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最終更新日:2025年4月21日

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歴史情報論

歴史学は情報をどのように扱ってきたか
「歴史情報論(学)」とは何か。ひとつには、歴史資料をおもにオンラインデータベースなどで公共に向けてサービスする手法のための技術論という見方がある。有効な情報抽出のためのメタデータ設定や、情報抽出方法、可視化の方法、そして権利問題が論じられる。一方で、こうした営みすでに数十年の歴史をもっているから、これを歴史的に論じるということもあろう。しかしこの授業は、歴史学のうち、特に日本史学の立場から「情報」がどのように論じられてきたを考える。その場合、歴史資料から情報を抽出するための方法論という視点がある。具体的には史料論(古文書学・資料管理学など)もあろうが、1990年代以降に、研究分野として登場する「情報史」について、その成果を通して、学説的な特徴や意義を考えたい。と同時にそれを通して、一部ではあれ過去の人々が情報をいかに伝達し記録したかの事実を学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
4914080
GII-CS6310L1
歴史情報論
遠藤 基郎
A1 A2
月曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
学際情報学府
授業計画
対象は日本中世史での情報論に絞り込む。代表的な論者である西岡芳文と酒井紀美の文献講読と、それを素材にした討論を行う。 初回にガイダンスを行い、第2回以降は下記「教科書」に掲出した西岡と酒井の文献を順次講読し、最終回には、たとえば日本中世史分野での情報史の扱いについて、他の学術分野での比較でその特徴や問題点を討論する。
授業の方法
各回毎に講読範囲を定め、その内容をまとめるレポーターを割り当てる。レポーターは専門用語など不明箇所が極力ないように事前に下調べを行うこと。参加者はテキスト内容の疑問点を出し、レポーター及び講師がそれについての回答をすることで、テキストの内容理解を深める。さらに、テキストの論点について、フリートークを行う。
成績評価方法
通常授業でのレポーターとしての発表および討論での発言。 期末に授業内容に則して課題を示すので、それへのレポート。
教科書
西岡芳文1991年「情報史の構図」『歴史学研究』625 1998年「日本中世の〈情報〉と〈知識〉」『歴史学研究』716 2000年「中世社会とことば」『歴史評論』594 2000年「情報伝達の方法」『今日の古文書学 3 中世』石井正敏他編、雄山閣出版 酒井紀美1997年『中世のうわさ』吉川弘文館 *新装版2020年
参考書
小島道裕『中世の古文書入門』河出書房、2016年 近藤成一『岩波新書 シリーズ日本中世史 2 鎌倉幕府と朝廷―シリーズ日本中世史〈2〉』2016年 桜井英治『室町人の精神 日本の歴史12』 講談社学術文庫 2009年 法隆寺編『法隆寺史 上 古代・中世』思文閣出版 2018年 横井清『室町時代の一皇族の生涯 『看聞日記』の世界』講談社学術文庫 2002年 酒井紀美『教覚』人物叢書、吉川弘文館 2020年 安田次郎『尋尊』人物叢書、吉川弘文館 2021年 『三重県史 通史編 中世』三重県 『相生市史 第2巻』相生市 他、授業中に指定する。
履修上の注意
授業・テキストは日本語である。 最低でも中学社会科履修程度の前近代日本史の理解は必要である。
その他
履修者数に応じて教室変更を行うので注意すること