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最終更新日:2024年4月22日

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医学共通講義XXⅡ

生物学の哲学入門
 本講義の目標は、医学・生物学の研究において見過ごされがちな、哲学的なものの見方・考え方を身につけてもらうことにあります。医学・生物学研究において当たり前に行われている、病気の分類方法や、統計学的手法は、なぜ科学的であると言えるのか。科学だけでどこまで病気を解明することができるのか。これらの課題は、哲学の一分野である科学哲学の領域で、盛んに議論されてきました。こうした点に少しでも疑問を持っているようであれば、哲学的に医学・生物学研究を見直すことで、得られるものがあるのではないかと考えています。
 実は、医学・生物学者は、従来から研究を遂行するに際して、様々な哲学的な問題に出会い、その解決策を考えてきたのです。欧米では、その解決のために医学・生物学者と哲学者が協働するようになってきています。哲学者と協働するためにも、医学・生物学者も一定の生物学の哲学の知識があることが望ましいと考えています。
 本講義は、オムニバス形式で、前半の講義を医学・生物学者が、そして後半の講義を哲学者が行います。医学・生物学者の側からは、医学・生物学に有用となりうる哲学的な考え方を紹介します。また、哲学者の側からは、医学・生物学で用いられている方法論や概念を、哲学的に捉え直すとどのように見えるか、また、「進化」に代表される生物学の概念が我々の世界について何を語りうるのか、などについての最近の哲学的知見を含め、講義をします。
 受講には、特定の医学・生物学の知識を前提としないよう、必要に応じて医学・生物学の解説もします。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
41411122
GME-ML6122L2
医学共通講義XXⅡ
木内 貴弘
S2
月曜3限、月曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
医学系研究科
授業計画
6月 3日(月)3、4限  科学哲学・生物学の哲学概論1(東京大学大学院医学系研究科:木内貴弘) 6月10日(月)3、4限 科学哲学・生物学の哲学概論2(東京大学大学院医学系研究科:木内貴弘) 6月17日(月)3、4限 生物学の哲学が医学にどう役立つか(ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター/ハーバード大学医学大学院/自治医科大学:佐藤達之) 6月24日(月)3、4限 進化論の哲学(北海道医療大学人間基礎科学(哲学):森元良太) 7月 1日(月)3、4限 分類の哲学と疾病の分類(会津大学文化研究センター:網谷祐一) 7月 8日(月)3、4限 確率論と統計学の哲学(北海道医療大学人間基礎科学(哲学):森元良太) 7月22日(月)3、4限 人間本性の科学哲学(慶應義塾大学文学部哲学専攻:田中泉吏)
授業の方法
原則として対面式の講義で実施する。配布資料は、紙および電子化版(ITC-LMS)の両方を提供する。
成績評価方法
出席(40%)、レポート(60%)で評価を行う。
教科書
サミール・オカーシャ(直江清隆、廣瀬覚訳).哲学がわかる 科学哲学新版.岩波書店2023 (Samir Okasha. Philosophy of Science A very short introduction 2nd edition. Oxford University Press 2016) Samir Okasha. Philosophy of Biology A very short introduction. Oxford University Press 2019 森元良太、田中泉吏.生物学の哲学入門.勁草書房 2016 コスタス・カンプレーキス、トビアス・ウレル編集(鈴木大地、森元良太、三中信宏、大久保祐作、吉田義哉訳).生物学者のための科学哲学.勁草書房 2016 (Kostas Kampourakis, Tobias Uller (editors). Philosophy of Science for Biologists. Cambridge University Press 2020)
参考書
〇科学哲学一般 戸田山和久.科学哲学の冒険 サイエンスの目的と方法をさぐる.NHKブックス 2005 森田邦久.理系人に役立つ科学哲学.化学同人 2010 〇生物学の哲学一般 キム・ステレルニー、ポール・E・グリフィス(太田紘史、大塚淳、田中泉吏、中尾央、西村正秀、藤川直也訳).セックス・アンド・デス―生物学の哲学への招待―.春秋社 2009 (Sterelny, K., & Griffiths, P. Sex and Death: An Introduction to the Philosophy of Biology. Chicago: Chicago University Press 1999 〇生物学の哲学各論 エリオット・ソーバー(松本俊吉、網谷祐一、森元良太訳).進化論の射程―生物学の哲学入門―.勁草書房 2009 松本俊吉編.進化論はなぜ哲学の問題になるのか―生物学の哲学の現在〈いま〉―.勁草書房 2010 網谷祐一. 種を語ること、定義すること. 勁草書房 2020 エリオット・ソーバー(松王政浩訳).科学と証拠―統計の哲学入門―.名古屋大学出版会 2012 キム・ステレルニー(田中泉吏、中尾央、源河亨、菅原裕輝訳).進化の弟 子.勁草書房 2013
履修上の注意
本講義は、医学系研究科医学博士課程の医学共通科目(選択必修)ですが、他の研究科の学生の履修も可能です。
その他
詳細はITC-LMSにて確認してください。