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リスクコミュニケーション Ⅱ

福島学概論Ⅱ
・概要
本講義では、東日本大震災・原子力災害=「3.11」の被災地である福島について、俯瞰的、網羅的にその現状、歴史、将来像について、学際的に学ぶ。

・背景と目標
3.11は世界史的事件であるが、それについての専門知の蓄積の体系化は不十分かつ喫緊の課題であり、その整備と一定の専門知を共有する幅広い人材が育つことが、早急に、中長期的に求められている。例えば、福島については国内外問わず、いまだに社会的・科学的な誤情報が溢れ、合意形成・意思決定が必要な具体的課題も山積し、その検証と教訓の伝承の体制も整備されているとは言い難い。無論、特定の領域、例えば原子力工学であったり放射線防護学であったりといった一部の自然科学分野には2011年から現在にいたるまで広く深い専門知の知見の蓄積がなされてきたことは間違いない。ただし、それが専門家・実務家コミュニティの中にとどまっていること、それ故に解決しない問題が棚上げされ続けてきていることも間違いない。「専門家・実務家のうちわの話」を「社会で広く共有された話」にすること、言い換えるならば、専門知のタテ糸をつなぎ構造化し拡張するヨコ糸がいまこそ必要であり、そのヨコ糸の一つとなるのが、俯瞰的、網羅的に全体像を把握しようとする人文・社会科学的な知見であり、本講義は、その「知見」を可能な限り必要十分なだけ得る機会をつくることを目指す。3.11後の福島を理解し、今後を構想する上での(座学で学べる)前提知識を、必要十分なだけ得ようとする者にとって、世界の高等教育機関で最高峰の教育を受ける場としたい。(と言ってしまうと、何を大げさに、大風呂敷を拡げているのかと思われるだろうが、「専門家・実務家のうちわの話」を超えた3.11後の福島についての教育の場は、国外はもちろん国内においても高等教育機関に現在にいたるまで存在していない現実があるので、決して突飛な話をしているわけでもない。)

・得られる知識
本講義及び、関連する講義を消化すれば、3.11後の福島について、その複雑で、過度に政治的・科学的に混乱した情報に惑わされることなく、事実を把握し、将来を構想する上で必要な情報を自ら生産できるようになる。

・事前知識はどれだけ必要?
本講義は福島についてはもちろん、災害やそれに関する人文・社会科学領域の諸学問(社会学・社会心理学等)をこれまで全く学ぶ機会が無かった受講者を歓迎する。「福島について、災害について、全く知識が無い」という状態でOKである。ただし、「福島について、災害について学びたい」という興味と意欲は必要であることは改めて言うまでもない。
上記の通り、そもそも福島について人文・社会科学的な立ち位置から正確な知識、具体的な現場での調査や実践(被災地域、関係省庁等で起こっていることの網羅的な把握)に基づいた内容を、体系的に学ぶ機会自体が極めて限られている現実がある。本講義が扱うのは、そんなテーマ・領域であり、そもそも研究者自体の需給バランスも偏りまくっている分野であるので、全くの初学者であっても問題はなく、その前提で講義を進める。

・何のメリットがあるのか?
最大のメリットは、いま、このテーマ・領域について学んでおけば、一気に最先端の世界的研究ができる、世界有数の研究者・実践者になれるかもしれないということにある。それも上記の通り、研究者自体の需給バランスが偏っている故だ。
3.11後の福島には20-30代の若手の研究医が集まって研究成果を量産してきた事実や、高校生が理科の学習の延長で福島県内の放射線の実情について研究をまとめて国際専門誌に投稿して査読論文が掲載されてきた事実がある。福島についての科学的に正確で重要な知見がまだ足りず、若手であろうと、学習歴・研究歴が浅くても、意欲・実力があれば何のしがらみもなく、世界的研究成果として評価される前提があるからだ。つまり、人類にとっての世界史的経験についての第一人者になれる。社会もその人材を求めている。こんなテーマ・領域は他にはない。

・とは言え、ニッチすぎる領域では?
たしかに、「福島」も「原子力災害」も、ニッチすぎて、その後に応用が効かない、研究テーマとしては、コスパが悪いと思うかもしれない。だが、これも違う。
例えば、上記の若手医師たちは、いかにも医学的な論文、放射線についての論文を書いているわけではない。そうではなく、地域コミュニティや社会的包摂・排除、住民とのコミュニケーションなどがそのテーマになっている。
福島については興味がなくても、少子高齢化や医療・福祉システムの危機、DXとコミュニケーションなどに興味がある人は多いだろう。あるいは、原子力災害に特段の興味はなくても、他の災害であったり、新型コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の中に見える情報の混乱、フェイクニュースや社会的合意形成・意思決定に興味がある人は多いだろう。
福島について学ぶことは、そういった広い関心への興味を満たす受け皿になる。そこには生々しく最先端のケーススタディが詰まっている。この応用可能性を前提にすれば、文理、領域、方法論を問わず学ぶ価値があると考えられるし、そのような意欲にも答えられるよう講義を進める。

・「リスクコミュニケーション」と「福島学概論」の関係は?
ここまで述べてきた通り、福島についての専門知をつなぐヨコ糸を通すことが本講義の目的であり、それは広い意味でのリスクコミュニケーションの理論的・実践的な最先端の知見に直接つながっている。かつてであればBSE問題、最近であればコロナ禍、あるいは、CBRNE災害など世界が直面する新たな危機について、リスクコミュニケーションのあり方についての研究は様々に蓄積されてきた。リスクコミュニケーションについては、机上の空論ではなく、具体的な事例に基づいた血の滲むような実践の上に確立された知見を学ぶことが重要であり、それについてより幅広く学術的に学ぶ講義等は、学際情報学府はじめ、他研究科等でも存在するので、そういった講義と合わせて受講することももちろん良いだろう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
4990492
リスクコミュニケーション Ⅱ
開沼 博
S2
月曜5限、月曜6限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
学際情報学府
授業計画
リスクコミュニケーションI(S1)開沼:4/17 5/1 15 29  リスクコミュニケーションI(S2)開沼:6/12 26 7/10 なお、月曜日の本講義を実施しない隔週で関谷・開沼の災害情報論が開講される。同時に履修されることを強く推奨する
授業の方法
ハイブリッドを基本として、状況に応じてリアル主体かオンラインのみでの実施もありえるが、受講生の都合も考慮する。 ・5限にレクチャー、6限に受講者からのコメントを元にしたディスカッションを実施する いずれも、履修学生は、授業に参加し、討論に参加することが求められる。 なお、ボードゲームを活用して避難・復興まちづくり・廃炉について学ぶワークショップも実施する予定だが、コロナ禍の状況を見極めつつ時期を設定したい。
成績評価方法
・講義における発表、討論への参加で評価する。
教科書
『はじめての福島学』『福島第一原発廃炉図鑑』などを適宜指示する
参考書
適宜指示する
履修上の注意
授業に参加すること。 ・学府学生以外の聴講も歓迎する。 ・本授業はオンライン授業(リアルタイム配信、対面なし)を原則とし、対面で講義に参加したい人は対面で実施とする。 ・リスクコミュニケーションIA、IIAは原則、継続して履修すること。 ・本講義を実施しない隔週で開講される関谷・開沼の災害情報論I、IIも、同時に履修されることを強く推奨する。 ・コロナ禍の状況を見極めつつ、福島での現地フィールドワーク型授業も開催する予定であり、そちらも参加されることを強く推奨する。