学部前期課程
HOME 学部前期課程 全学体験ゼミナール (夏版伊豆に学ぶ1  山、温泉、そして海。 自然と人の繋がりをまなぶ)
過去(2022年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

全学体験ゼミナール (夏版伊豆に学ぶ1  山、温泉、そして海。 自然と人の繋がりをまなぶ)

夏版伊豆に学ぶ1  山、温泉、そして海。 自然と人の繋がりをまなぶ
【注意】この授業は開講日程の都合上、成績が所定の確認日より後に公開される見込みが高いので留意すること。

※基礎知識はあまり必要ない初級者向けの体験ゼミで、1年生に受講いただくことを意識している講義です。大学で学び始める1年時に受講することをお勧めします。このゼミでは、特別な装置や仕掛けに依らずに、ごくごくありふれたモノに気付き・学びを真摯に追求するものです。体験そのものも大事ですが、本ゼミでは体験自体よりも「学ぶ」ことにフォーカスします。文系・理系に関係なく、真剣に議論できることが受講生に求める条件となります。

※成績公開が所定日後となる場合がある。

※5日間の合宿スタイルのゼミを提供する予定であるが、新型コロナの感染状況によってはやむを得ず合宿スタイルを取りやめて、2回伊豆での日帰り+2回東京(弥生キャンパスないし駒場キャンパス)でのオンサイトでの実施に切り替えることがある。

【注意】受講希望者はシラバスを熟読のうえ申し込むこと。面倒くさいゼミであることをよくご理解ください。
【注意2】本体験ゼミは農学部が主宰するものであるが、農学部以外の学部に進学するつもりの学生にも知ってもらいたい農学分野のことを話題にあげる。文系学生にとってハードルが高いゼミにはしない。理系文系を問わず、日本の山林をどうするべきかに興味を持ってもらいたい、そして日本社会の行く末を考えるきっかけとしていただきたい。資本主義から半ば置き去りにされてしまった林業をこのまま放置して良いのか? そういったことを疑問にすら思わないことが当たり前になっていまいか。 山林が荒れて行くのを林業を再起動せずに止める手立てがあるのだろうか?

樹芸研究所と聞いて何する所?と思われただろうか。私たちは「樹芸」を樹に親しみ、樹を暮らしに役立て、樹を育むことを包含することと定義している。樹芸研究所が 開講する一連の体験ゼミ(通称:伊豆ゼミ)は「人の暮らしと生態系の関わり」を基調に、「樹芸」体験を盛り込んで、学ぶことの原点を見直すことに重きを置いている。現代社会において見えにくくなっている様々な「つながり」を意識の俎上にあげる構成をとる。「森林を観る」とはどういうことなのか。植生が違うとどういう違いが生じるのかなど、そんな「森林」に関する「?」を現物をそっくりそのまま見て、触って実感してもらいたい。理屈をこねまわすよりも、実物を見て「何をどう感じるか」ということを大事にする。
伊豆ゼミの舞台となる樹芸研究所と下賀茂寮のある伊豆半島は、その昔フィリピン海プレートに乗って海底火山が北上し、その海洋プレートが大陸プレートに潜り込む際に、本州に衝突して陸地となったという。猿人や原人がいた頃の話でそう古くない。また、日本においてフィリピン海プレートに乗る点で、他地域とは何か足元から違うような気分になってくる。少々こじつけに過ぎたかも知れないが、斯様に伊豆半島は海と縁の深い地である。伊豆半島は黒潮に突き出す格好であるので、その気候は海の影響を強く受ける。海はまた陸から注ぐ川の影響を受ける。本体験ゼミナールが目指すものは、伊豆半島の自然を満喫すること、その自然と人との繋がりを学ぶことである。基調テーマは「人の暮らしと生態系の関わり」。そこに「樹芸」体験を盛り込み、自分の手、足、目、耳、鼻など体全体を駆使して、おもしろく、楽しく学んでいただく。「海」といえば「泳ぐ」と短絡する向きもあろうが、このゼミはただ海で泳ぐようなゼミではない。少しアカデミックな視点を取り入れた海の楽しみ方や山の楽しみ方など、普段の講義では学べない様々なことを体験してもらうことにしている。本ゼミのメインディッ シュは薪炭林実習。何故、燃料革命なるものが興ったか、身をもって思い知った後、薪の素晴らしさを石窯にて存分に体験していただく。ふだん何気なく当たり前の様に使っているエネルギーのありがたさを感じられたらしめたものである。汗を流した後は、火山半島ならではの、東大印の天然かけ流し温泉につかりながら、プレートテクトニクスに思いを馳せるもまた良し。

