2
月曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
概ね以下の流れで進める予定である(あくまでも予定で少々変更する可能性はある) 1   ガイダンス 2   授業における基本精神の確認(批判的思考・批判的感性)  3   倫理とは何か、生命倫理とは何か 4   生命倫理の誕生の歴史的背景(ナチスと731部隊) 5〜7  脳死・臓器移植 8〜11 安楽死・尊厳死 12   生権力と死 13   人間の尊厳とは何か、再び倫理とは何か 
授業の方法
講義形式をとる。 本シラバスを入力している7月31日現在では、すべてZoomで行う予定である。
成績評価方法
開講時(ガイダンス時)に課す「授業アンケート」の提出を条件として、期末レポートで評価する。授業内の質疑応答で優れた回答は加味する。
履修上の注意
・授業は1回ごとに完結させる予定であるが、回を追うごとに掘り下げ、全体として体系化される。したがって、本講義に出ると決めたなら、毎回かならず出席すること。 ・自分の理性と感性をフル動員して講義に臨むこと。