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最終更新日:2024年10月18日

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統計財務保険特論I

デリバティブの価格付け理論 (Derivative Pricing theory)
銀行や証券会社などの金融機関では、デリバティブと呼ばれる金融商品が取り扱われている。これらの商品の妥当な価格は、それに関連する株価や為替、金利などの市場変動に確率モデルを仮定することで、算出されている。
本講義ではまず、ポートフォリオ,デリバティブ等の金融用語の説明をはじめ,ファイナンスにおける基本的事項について解説する.そのうえで、デリバティブ価格を求めるための確率モデルが満たすべき性質、価格導出の原理などを考察する。これにより、新しい金融商品を考案したり、それを評価するための確率モデルを立て、価格を導出する上で必要となる基本事項を習得することを目標とする。
なお、デリバティブの価格付けの原理を理解することを主目的とするため,離散時間モデルにおける説明を丁寧に行い,連続時間モデルについてはモデルの考え方の説明と主たる結果の紹介にとどめる.
Financial institutions such as banks and securities companies handle financial products called derivatives. Reasonable prices for these products are obtained by assuming a stochastic model for market fluctuations in underlying asset prices.
In this lecture, after explaining the basic matters in finance, we will explain the properties that should be satisfied by the stochastic model for obtaining the price of derivatives and the principle of price derivation.
The purpose of this lecture is to correctly understand the principle of pricing. The theorems are carefully proved in the framework of the discrete-time model which is easy to understand.
For the continuous-time model, we omit the detailed proof and only explain the concept of the model and introduce the main results.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
45901-91
GMA-MA6X05L1
統計財務保険特論I
長山 いづみ
S1 S2
木曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
数理科学研究科
授業計画
1. 株式、債券、為替などの基本的な有価証券、および、代表的なデリバティブの商品性の説明 2. 最も単純なモデルを使って、無裁定の考え方とデリバティブの価格付けのアイデアを説明 3. 一般的な離散時間モデルの説明 4. 離散時間モデルにおける第一基本定理(モデルが無裁定であるための必要十分条件) 5. 複製ポートフォリオの考え方と、完備なモデルについて 6..離散時間モデルの第二基本定理(無裁定なモデルが完備であるための必要十分条件) 7. 離散時間の完備なモデルにおけるデリバティブの価格付けの原理 8. 離散時間の非完備モデルにおけるデリバティブ価格 9. 連続時間モデルについて
授業の方法
講義形式
成績評価方法
期末の課題レポート
教科書
「数理ファイナンス」 楠岡成雄/長山いづみ (東京大学出版会)
参考書
ファイナンスの問題の背景や用語の意味を知るためには,ジョンハル著の日本語訳「フィナンシャルエンジニアリング」(きんざい)など 確率解析の参考書としては、楠岡成雄 著 「確率解析」(知泉書館)
履修上の注意
予備知識として、確率論を学んでいることが望ましい。 各講義の前に前回の内容の筋道を確認しておき、講義後は理解に漏れがないか復習しておくことが望ましい。
その他
質問は、講義中や講義直後の昼休みに対応します。また、メールでの質問はいつでも歓迎します。