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最終更新日:2025年4月21日

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国際研修 (戦争と文化)

戦争と文化
【注意】この授業は開講日程の都合上、成績が所定の確認日より後に公開される見込みが高いので留意すること。特に2年生は本科目の成績が進学選択が可能となる条件に含まれない見込が高いので、履修にあたっては十分に注意すること。

この国際研修は、戦争の影響を受けた国が文化を通じて発展していく中で、どのように戦争の傷跡と向かい合っているのかを明らかにしていくものである。

カンボジアは、1970年代のポルポト率いるクメール・ルージュによって先導された内戦により、社会秩序だけでなく文化(生活、宗教、無形・有形文化財)も破壊の対象となった。戦後50年の現在、文化を中心とした様々な観光開発が進んでいる。一見すると戦争は過去の話のように見えるが、実際にはいろいろな場面においてその影響を垣間見ることができる。それらの様々な「現場」を回り、各分野の専門家たちやコミュニティメンバーと直接話をすることで、学生たちには自分の目で戦争と文化の関係性を見てもらい、分析してもらう。

果たして、文化は戦争で傷ついた社会を復興することができるのだろうか?


到達目標:
1:カンボジアの歴史と文化を理解することができる
2:戦争が文化に与える影響と、戦後復興における文化の果たす役割を理解し、実社会と結びつけながら自らの問いを立てることができる。
3:自ら立てた問いに対して専門的な知識に基づいて分析・考察できる。

UTokyo Compass 2.0との関連性
知をきわめる:
 4.地球規模の課題解決への取組
人をはぐくむ:
 9.包摂性への感受性と創造的な対話力をはぐくむ教育
 10. 国際感覚をはぐくむ教育
 11. 学部教育:専門性に加えて幅広い教養と高い倫理性を有する人材の育成
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
40140
CAS-TC1400Z9
国際研修 (戦争と文化)
宮崎 彩
S2
集中
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講義使用言語
日本語/英語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
4月中にガイダンスを行い(全体オリエンテーションの際に、詳細を説明予定)、希望者多数の場合には、総合的な評価をしたうえで、教員が10名程度を選抜する。 Sセメスター後半(6月)より、事前調査・講義等を実施し、研修で行う現地調査に向けた準備を行い、8月前半にカンボジアでの現地調査を行う。 帰国後はレポートを提出してもらい、最終評価を行う。 本国際研修では、具体的に以下の構成を想定している。 1事前調査・講義(6月~7月) 2学生によるディスカッション・プレゼンテーション(6月~7月) 3選抜された学生による現地でのインタビュー・調査(8月前半) 4学生によるレポート執筆とオンラインでの発表(帰国後) まず、カンボジアの歴史や文化を様々な資料(書物・論文、動画・映画、ゲストレクチャーなど)から学び、国際研修で訪ねるサイトに関連したテーマを学生たちに調査・分析してもらう。それを踏まえ、事前にディスカッションやプレゼンテーションを行い、現地でどのような視点で視察をするか、準備してもらう。 ※シラバスは予定を変更することもありますので、ご承知ください。
授業の方法
古くは江戸時代から日本人との繋がりがあるクメール王朝の花開いたカンボジア。アンコール遺跡郡などでその存在はよく知られており、観光地としても世界各国から人々を集めている。しかしながら、20世紀後半には内戦により多くの人命が失われただけでなく、有識者・文化/教育関係者などが集中的に殺戮されたことを受け、カンボジアの土地で培われてきた文化そのものが風前の灯となってしまった。漸く90年代に入り国内の治安が安定したものの、4年にわたるクメール・ルージュの政策により失われたものはあまりにも大きかった。戦後、さまざまな分野において修復・復旧・復興が行われてきたものの、人々の記憶や生活の中でもいまだに内戦の影響を垣間見ることができる。 今回は、そのような現状を知ってもらうため、夏季のカンボジアでの研修前に、座学と学生による事前調査を行い、フィールド調査の前にどこに着目するかについて発表を行ってもらう。その上で、8月2日〜12日にかけて赴くカンボジアで、自分たちの仮説を検証するという視点からサイトを見てもらいたい。 カンボジアは今は治安が回復しているとはいえ、センシティブな問題を抱えている他、日本と同じような安全性は保障されていない。また、本研修はチームワークを重視した内容である。そのため、Sセメスター後半に実施する授業に参加した学生の中から、教員が若干名を選抜する。具体的には、授業で出される課題の質を評価する他、授業中の各学生のチームワークのあり方、グループへの貢献度・積極性、課題の取り組み方、コミュニケーション(話す力、聞く力)能力などを総合的に判断する。 日本での事前準備、現地での調査を踏まえ、最終的なレポートを提出してもらう。このレポートは、国際連携部門の国際機関プログラムに掲載する可能性があることも追記する。
成績評価方法
グループワーク、授業への貢献 50% 課題の提出状況及び質的評価 50%
履修上の注意
本授業では、一方的に講義を聞くだけではなく、アクティブラーニングの手法を取り入れたグループワークや発表を通じた意見や課題の共有に積極的に参加することが求められる。そのため、教員が提示した文献や材料を事前に予習することが前提となっており、次週の準備のために復習も必要となる。週4時間の授業外学習が求められる。 本授業で学んだ視座を通して、政治的なものとしての文化遺産を理解し、客観的に分析できるようになることで、考察力を培うことが期待される。
実務経験と授業科目の関連性
教員は、これまでユネスコでの勤務や日本・メキシコの独立行政法人・国家機関で文化遺産の保護を行いながら、研究を続けてきた。そのため、本講義ではその実務経験も踏まえながら、理論的な枠組についても考えていくものである。