本講義では、高分子成形加工の基礎について、その歴史、技術背景、様々な加工方法の原理について解説する(射出成形/押出成形/溶融紡糸/フィルム成形/反応成形 等)。高分子材料、高分子ブレンド材料、高分子複合材料等を用いた、様々な最新加工技術とその加工特性について述べる。特に、溶融混練による新たなポリマーアロイや複合材料の作製について、さらに、加工プロセスから形成される高次構造形成、物性発現について解説する。また、成形加工において重要な材料の溶融特性、固化挙動や密度変化についても論究し、高分子の成形加工性、得られた製品の高次構造と工学物性(力学特性(強度、弾性率、タフネス)、熱特性(断熱性,高熱伝導率材料)、光物性)の相関について解説する。最後に、最新の加工技術や今後の高分子材料を用いた「ものづくり」技術や、その高付加価値製品とデバイス創成などへの応用について述べる。本講義を通じて、最新のものづくりの諸問題についての理解を深め,各自の思索を深めるための基礎を身につけることを目標とする。
1. はじめに/身の回りのプラスチック
2. 高分子加工の歴史/射出成形/押出成形/溶融紡糸/フィルム成形/反応成形 等
3. 先端成形加工(圧延/多層成形/ナノインプリント 等)
4. 高分子構造(成形加工による高次構造形成)
5-6. 高分子の物性(力学特性(強度、弾性率、破断伸度)、熱特性(断熱性,高熱伝導率)、光物性)
7. 微細転写成形と表面機能化/まとめ