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最終更新日:2026年4月20日

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メディア社会学II

方法としてのメディア論
 本講義の目的は、メディア・技術と人びとの活動・実践とのかかわりについて、経験的に研究を遂行していくための方法論を考察することである。講義は、以下のように、【1】指定テクスト購読、および【2】参加者自身の論文(草稿)――メディアや技術、コミュニケーションに関連する学術研究――の検討を中心に進めていく。

【1】「メディア論」のテクスト購読
 メディア・技術と人びとの実践、あるいは社会との関係について、「メディア論」と(日本語圏で)呼ばれる知的領域は、様々な知見を提示してきた。本講義では「メディア論」的と呼びうるような論理構成を持つテクストを、
①そのテクストが何について(対象)、
②どのような資料・データに基づいて(データ)、
③どのような方法意識をもって人びととメディアとの関係性を記述し(記述の方法)、
④①~③を通してどのような「社会学的」な知見を導入しているか(社会学的含意)、
という点に留意して購読・議論する。

 「メディア論」と呼ばれる知的方法において分析の対象となってきたのは、いわゆるマスメディアや情報メディアに限られない。日本における「メディア論」の重要な機縁となった加藤秀俊・前田愛『明治メディア考』では――マーシャル・マクルーハンのUnderstanding Media同様――新聞から文具、博覧会、建築に至るまできわめて多様なものが、人びとの社会的生を成り立たしめるメディアとして捉えられていた。本講義では、まず、一見「メディア」と見えない対象を、人びとの社会的実践を組織化するメディアとして捉えるさいの「対象選択」の原理を確認する(①)。続いて、テクストが、その対象を分析する際に、どのような資料・史料に基づいて議論を組み立てているかを精査し(②)、そのデータに基づいて、人びととメディアの関係性をどのような「メディア観(メディアとは何かということに関する明示的・暗示的な理論)」「コミュニケーション観(伝達や理解をどのように捉えているか)」「共同性・社会観(メディアによって達成される集合性をどのように捉えているか)」(③④)を考察する。

 参加者には、事前にテクストを精読し、①②③④の論点にそくしてレポートを作成し、講義前週の金曜日までに提出することが求められる。具体的なレポートの書き方、様式については初回講義の際に指示する。

【2】講義参加者の論稿の検討
 メディア・技術・コミュニケーションに関連する講義参加者自身の論稿をとりあげ、協働的に検討する。その際も、【1】と同じく、参加者には上記①~④の観点に留意した「コメント」を用意することが求められる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
4914071
GII-CS6309L1
メディア社会学II
北田 暁大
A1 A2
水曜2限
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講義使用言語
日本語、英語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
学際情報学府
授業計画
第1回 ガイダンス ・講義の趣旨と進め方、前半期購読テクスト主担当、個別発表者の決定 ・レポートの作成手順 第2回 「メディア論」の生成――文学研究とメディア論① ・前田愛『近代読者の誕生』(岩波現代文庫、2001年) 第3回 「メディア論」の生成――文学研究とメディア論② ・ウォルター・オング『声の文化と文字の文化』(桜井直文・林正寛・糟谷啓介訳、藤原書店、普及版2025年) 第4回 個別発表 第5回 方法としてのメディア論――「社会」を見る① ・佐藤健二『読書空間の近代 方法としての柳田国男』(弘文堂、1987年) 第6回 個別発表 第7回 方法としてのメディア論――「社会」を見る② ・吉見俊哉『博覧会の政治学』(中公新書、1992年) 第8回 個別発表 第9回 経験の媒介性――身体とテクノロジー① ・ルーシー・サッチマン『プランと状況的行為 人間-機械コミュニケーションの可能性』(佐伯胖他訳、1999年) ・Lee, R. M. (2011). "The most important technique ...": Carl rogers, hawthorne, and the rise and fall of nondirective interviewing in sociology. Journal of the History of the Behavioral Sciences, 47(2),  *参加者と相談の上、いずれかの文献を購読対象とする。 第10回 個別発表 第11回 経験の媒介性――身体とテクノロジー② ・長谷正人『映画というテクノロジー経験』(青弓社、2010年) 第12回 個別発表 第13回 総括――メディア論のメディア論 ・参考文献 : 『社会は情報化の夢を見る “新世紀版”ノイマンの夢・近代の欲望』(河出文庫、2010年) *参加者と相談の上、指定文献の発表順を変更することがある。
授業の方法
・ディスカッションを基本とする。 ・講義参加者は、講義前週の金曜日までに、指定購読テクストについてのレポート、あるいは個別発表に対するコメントを、指定された場所にアップロードする。 ・テクスト購読担当者は、指定文献について、「授業の目標、概要」にある①~④の論点に留意したプレゼンテーション資料を作成し、20分程度で発表する。 ・個別論稿発表者は、発表前週の月曜日までに論稿もしくは発表資料を指定された場所にアップロードし、担当日に30分程度で発表する。
成績評価方法
①最低8回以上の出席(7回以下の場合、評価の対象外とする) ②最低一回の指定文献担当もしくは個人発表 ③文献レポート、コメント  *①を満たした場合のみ、②③によって評価・採点を行う。
履修上の注意
・指定文献・論稿を精読し、事前にレポート・コメントを提出すること ・文献・論稿によっては読むのに時間を要するものもあるので、参加予定者は開講前にいくつかの指定文献に目を通しておくことが望ましい。 ・講義に先立ち、大久保遼『これからのメディア論』 (有斐閣 、2023年)を読んでおくことが望ましい。
その他
・初回のガイダンスのみオンラインで開催いたします。 ・特段の事情がない限り、オフラインでの開催を基本とします。