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最終更新日:2025年4月21日

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微生物機能開発学

多様な微生物の機能をどう知り、それをどう取り扱って、さらに利用するのかを学ぶ。
 多様な微生物の機能は、我々の生活の様々な場面で利用されている。近年、種々の解析手法の充実により、環境微生物学・応用微生物科学の裾野は広がり続けており、集団としての微生物や従来利用されてこなかった新規微生物なども解析され、その利用・制御を目指す研究が活性化している。この講義では、モデル微生物ではない実用的な微生物(特に細菌)を取り扱うトピックスの中から、比較的新しく、科学的にも興味深い研究・開発事例を取りあげ、背景から実際にいたる幅広い内容を話していただく。この講義を通して、微生物研究の幅の広さを実感してもらい、何ができるようになってきたのか、まだ不可能で今後の研究のターゲットとなる対象は何かなどについて、学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3908107
GAG-BT6D01L1
微生物機能開発学
野尻 秀昭
A1
金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
農学生命科学研究科
授業計画
(1)10月8日 永田裕二(東北大学) 「細菌の環境適応と進化」 細菌は環境中に広く棲息し、様々な環境変動に対して迅速に適応・進化している。本講義では、人為起源の環境汚染物質の分解資化能を有する細菌を対象とした研究を紹介しながら、細菌の環境適応・進化機構、さらにはその微生物の潜在的機能開発への応用の可能性について論ずる。 (2)10月15日 小笠原渉(長岡科学技術大学) 「今、活性・機能で微生物をスクリーニングする意味」 人類が微生物を培養できるのは、0.1%にも満たない。ポストゲノム時代に微生物の活性・機能で評価し、人類の生活に活かしていくことは重要である。本講義では、活性・機能で微生物をスクリーニングする意義および手法について紹介いたします。 (3)10月22日 岡本章玄(物質材料研究機構) 「電流生成する細菌の基礎と応用」 自然界や動物内に棲む微生物群衆において、細胞外と電子をやり取りすることで代謝する「細胞外電子移動(Extracellular Electron Transport, EET)」能を持つ細菌が次々と見出されている。本講義では、細菌が電流を生成するための分子機序や材料との相互作用に関する研究の最前線に加えて、バイオ電池や医療・製薬技術の実用化へ向けた開発事例を紹介する。 (4)10月29日 野村暢彦(筑波大学) 「バイオフィルムと細胞間コミュニケーション 〜微生物の集団性と不均一性〜」 地球上の微生物の多くはバイオフィルムつまり集団で存在し、細胞間でコミュニケーションしていることもわかってきた。さらに、コミュニケーションも近くの細胞間と遠い細胞間で異なる方法をとることも明らかになってきた。そして、モノクローナルな微生物細胞集団でもその中の各細胞に多様な個性が生じている、つまり不均一性がある。集団とコミュニケーションそして不均一性についてと、それらを解析するためのテクノロジー(最新イメージング技術等)もあわせて紹介する。 (5)11月5日 跡見晴幸(京都大学) 「ゲノム情報と微生物代謝」 近年の微生物ゲノム配列の蓄積により、いままで普遍的と考えられてきた代謝経路であっても、それらを持たない微生物も自然界に存在することが明らかとなった。我々はこのようなケースに注目し、それらに代わる酵素・代謝経路の同定を目指している。ここではアーキアを対象とした代謝研究について、研究のアプローチを含めてその発端から全容解明まで講述する。 (6)11月12日 玉木秀幸(産業技術総合研究所) 「未知の微生物を"培養"して新たな生命機能を探る」 約40億年前に誕生した最初の生命体である”微生物”。その生命は脈々と紡がれて、多様な生物が繁栄する現在の地球環境へと繋がっている。一方で、この地球に棲息する微生物のほとんど(>99%)が、未だ人類が培養に成功したことのない”未知なる生き物”であることが分かっている。この未知の微生物を探究するという営みは、単に微生物を研究することに留まらず、生命の基本原理・装置を知る、そして、生命とは何か、という根源的な課題に対峙していることに他ならない。本講義では、この未知の微生物を探究しその実態を紐解くことで見えてきた微生物の驚くべき多様性と多彩な能力に触れながら、この目に見えない微生物という小さな生き物の存在が、現代社会の様々な課題(SDGs)の解決にも関わりうる”偉大”な存在であるかについてお話したい。 11月19日 鈴木仁人(国立感染症研究所) 「薬剤耐性(AMR)対策の現状と未来」 近年、薬剤耐性(AMR)病原微生物の増加が世界的な公衆衛生上の問題となっており、2015年にWHO(世界保健機関)総会にてGlobal Action Plan on AMRが採択され、2016年には日本国のAMR対策アクションプランが策定された。本講義では、薬剤耐性菌の概論、産学官における薬剤耐性菌対策の試みを解説し、我々が行なっている基礎研究を紹介したい。
授業の方法
Zoomを用いてリモートで実施する。
成績評価方法
毎回の出席と講義内容に関する最近の論文一報(講師の論文を推奨する)に関するレポートの内容によって成績を評価する。レポートでは、当該論文の内容を概説すると共に、その後の研究展開についてオリジナリティーある方針を示してもらいたい(論文の中で著者らに示されている方針だけでは評価しないので注意すること)。なお、各講義の最後に講義の感想・質問を受け付ける。
教科書
特になし
参考書
特になし
履修上の注意
本年は講義内容をアップデートする予定にしています。合わせて、授業計画も変更しますので、内容の確認を随時行ってください。また、Zoomでの講義への参加方法なども,随時シラバス内で公開しますので、注意してください。 オンライン授業用のZoom URLは、下記の「オンライン授業URL」内、またITC-LMS上でも公開しています。また、出席登録・管理もITC-LMSで行いますので、確認してください。
その他
特になし