本ゼミの特徴の一つと言える森林教育プログラム作成・実施するというアクティビティの存在も大きい。伊豆ゼミを体験した後に、皆で協力して体験プログラムの作成に取り組み、他のゼミ生を参加者に見立てて実施するというもの。プログラムを作る側に立つことで、体験ゼミの仕組みやゼミで何を伝えたいかといったことを、より実感を伴って理解することができよう。
「伊豆に学ぶ」に参加した者の多くは学びの原点回帰を体験できたような気分になる。果たしてそれは夢なのだろうか、はたまた幻なのだろうか。是非ご自身で確かめていただきたい。スタッフ一同丁寧に準備してお待ちしている。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
40273
CAS-TC1300Z1
全学体験ゼミナール (夏版伊豆に学ぶ1  山、温泉、そして海。 自然と人の繋がりをまなぶ)
鴨田 重裕
S2
集中
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
1. 開講期間    2022年8月8日~8月12日  4泊5日 ※「夏版伊豆に学ぶ2」2022年8月24日~8月28日  「夏版伊豆に学ぶ3」2022年9月8日~9月12日 同じ内容で3回実施します。新型コロナ感染防止措置として各回12人を上限とします。 できる限り参加希望に応えたいので、 後述するエクセルファイルにて第二志望か第三志望の有無を指定してお申し込みください。 2. 集合場所・時間    伊豆急下田駅出口改札前    2022年8月8日 12時ないし13時 (詳細は後日案内する) 3.解散場所・時間     伊豆急下田駅    2022年8月12日 17時頃(遅れることがある) 4.参加費用   12,500円(宿泊費、食費等、ただし交通費を含まない)   宿泊は下賀茂寮宿泊施設(樹芸研究所):*****     交通費(東京-伊豆急下田):片道分    普通乗車券(JRと伊豆急行線) 3,960円    特急踊り子 普通車事前料金  2,100円(普通列車なら不要)    熱海まで新幹線自由席特急券 1,760円(普通列車なら不要) 5. 日程 1日目 テーマ:「東京を離れて」   12時(あるいは13時。後日案内する)に伊豆急下田駅出口改札を出たところに集合 下田駅からは用意したバスに乗車して隣町松崎町に向かう。 松崎の街並みを見学したのち、伊豆の風景と人の営みに関連するポイントを3つ訪ねる。植物の多様性と人間の営みについて考えてみる。 夕食後、自主研修         2日目 テーマ:「こんな海を知っているか」 生態系を意識する磯遊び 潮間帯・タイドプール観察 魚釣り 晩はナイトウォーク 3日目 テーマ:「樹芸体験」 1. 正真正銘 樹芸印樟脳生産実験 クスノキから樟脳を抽出する実験を行う 2. 薪炭材の正しい使い方講座 窯が高温になったサインはどこに顕われる? 石窯でピザ・パン焼きを科学する (夕食を兼ねる)  *燃料とする薪は自分達で調達します。労働のあとは実にうまい! 食後は自主研修 4日目  テーマ:「自然のなか」 午前 仕掛けがあると、自然のなかに身を置くことが、不自然でなくなる    とにかく心ゆくまで自然と一体になってみよう 午後 森林教育プログラム制作。ゼミ中で最も想像的なアクティビティに取り組む        5日目  テーマ:「主体となる」    ゼミ参加は「受け身」から完全に逃れることはできない    「アクティビティを作る」という「主体となる」体験は何を産むだろう         仲間が作ったアクティビティを堪能したあと、総合討論、そして解散  6.事前講義・事後講義   体験ゼミ本番の前後に、事前講義および事後講義を行う。全学体験ゼミの一部分であるので必ず出席すること。詳細は後日連絡する。 7.説明会(ガイダンス)は初回講義を兼ねるので必ず出席すること。「夏版伊豆に学ぶ1」「夏版伊豆に学ぶ2」「夏版伊豆に学ぶ3」合同で行う。   4月11日6限、4月14日6限、4月27日6限 に行う。講義内容はほぼ同じなのでいずれかに出席すること。 8. 受講人数:新型コロナ感染拡大予防の措置として上限を12名とする。 9.開講場所:樹芸研究所・下賀茂寮宿泊施設 10. ミッションについて 「伊豆に学ぶ」シリーズでは、ゼミを受講する目的・目標をしっかりと持つことを大切に考えています。ミッションを課して、本ゼミの方向性を明らかにするとともに、あなたの受講する準備を進めたいと考えています。このミッションに取り組む機会に、一度立ち止まってゆっくりと考えていただきたいと思います。 ミッション 昨今は未曽有の集中豪雨が発生するなど、気象害は激しさを増すばかりです。否応なく一人一人が持続可能な社会を目指さなくてはならないのが現代という時代のサガといえます。「持続可能な社会」は第一次産業なしに考えることはできません。しかし、現在日本社会は第一次産業にしっかりと向き合っているとは到底言えない状況です。