1.2026年12月4日(金)
講師: 松井求(京都大学)、藤田博昭(京都大学)、西川洋平(産総研)、細川正人(早稲田大学)
時間:1~4限
大まかな内容(キーワード):メタ16Sアンプリコンシークエンス解析とメタゲノム解析、微生物生態、群集動態、予測、シングルセルゲノム、シングルセルトランスクリプトーム
1-1.松井求先生
演題:輪作はなぜ良いのか?バイオインフォマティクスが示す持続可能な農業への道
輪作は経験的に地力維持に有効であることが知られているが、そのメカニズムには不明点が多い。本講義では土壌細菌叢に光をあて、情報解析によって明らかになったその重要な役割について議論する。
1-2.藤田博昭先生
演題:非線形な微生物群集動態の予測可能性
複数の生物種が相互作用した結果に形成される生物群集は、しばしば複雑な動態を示す。生態学ではモデルを当てはめることで動態の理解を進めてきたが、野外の複雑な群集においては、モデルで表現しきれない。本講義では、非線形力学・統計力学を取り入れることで見えてきた生物群集動態の予測可能性について紹介する。
1-3.西川洋平先生
演題:環境微生物・環境ウイルスのシングルセルゲノム解析
環境中の微生物やウイルス(ファージ)の機能や役割を理解するため、ゲノムを対象とした様々な解析手法が提案されている。本講義では、これらのゲノム解析手法の特徴と適用範囲を概説するとともに、微生物1細胞およびウイルス1粒子レベルでゲノム情報を取得するシングルセルゲノム解析に特に着目し、その原理と実際の環境サンプルへの応用事例について紹介する。
1-4.細川正人先生
演題:微生物のトランスクリプトーム解析の最前線
RNAを対象としたトランスクリプトーム解析は細胞の遺伝子発現の不均質性を明らかにし、希少な細胞集団の存在等を明らかにする技術としてヒトを初めとした真核生物研究に広く用いられるようになりました。その技術が、いま微生物にも対象拡大され注目されています。本講義では最前線の研究を紹介します。
2.2026年12月25日(金)
講師:新谷政己(静岡大学)、西村陽介(JAMSTEC) 、森脇由隆(東京科学大学)
時間:2・3・4限
大まかな内容(キーワード):プラスミド、ファージ、モビローム、分類、タンパク質構造
2-1.新谷政己先生
演題:バイオインフォマティクスを利用して微生物の進化・適応を促進するプラスミドの動態を理解する
具体的内容:プラスミドは、微生物が急速に進化・適応するための鍵となる可動性遺伝因子であり、その環境中における動態の理解は基礎・応用研究の両面で極めて重要である。本講義では、実験微生物学と情報工学の手法を融合し、プラスミドの動態を解明する研究の最前線について、その一端を紹介する。
2-2.西村陽介先生
演題:ゲノム配列で分類できる?微生物、ウイルス、プラスミドの分類手法の発展
シークエンス技術の発達によって、ゲノム配列から微生物やウイルス、プラスミドを分類する必要性はかつてなく高まっている。微生物やウイルス、プラスミドは、バイオインフォマティクスの解析技術を活用してどのように分類されてきたのか、その経緯と現状、今後の展望について紹介する。
2-3.森脇由隆先生
演題:環境微生物のシングルセルゲノム解析
具体的内容:分子現象は本質的にタンパク質・DNA・化合物によって引き起こされているため、分子をatomic levelで観測することは、分子の特異性や生化学的な性質を理解する上で重要となる。本講義ではplaseekやalphaFold3toolsといった私の開発しているソフトウェアを例に、将来的にプラスミド研究に応用可能なソフトウェアを用いて計算科学的にこれらの実験に応用する手法を紹介する。