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最終更新日:2025年4月1日

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生物環境情報工学特別講義

農業・陸域生態系情報のためのリモートセンシング-技術の進化、深化とその真価
リモートセンシングは地球環境変動に関わる緩和策・適応策や農業生産のスマート化、防災など重要な社会課題に取り組む際の空間情報把握にとって欠かせない計測技術になっています。また、農学や環境科学、生態学、水文学などの理系分野だけでなく考古学など文系分野にも重要なツールとして活用範囲が広がっています。本講義では、その共通基盤となる植物および土壌等環境情報のリモートセンシングに関する基礎と応用について解説します。すなわち、可視~熱赤外~マイクロ波にわたる広範な波長領域のセンシング技術の利点と制約の最新状況を概説するとともに、人類的課題となっている世界各地の「問題生態系」の実態把握や、「スマート農業」のためのドローンセンシング技術開発等における具体的研究事例を通して、リモートセンシング・空間情報技術を脱炭素やSDGs等を含む広範な地球生態系問題に活用していく際に必要な知識や考え方について述べます。また、今後の論文執筆の参考として、関連分野での論文刊行の動向についても触れます。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3906206
GAG-BE7F01T2
生物環境情報工学特別講義
非常勤講師
S2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
農学生命科学研究科
授業計画
リモートセンシングを機軸とする空間情報技術によって解決すべき問題や、そのための先進的な情報抽出アルゴリズムや応用アプローチについて、実例を交えつつ解説します。 1.イントロダクション「リモートセンシングの威力と役割」: 地球環境問題、スマート農業などリモートセンシングが重要な役割を果たす生態系問題を概観するとともに、それに向けたプラットフォーム(衛星等センサ搭載システム)やセンサ等の最新状況、信号データ利用のカギとなる情報抽出アルゴリズム等について概説する。 2.センシングデータとアルゴリズム: 可視~近赤外~熱赤外~マイクロ波にわたる広範な波長領域の計測信号を植物や生態系変量の遠隔評価に結び付けるための方法論や計測法、リモートセンシング信号利用のアルゴリズムについて解説する。 3.作物生育診断やスマート農業に向けたリモートセンシング: 高解像度衛星センサの利用法研究やドローンセンシングシステムの開発研究、ならびに、それら手法の生育診断やスマート農業、フェノタイピング等への応用について解説する。 4.生態系の炭素動態などの定量的把握に向けたリモートセンシング: 陸域生態系の炭素貯留量の動態や生態系による炭素固定機能増強、地域スケールの窒素影響の把握などに関わるリモートセンシングを用いた取り組み事例などについて解説する。リモートセンシング技術の多面的な応用分野や利活用法に関する自由討論を通して、脱炭素やSDGsをふくむ今後の広範な生態系・環境問題および農業問題への利用ポテンシャルの理解を深める。
授業の方法
本講義は原則としてスライド等を用いるオンライン対面方式で行います。
成績評価方法
出席とすべての講義終了後に提出するレポートで総合的に評価します。
教科書
特定の教科書は使いません。リモートセンシング・GISに関する基礎知識は修得していることを前提とします。
参考書
参考として、講義担当者(井上吉雄)執筆の書籍や論文を若干リストします。可能であれば触れてみることを薦めます。 1.「基礎からわかるリモートセンシング 第2版」(日本リモートセンシング学会編;井上吉雄ほか), 理工図書, 368p.,2025年. https://www.rikohtosho.co.jp/***** 2. 「農業と環境調査のためのリモートセンシング・GIS・GPS活用ガイド」(井上吉雄 編著),森北出版,東京,154p.,2021年. https://www.morikita.co.jp/***** 3.「続・ドローン産業応用のすべて- 開発の基礎から応用の実際まで」(野波健蔵 編著;井上吉雄ほか), オーム社, p.133-139,2020年. https://www.ohmsha.co.jp/***** 4.「農業ロボットの最前線」(野口伸 監修;井上ほか), CMC出版, p.57-69. 2020年.  https://www.cmcbooks.co.jp/***** 5.「Hyperspectral Remote Sensing of Vegetation 2nd Ed. Vol. 3」(Eds. Thenkabail, P.S., Lyon, J., Huete, A.;井上吉雄ほか), CRC Press, 2019. https://www.routledge.com/***** 6.「世界の生態系で何がおきているのか? -リモートセンシングで探る世界の問題生態系-」(井上吉雄 編著),日本リモートセンシング学会刊,215p., 2024年. https://www.rssj.or.jp/***** 7.「地球生態系問題とリモートセンシング-技術進化,研究深化と真価の発揮に向けて-」(井上吉雄). 日本リモートセンシング学会誌 41, p.119-126,2021年. https://doi.org/*****
履修上の注意
講義に使用する内容や資料はすべて講師のオリジナルな著作物です。オンライン講義となった場合には、以下の点に留意してください。①許可なく講義画面のスクリーンショットを撮影することや、講義の録画・録音すること、これらを第三者がわかるような形でアップロードすることは、不正行為と見なされます。②講義のZoom URLを第三者に提供することも不正行為と見なされます。
その他
講義担当者(井上吉雄)URL   https://researchmap.jp/***** https://ecosystem-informatics-institute.jimdosite.com/*****