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最終更新日:2024年10月1日
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線型代数学①
線型代数学①
線型代数学の萌芽である行列は多変数の連立一次方程式を効率的,統一的に扱う手法として発明された.また,行列式は方程式の解がただ一つ存在するための条件として発見された.ベクトルの概念の起こりは古典力学にあり,その意味で線型代数学の歴史は古い.しかし行列の本質である線型性概念の真の威力が認識され,数学の一分野として線型代数学が確立したのは新しく,20世紀にはいってのことであった.
自然界や社会科学における現象は一般には複雑で一次方程式で表せることはまれだが,一次近似によりその本質的な部分をとらえることは常套手段であり,線型代数学の考え方は非常に有効である.また,量子力学や,フーリエ解析などに現れる無限次元のベクトル空間を扱うための基礎ともなっており,線型代数学の応用については枚挙にいとまがない. このように,線型代数学の考え方は現代数学や理論物理学においてはもちろんのこと,工学,農学,医学,経済学などにおいても基本的な考え方として浸透しており,応用範囲も広い.線型代数学は理論的には単純で明快であるが,その反面,抽象的な概念操作にある程度慣れないと理解しにくい面もある.線型代数学を身につけるには,演習などのさまざまな問題にあたり,理解を深めることが必要である.「数理科学基礎」において学んだ線型代数に関する知識を前提とする.
S2タームの「線型代数学①」で以下の項目1, 2を扱い,Aセメスターの「線形代数学②」で項目3~6を扱うことを目安とするが,担当教員によって,順序や内容に一部変更が加えられる場合がある.
1. ベクトル空間,線型写像
2. 生成系,一次独立性,基底
3. 内積
4. 行列式
5. 固有値,固有ベクトル
6. 対称行列の対角化と二次形式
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