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最終更新日:2026年10月16日

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微生物科学イノベーション特論Ⅰ

微生物科学に基盤を置く企業研究の実際を学ぶ
多様な微生物の機能は、我々の生活の様々な場面で利用されている。そのような場面は、発酵などの農産加工品製造の分野に止まらず、多くの化成品、抗生物質製造の分野などに非常に多岐にわたる。この様な発展の裏には、アカデミアのみならず、多くの企業の研究者による興味深い研究開発がある。この講義では、微生物学科学分野での最新の成果のうち、特に企業での商品開発に関わる成果を学ぶ。
微生物科学の専門家として学位を取得する大学院生が、企業に於ける研究とその応用(商品化)の実際を学ぶことで、大学や公的研究機関との研究の違いを理解し、学位取得後に自らの進むべき道を考える上で必要な見識を身につける。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3990112
微生物科学イノベーション特論Ⅰ
野田 陽一
A1
集中
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
農学生命科学研究科
授業計画
2026年度微生物科学イノベーション特論I A1ターム 集中講義 (開催曜日、時間が異なる点にご注意ください) 10月8日(木)5限(16:50~18:35)  野中源(味の素株式会社) 講義室: 農学部2号館1階 化学第三講義室(YAMASA room) 講義タイトル:微生物によるアミノ酸発酵とその展開 要旨:本講義では、アミノ酸発酵の代表例として、グルタミン酸およびリジン生産菌の開発を取り上げ、古典的な変異・選抜法から、代謝工学やゲノム解析を利用した最新手法まで、その発展の歴史と経緯を概説する。さらに、培養・発酵、生産物の回収・精製に至る工業生産技術から事業化までの全体像を解説する。アミノ酸発酵からの展開として、低分子化合物、医薬品原料、農業資材原料など近年の発酵技術について紹介する。 10月16日(金)2限(10:25~12:10)  川原彰人、日置貴大(花王株式会社) 講義室:農学部2号館1階 化学第三講義室(YAMASA room) 講義タイトル:花王における酵素開発研究と産業利用 要旨:洗剤用酵素の開発・活用から始まった花王の酵素開発研究とその生産技術研究において培ってきたバイオテクノロジー技術について紹介すると共に、近年の研究成果や実用化例についても紹介する。 10月22日(木)5限(16:50~18:35) 小松和也(栗田工業株式会社) 講義室:農学部2号館1階 化学第三講義室(YAMASA room) 講義タイトル:微生物が支える物質循環と環境浄化 要旨:環境微生物が担う物質循環の仕組みと排水処理への応用を概説するとともに、発電菌を利用した新たな環境技術の可能性を紹介する。 10月28日(水)4限(14:55~16:40)  雪真弘、坂田慎治(アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社) 講義室:農学部2号館1階 化学第二講義室 講義タイトル:アサヒグループにおける微生物素材開発と活用 要旨:アサヒグループにおける乳酸菌の素材開発と腸内フローラを標的とした研究、 中でも特徴的なヒト腸内細菌の探索とその活用について紹介する。 11月5日(木)5限(16:50~18:35) 延 優(海洋研究開発機構 超先鋭研究開発部門) 講義室: 農学部2号館1階 化学第三講義室(YAMASA room) 講義タイトル:生命誕生を支えた超単純な岩石依存のエネルギー代謝 要旨:生命は、その起源から現在に至るまで、化合物間の電子移動に伴って生じるエネルギーを回収し、細胞の構築に利用してきた。生命の誕生の場と考えられる海底熱水噴出孔では、熱いアルカリ性熱水が「蛇紋岩化反応」と呼ばれる地球化学反応を通じて、水素(H₂)など高エネルギー電子を含む気体を絶えず供給していた。このような環境は十分に還元的であり、鉱物が無機炭素を非生物的に還元できる条件を提供し、そこから原始的な代謝が進化する基盤となったと考えられる。しかし、生命がこの還元的環境を離れて拡散していく過程では、エネルギー保存に関する熱力学的制約に直面したはずである。では、生命はいかにして水素や電子の供給源から離れ、地球全体へと進出していったのか。本発表では、熱力学的計算、系統解析、および細菌・古細菌の生理学的特徴をもとに、この問いに対する仮説を提示する。我々の解析は、光エネルギーを利用することで水素依存から脱却した系統と、水素利用を一層洗練させた系統とが、それぞれ熱水噴出孔からの離脱に成功したことを示唆している。前者は「光合成」を備えた真正細菌ドメイン(Bacteria)を、後者は「メタン生成」を担う古細菌ドメイン(Archaea)を生み出した。そしてさらに、別の一連の出来事が海洋から電子源を奪い、最終的に水素を介した細菌と古細菌の融合を駆動し、第三のドメインである真核生物(Eukarya)の誕生へとつながったと考えられる。 11月12日(木)4限(14:55~16:40)   有川尚志(株式会社カネカ) 講義室:農学部2号館1階 化学第二講義室 講義タイトル:微生物産生ポリエステルPHAの開発と社会実装 要旨:Polyhydroxyalkanoate(PHA)は炭素源が豊富な条件で微生物がエネルギー貯蔵物質として蓄える脂肪族ポリエステルである。熱可塑性を持つため既存のプラスチックのように溶融成形でき、天然型構造であることから土壌中だけでなく海水中でも生分解性を示す。本講では、最も社会実装が進んでいるPHAのひとつであるPoly[(R)-3-hydroxybutyrate-co-(R)-3-hydroxyhexanoate] (PHBH)の工業生産微生物開発を中心に紹介する。 11月16日(月)2限(10:25~12:10) 福島達伸(三菱ケミカル株式会社) 講義室:農学部1号館2階9番教室 講義タイトル:企業における微生物を用いた研究・事業開発」 要旨:本邦では、酒類や醤油などの発酵食品・調味料の製造をはじめ、微生物を活用したさまざまな製品開発が行われてきた。近年は「バイオものづくり」として、サステナブルなものづくりや高機能製品の生産が進展し、日本成長戦略においても重要な位置を占めている。本日は、自身の企業でのキャリアを振り返りながら、企業での微生物利用技術の発展について紹介したい。
授業の方法
7回の講義を設定するが、それぞれに異なる企業の研究者を招き、研究内容と商品化について講義をお願いする。担当教員は各講義にモデレーターとして参加し、履修学生の講義内容の理解が進むように補助する。 必要に応じて、資料を配布する。
成績評価方法
出席、講義後の感想で総合的に成績評価を行います.レポートはITC-LMSから提出してください.
履修上の注意
その他、講義に関する必要な情報(資料の配付方法や講義の実施URL等)についてはUTOLで確認のこと。なお、東京大学のECCSクラウドメールを利用しているもののみ閲覧可能としてあるので、各自のアカウントで確認すること。
その他
対面にて実施 農学部弥生キャンパス