そこで、持続可能を意識せざるを得ない現代において、あなたは東京大学で何を学び、どう社会に役立ちたいか、この機会に一度立ち止まってじっくりと考えてください。 私たちは資本主義が支配的な社会に暮らしており、知らず知らずのうちに価値観にも大きな影響が及んでいるはずです。資本主義ではうまく回らない林業などは、無価値なものとしてこのまま放置して良いものでしょうか。日本は国土の7割近く森林が占めますが、獣が増え、荒れ続けています。林業がうまく回っていないことも原因の一つと考えられます。それではどうすればよいでしょう。その様なことに、ご自身が関わるとしたら、どの様に関わることができるでしょう。  その様なことに絡めて、本ゼミを志望する理由を記してください。このミッションには専門的な知識や理解は必要ありません。思うことをそのままお書きください。当ゼミ参加に必要なものは第一次産業や森林・生態系等への興味・関心であって、それらに関する理解度は不問とします。 字数は1,000字から2,000字とします。ご自身の言葉で、考える契機となった具体の出来事・体験などを交えて伝えてください。拝読するのを楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。 11.申込み方法 参加希望者は履修登録とは別に申し込みが必要。 樹芸研究所HP(http://www.uf.a.u-tokyo.ac.jp/*****)から伊豆ゼミ・ふらのゼミ申込書式(エクセルファイル)をダウンロードし、必要事項を入力し下記e-mailアドレス宛にお申し込みください。なお、エクセルシートは見かけより大きいので縦横にスクロールして黄色い欄を全て記入してください。夏版伊豆に学ぶ1・2・3に志望順位をつけて申し込むことができます。 メールの件名を「2022夏いず」としてください。 ・ミッションはメール本文に書くか、ワードファイルかテキストファイルを添付してください。 ・必要事項を全て入力した申込書式のファイルも添付してください。 ・メール本文に氏名とふりがなを書いてください。検索に利用します。 例:鴨田重裕(かもだしげひろ) 申し込み締切は5/6。受講の可否は5/13の15時までに合否を連絡する。 申し込みとは別に履修登録が必要です。登録・訂正期間に行うこと。 可否連絡期日の5/13の晩になっても何の連絡もない場合や、不明なことあれば、下記までお問い合わせください。 e-mailアドレス:***** (@は全角になっているのでコピペの際は半角に) 樹芸研究所TEL:*****
授業の方法
「伊豆に学ぶ」シリーズでは、環境の問題、景観の問題、獣害の問題など身近な森林が抱える様々な問題を意識化するため に、演習林内外を問わず、現地に足を運び、伊豆半島に特徴的な事象観察を行いながら、伊豆半島の自然に触れ親しむ。講義だけにせず、実体験を交えて学生に 自分の五感で体験学習させる。 夏ゼミは冬ぜみよりも「つながり」を感じやすい構成になっている。冬ゼミが炭を扱うのに対して、夏ゼミでは薪というエネルギーに着目する。実際に石窯料理に薪を活用してみよう。 伊豆ゼミは楽しいアクティビティで構成されるが、ゼミの方向付けを重視してただの楽しい体験で終わらせない。その準備という位置づけでガイダンスを行うので必ず受講してください。 ガイダンスZoomの案内は「履修上の注意」に記します。 講義に先立って、本ゼミは受講前にミッションを提出もらうことにしている。大学において何を学びどう社会に役立とうと考えているのか。学ぶ目的や、その先の目標を立ててゼミに臨むことで、講義の効果を高める狙いがある。また、講義の後にはアフターサービスが充実している。そちらとリンクさせてもらえばなお効果的である。ミッションにはゼミにどのように意欲的に取り組むつもりなのかも書いていただくとよい。 なお、受講希望者多数の場合、受講準備のよくできていると思われる学生を選抜することをご承知おきください。 受講される皆さんの協力を得て高品位の体験ゼミを目指し、これからの大学での学びをどうするかを考える機会を提供するゼミに仕上げたいと考えています。 全てにしっかりと向き合うことができる学生のみを受講対象とします。 楽しくも、かなり面倒くさいゼミから学ぼうという覚悟をもって臨んでいただきたい。
成績評価方法
講義の受講態度により合否を判定する。 欠席およびレポート提出ない場合は不合格となります。
履修上の注意
履修登録の他に所定の申し込みが必要です。申込方は「授業計画」欄に記載してあるので、それに従ってください。 「夏1」「夏2」「夏3」は同一内容のゼミなので重複履修はできません。履修登録の際に、受講希望がどちらでもよい場合は、履修登録時に両方登録し、訂正期間に不要な方を抹消するとよいです。 複数回ガイダンスがあるので、いずれかを必ず受講すること。 ZoomURL: https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/***** ミーティングID *****パスコード: ***** いずれも19時から