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最終更新日:2024年3月15日

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数理科学特別講義X

Lefschetzファイバー空間の構成と改変
 Lefschetzファイバー空間は、射影代数多様体のトポロジーを調べるためにLefschetzが導入したいわゆるLefschetzペンシルに由来する概念である。1980〜90年代の楕円曲面の微分同相類の分類に関する研究や、20世紀末に見出されたシンプレクティック幾何学との関係などを経て、Lefschetzファイバー空間は多様体を研究するための基本的な構造として広く認知されるようになった。4次元トポロジーにおいてLefschetzファイバー空間を考えることの魅力の一つは、モノドロミー表現を通して曲面の写像類群との密接な関係が生じることにある。すなわち、4次元シンプレクティック多様体の位相幾何学的な研究が、写像類群の元の組み合わせ的な研究に帰着される。
 本講義では、4次元多様体の構成と改変の観点から、Lefschetzファイバー空間の近年の発展について解説する。特に、Lefschetzファイバー空間の構成においてとりわけ重要なモノドロミー置換と呼ばれる操作について詳しく述べる。写像類群の様々な関係式から、エキゾチックな多様体対、複素構造を持たない多様体、複素解析的でないファイバー構造などが引き起こされることを具体例を交えつつ紹介する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
45901-64
GMA-MA6X03L1
数理科学特別講義X
遠藤 久顕
A1 A2
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
数理科学研究科
授業計画
1. 4次元多様体とLefschetzファイバー空間 2. 消滅サイクルとモノドロミー表現 3. Kirby計算の速成コース 4. モノドロミー置換と有理ブローダウン 5. 様々な例の構成・最近の研究動向
授業の方法
あらかじめ準備したスライドにコメントを書き込む形で講義を行う。
成績評価方法
レポートによる。
教科書
なし
参考書
R. I. Gompf and A. I. Stipsicz, 4-Manifolds and Kirby Calculus, Amer. Math. Soc., 1999. S. Akbulut, 4-Manifolds, Oxford Univ. Press, 2016. 遠藤久顕・早野健太, 4次元多様体とファイバー構造, 共立出版, 出版予定.
履修上の注意
多様体、ファイバー束、特異ホモロジー、基本群に関する知識を仮定する。