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最終更新日:2024年4月22日

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社会数理特別講義I

暗号理論入門
現在の暗号技術は,情報を秘匿するのみでなく,情報の正しさ(正真性)を保証したり,通信相手の正当性を保証することにも使われる.これにより,インターネットを介して,適切な情報を,適切な通信相手に伝えることが可能になる.言い換えると,暗号は,インターネットが社会インフラとして機能するためになくてはならない技術であり,「社会数理特別講義I」では,その基礎を学ぶ.特に,ここでは,暗号理論の概論から始めて,代数系の取り扱いに習熟していきつつ,インターネット通信に欠かせない公開鍵暗号・デジタル署名の基礎を習得することを目指す.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
45901-105
社会数理特別講義I
高島 克幸
S1 S2
水曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
数理科学研究科
授業計画
以下の計画にしたがって,対面授業を基本とした講義を行う.受講者の理解度などに応じて演習の時間を設けたり進度を遅らせたりするので,以下の計画通りに進まないことがある. 1. 暗号理論の概要 2. 秘密鍵暗号 3. 有限体の基礎と応用(秘密分散など) 4. 公開鍵暗号(DH鍵共有,RSA暗号など) 5. 素数生成・離散対数・素因数分解 6. 楕円曲線暗号 7. 暗号の安全性証明 8. ハイブリッド暗号と鍵カプセル化 9. ハッシュ関数・MAC・認証付き暗号 10. デジタル署名 11. ペアリング暗号(BLS署名,IDベース暗号など) 12. 認証・署名の応用(PKI, TLS, ブロックチェーンなど) 13. 耐量子計算機暗号
授業の方法
講義による.
成績評価方法
課題レポートによる.
教科書
岡本龍明「現代暗号の誕生と発展」,近代科学社,2019年 D. Boneh and V. Shoup, A Graduate Course in Applied Cryptography, ver0.6, Jan. 2023  (著者のサイトからダウンロード可)
参考書
黒澤馨「現代暗号への招待」,サイエンス社,2010年 森山・西巻・岡本「公開鍵暗号の数理」,共立出版,2011年 J. Katz and Y. Lindell, Introduction to Modern Cryptography, 3rd edition, CRC Press, 2020 川添充著,上野健爾監修 「暗号から学ぶ代数学」,技術評論社,2021年
履修上の注意
本講義で必要な代数や計算理論の基本に関しては,講義中に導入・説明する予定だが,事前にそれらに関する基本的な知識があることが望ましい.
その他
A学期に開講の「数理科学特別講義XIX(耐量子計算機暗号入門)」は本講義の続編であるので,続けて履修するのが望ましい.