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最終更新日:2024年4月22日

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適応進化遺伝学

適応進化遺伝学
進化遺伝学(evolutionary genetics)とは集団内及び種内の遺伝的多様性(多型性)を定量・解析する集団遺伝学(population genetics)と種間の遺伝的多様性(相違性)を定量・解析する分子進化学(molecular evolution)の総称である。生物種内及び種間の遺伝子の多様性がどのようにして産み出されるのか(進化の機構)、そしてそれに基づき種内や種間の系統関係はどのようにしたら明らかにできるか(進化の歴史)を研究することが進化遺伝学の目的である。本講義はまず遺伝子頻度、自然選択、遺伝的浮動などの集団遺伝学的基礎概念及び塩基置換、遺伝子系統樹、中立説といった分子進化学的基礎概念について紹介し、それらの基本的な知の体系に基づいて適応進化を同定・検出する方法とその限界について解説する。これらを踏まえ今後の進化遺伝学研究の方向性について検討する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
47140-21J
GFS-IB6A11L2
適応進化遺伝学
河村 正二
A1 A2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
新領域創成科学研究科
授業計画
具体的な講義項目は以下の通り 1. 進化遺伝学序論:生命の進化史、大陸移動、絶滅、偶然と必然 2. 集団遺伝学 I(遺伝的多様性と自然選択):遺伝的変異、遺伝子頻度、自然選択 3. 集団遺伝学 II(遺伝的浮動):遺伝的浮動、集団分化、コアレッセンス、浮動-突然変異平衡 4. 集団遺伝学 III(塩基配列の集団データ):塩基配列データ、塩基多様度、コアレッセンスシミュレーションと最尤推定、Tajima's D test、連鎖不平衡 5. 分子進化学 I(塩基置換):塩基置換、分子進化速度 6. 分子進化学 II(系統樹):進化距離、系統樹作製上の留意点 7. 中立説:遺伝的変異と遺伝子進化の標準帰無モデル 8. 適応進化:種内多型、種間相違、種内対種間変異、同義対非同義塩基置換、収斂進化、適応進化検出の限界、適応進化vs機能進化 9. 進化遺伝学の今後:機能部位の予測と検証、遺伝子相互作用システムの進化
授業の方法
自作テキストに沿った解説形式(スライド)
成績評価方法
各時限ごとの小テストによる出欠確認と評価
教科書
自作のテキストを配布 前回2019年度版を改訂
参考書
・A Primer of Population Genetics, 3rd ed. D.L. Hartl, Sinauer Publishers (2000) ・Principle of Population Genetics, 4th ed., D.L. Hartl and A.G. Clark, Sinauer Publishers (2007) ・Molecular Evolution and Phylogenetics, M. Nei and S. Kumar, Oxford University Press (2000) ・Molecular Evolution, W.-H. Li, Sinauer Publishers (1997) ・分子進化遺伝学、根井正利(五條堀孝・斎藤成也訳)、培風館 (1990) ・分子進化の中立説、木村資生(向井輝美・日下部真一訳)、紀伊国屋書店 (1986) ・生物進化を考える、木村資生、岩波新書 (1988) ・種の起源(上)(下)、チャールズ ダーウィン(八杉龍一訳)、岩波文庫
履修上の注意
1. 遅刻厳禁(講義の妨げになります。大事な導入を逃します。) 2. 私語厳禁 3. 質問歓迎(理解に助けになることなら) 4. パソコンや携帯は、講義に関係する検索等に使用するのなら持ち込み可。メールのチェックやネットサーフィンやゲームをするなら二度と持ち込み不可